1階・2階の床根太に使用
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大和ハウス工業(株)はツーバイフォー住宅を扱う札幌支店第二住宅営業所で、木質I型梁のTJIジョイストを分譲住宅を含むすべてのツーバイフォー住宅の床根太として4月から標準採用した。TJIジョイストは、米・ウェアハウザー社が製造する木製I型梁で、薄型のウェブをフランジで挟み込む構造となっており、ディメンションランバーに比べて軽量化を図りながら同等以上の強度を持っている。ウェアハウザー・ジャパンによれば、道内のツーバイフォー住宅におけるTJIの採用率は昨年で4割近くにのぼるという。
同営業所では、八年前の旧しんたくダイワハウス時代からTJIの収縮、反りの少なさに着目していたが、コストや供給体制の問題から一部の物件での使用にとどまっていた。その後大和ハウス工業と一体となり、二年前には鉄骨系住宅を対象に行っていた、引き渡し後20年の構造躯体保証を含む「安心のサポートシステム・21C」を木造ツーバイフォー住宅にも適用。そこで再度検討されたのがTJIの採用。ディメンションランバーでは乾燥材を使用してもある程度の乾燥収縮は避けられず、床鳴りなどクレームの原因にもなる。TJIは材そのものはランバーよりも割高になるがメンテナンスコストも含めてトータルで見るとほぼ同等になると判断、より長期に渡ってユーザーに安心を提供できるメリットのあるTJIを選択した。さらに、輸入取扱会社の昭和木材(株)(本社旭川市)が全道主要拠点にTJIの在庫基地を置き、安定して入手できることも決め手となった。
また、TJIはウェブにOSBを使用しているため、配管・配線のための穴開け加工が容易なことと、TJIそのものが軽量なので、ディメンションランバーよりも施工性が向上するという。注意点としては、TJIのメリットを生かすには側根太、端根太のような圧縮力がかかる部位にはLSLのようなエンジニアリングウッドを使用することが必要。
同営業所の近藤賢二所長は、「年々お客様の見る目がシビアになる中、構造躯体の信頼性の向上のため、分譲住宅も含めた標準採用に踏み切った。以前TJIを直接輸入しようとしたこともあるが、バックヤードの確保など間接経費がかかることがわかって断念していた。昭和木材が全道各地に在庫拠点を揃えたため、安心して採用に踏み切れた。
今後は床組みの工場でのパネル化をすすめ、1日建て方を実現したい」と話している。 |