平成15年9月25日号から
道内は日射量豊富
地域エネシンポ 太陽エネの有効利用推進

札幌で建てられた太陽光発電住宅。道内の日射量は決して悪くない
 北海道経済産業局と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)北海道支部では今月11日、札幌サンプラザで地域新エネルギーシンポジウム「北海道において太陽エネルギー利用は有効か?」を開催。道内での太陽エネ利用の現状と課題等について、東京農工大学工学部電気電子工学科の黒川浩助教授の基調講演やパネルディスカッションが行われた。
 このシンポジウムは、道内での太陽光発電や太陽熱利用の普及促進を目的としたもの。冒頭に行われた基調講演では、「太陽エネルギーとその利用動向について」をテーマに黒川助教授が「積雪寒冷地の道内は太陽エネルギーを利用しにくいと考えがちだが、日本気象協会が日射量に応じて分類した日射気候区において、道内の4分の1は東京やその周辺地域と同じ地域に区分され、日射量も全国平均とあまり変わらないなど、決して不利ではなく、むしろ道内は日射量がいいという認識が必要だ。また、太陽電池は低温の方が性能が上がるので、道内は太陽電池にとっても使用に適した地域と言える」と、道内の日射条件について紹介。
 続いて京セラ(株)ソーラーエネルギー統括事業部マーケティング部副責任者の松田高明氏が「太陽光発電:北海道における実施例と今後の課題」と題して事例紹介を行い、「道内では太陽光発電の設置件数こそ少ないが、一軒当たりの太陽光発電量は東北以上に多い。道内での太陽光発電量は日本の平均と考えて良く、決して他地域に劣っているわけではない。今後、防雪対策や寒冷地に適した設置方法の開発、低コスト化などが進めば普及に弾みがつくだろう。一方、太陽熱利用は真空管方式の場合、一度真空管が凍ると温度が上がるまで時間がかかるため、道内での普及はかなり難しい」と太陽光・太陽熱利用の現状を報告した。

大勢の参加者で埋まった会場
 この後、「太陽エネルギーの将来像について~北海道における太陽エネルギー有効利用への提言~」をテーマとしたパネルディスカッションを実施。道内で太陽エネ利用が進んでいない要因として、太陽光発電パネルの取り付けに大げさな架台が必要となる無落雪屋根が多いこと、寒冷地向けの太陽エネ利用設備機器が少ないこと、環境への貢献など経済性以外のメリットが十分PRされていないことなどが挙げられ、各パネラーはこれらの課題解決へ向け活発な議論を交わした。

スチールハウス普及へ
北海鋼機 江別に形鋼生産設備
 北海鋼機(株)(本社江別市、杉田公義社長)では、同社江別工場で建設中のニッテツスーパーフレーム(スチールハウス)形鋼製造設備の竣工を機に、10月28日(火)午前10時半から江別工場(江別市上江別)で「ニッテツスーパーフレーム形鋼製造設備竣工披露会」を開催する。
 形鋼は木造ツーバイフォー工法のディメンションランバーにあたるもので、スチールハウスのいわば骨格。同社がスチールハウスの形鋼製造を始めることにより、新日本製鐵?が推進するスチールハウス・ニッテツスーパーフレームは、きめ細かな対応と輸送コストの抑制が可能となる。
 鉄鋼メーカー主導で始まった日本のスチールハウスは、道内でも地場のビルダーが採用を始めたが、一部の鉄鋼メーカーが道内市場から事実上撤退するなどしたため、一時期はやや勢いがなくなっていたが、新日鐵が力を入れ始めたことから最近は再び盛り上がりつつある。北海鋼機による形鋼生産は今後のはずみとなりそうだ。

地場のビルダーによるスチールハウス(ニッテツスーパーフレーム)の現場。モデルハウスとして一般公開が行われた

完成予想を写真化
VRS・未来写真VR3 建材等を簡単に変更可能
 完成した新築住宅やリフォーム後のイメージ写真の制作・プレゼンテーションシステムなどを開発・提供している(株)ヴイ・アール・エスではこのほど、完成イメージ写真に使う建材などのカラーやテクスチャーを、ユーザーと打ち合わせしながら自由に変えることができるプレゼンテーションシステム「未来写真VR3」を発表した。
 未来写真は、契約しているSOHO(在宅事業者)が図面や施工前の写真を元に制作した外観や内観の仕上げのイメージ写真を、パソコン上などでプレゼンテーションできるシステム。ビルダーの説明やカタログ・サンプルだけではなかなかわかりにくい内外装の仕上がりなどを、実際に完成した状態の写真の形でユーザーに見てもらうことにより、施工前と施工後のイメージギャップをなくすことが可能で、インターネットの利用と専任の画像制作者の確保によって、同じシステムを提供する大手メーカーの十分の一程度の低価格を実現している。
 今回発表された未来写真VR3は、従来品をバージョンアップしたもので、建材やインテリアなどのカラーや素材をパソコン上で変更できるようになり、ユーザーが自分で好きなデザインを考えることが可能になった。変更する建材等のデータはインターネットを通じてダウンロードでき、現時点で使える建材等のデータは、市販品の10%程度をカバー。また、画像制作の依頼に使用する通信ソフトも高速化が図られている。
 制作された写真は、実寸大で表示することができるリアルスタジオや、完成後の住宅の室内や外廻りをパソコン上でウォークスルーできるデジタルパンフレットというソフトにも利用できる。
 利用は月々4万2000円の5年リースとなっており、写真の製作料はその都度別途かかる。
 問い合わせは同社(Tel.011・726・7777、Fax.011・726・7770)へ。
パソコン上の操作画面。左上のメニューから部位を選択し、下に表示されている建材のデータから任意のカラー・素材を適用することで、様々な完成イメージを確認できる

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