スタッコフレックスを基礎の仕上げに使用した住宅
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(株)加納工務店(八雲町、加納昭平社長)では、内外装用のコテ仕上げ材として使用されているスタッコフレックス(総発売元キャスケードコンポーネンツ、本社・米国ワシントン州)が基礎断熱の表面仕上げ材としてクラック抑制に効果があることから、基礎断熱住宅の全棟に標準採用している。
以前、同社では基礎断熱の表面をモルタルで仕上げていたが、クラック発生の防止が課題となっていた。そこで加納社長は伸縮性と弾力性に優れたスタッコフレックスに着目。北欧や北米では外装仕上げ材として広く使用されていることもあり、昨年から採用に踏み切った。
スタッコフレックスは、ドイツの化学製品メーカー「ロエサルケミカル社」が開発し、アメリカで商品化されたもの。製品はどのような下地にも塗ることが可能。メンテフリーで耐久性に優れている点も特徴だ。表面はリシン吹き付けのように仕上がり、仕上げ材の色は40色ある。
加納工務店で行っている施工方法は、最初にベースコート1缶の半分を別容器に取り出し、同量のセメントを少量混ぜ合わせながら攪拌して下地材を作る。そして発泡断熱材の上に下地材を薄く塗り、その上にグラスファイバーメッシュを全体に貼ってからさらに下地材を塗る。下地材の塗り厚は3ミリ程度を目安としている。最後に専用の仕上げ材を塗って完成。
同社の加納社長は「30年、40年先のことを考えたとき、耐久性に優れた製品の良さは必ずユーザーに理解してもらえると思うので積極的に採用している。スタッコフレックスをモルタルの価格と比較すると、1軒あたり約2万円ほど高くなるが、クラックの改修費用を考えると高いものではないので自信を持ってユーザーに進めている」と話している。
頭が痛い基礎断熱の仕上げ
【解説】基礎断熱の仕上げモルタルに発生するごく細いクラックは、多くのビルダーが頭を悩ませている。
原因は、押出スチレンフォームなどの板状断熱材が熱によって膨張伸縮するためと言われており、基礎のモルタルが断熱材の動きに追従することにより、割れてしまうわけだ。
布基礎に発生する構造体のクラックではないので強度低下の心配はないが、見栄えが悪い上に印象もよくない。
クラック防止には、炭素繊維入りのプレミックス樹脂モルタル「CFモルタル」((株)タイガー産業)があるほか、ビルダーなどがさまざまな工夫を凝らしているのが現状だ。 |
表面はリシン吹き付けのように仕上がる
製品プロフィール
製品名 |
スタッコフレックス |
部位等 |
内装・外装仕上げ材 |
価格 |
4,500円~5,000円/m2(材工込) |
問い合わせ |
?カネマツ
帯広市西11条南丁目12-8
0155-36-6428 |
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