レンガ積みの外観、吹き抜けに大きな開口部を設置
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花住ホーム(株)(本社岩手県花巻市、千葉利一社長)では外装がレンガ積みに洋瓦、躯体はツーバイシックスで木製窓を標準装備し、室内はジョリパット仕上げ、サクラ・ムク材のフロア、ムク材を使った収納建材などを装備して坪45万円を実現した「煉瓦積みの家」モデルハウスを花巻市内にオープン、2ヵ月あまりで10組近く成約にこぎ着けるなど好評だ。
熱損失係数1.34ワット、相当隙間面積0.9平方センチ/平方メートルというⅠ地域(北海道)の次世代省エネ基準を上回る性能と本物のレンガの質感で差別化を図り、なおかつレンガや木製窓、フロアや収納建材などの木質建材をすべて中国から直輸入することで、割安な価格を実現した。
レンガは1,140℃で焼き上げた吸水がほとんどないテラコッタレンガで、躯体の基礎と一体で打ち込んだレンガ用基礎から積み上げる。縦筋は455ミリピッチ、横筋は4段ごとに躯体に止めつける。開口部はアングル金物を使い、そこから上に積み上げる。躯体との間には30ミリの通気層を設けている。
プラスチックサッシとほぼ同じ価格帯で仕入れているという木製サッシ「SAYYAS(セイヤース)」は、ドイツ製の金物と気密材を使った外装アルミクラッドタイプで、ガラスはアルゴンガス入りペアガラス。内倒し・内開きのドレーキップタイプを中心にパティオなども揃っている。
モデルハウスは吹き抜けに大きな開口部をとった開放的なプランで、室内はジョリパットと米松のつけ柱・梁で装飾。床材、階段材、室内ドア、キッチンなどの建材はすべてムク材または集成材を使用。取っ手など小物に黒塗装の金物を使い落ち着いた雰囲気に仕上げている。
価格は吹抜面積込み、暖房・カーテンを除いたフル装備で坪当たり45万円を実現。
同社千葉社長は「一時はコストダウン商品も揃えたが、結局は価格競争になった。地場の工務店として高い性能を前提としながら商品力と妥当な価格で差別化を図っていかなければ生き残れないと痛感し、つくった商品が煉瓦積みの家だ。フランチャイズをはじめる気は全くないが、レンガや木製窓などはオープン販売も考えている。地場の工務店がそれぞれの地域でがんばることがこれからの住宅産業のあるべき姿だと思う」と語っている。 |
キッチンキャビネットなどにすべてムク材を使用。壁はジョリパット
レンガ積みのモデル
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