|
道と札幌市の対応 改正基準法の確認・検査
シックハウス対応の改正建築基準法で、確認申請と中間・完了検査についての道と札幌市の対応が明らかになった。いずれも確認時は申請書類のチェックのみで、換気に関連する圧力損失計算書の提出は求めない。また、中間・完了検査では申請書類をもとに現場での目視確認のみ。北海道建築指導センターも札幌市に準じる。ただ、細かい点については建築主事の判断となるため、施行当初は札幌以外の市町で対応に温度差が生じることも考えられる。 |
確認申請 道独自の記入用紙を作成
建築確認申請書類では、建材規制について「使用建築材料表」を追加し、換気設備については「建築設備の種類」のなかに換気に関する項目を追加することになっている。首都圏では申請書類に含まれない換気の圧力損失計算書の提出を求める例もあるとされるが、道も札幌市も圧力損失計算結果を求めることはない。
札幌市ではチェックしづらい場合に平面図に天井高を書き込むような措置も検討するとしているが、現時点で申請側の負担が増すようなことは考えていない。また建築指導センターでは「圧力損失計算書は確認・検査で申請内容に疑問が生じれば提出を要求するかもしれない」としている。
なお、道では使用建築材料表や換気量計算書について、独自に作成した記入用紙を作成しており、ホームページからダウンロード可能だ(http://www.pref.hokkaido.jp/kensetu/kn-ksido/sickhouse/)。いずれの書類もこの書式に従えば、とりあえずは問題なさそうだ。
法改正に伴い、建築確認の手数料値上げも予想されたが、自治体も指導センターも現時点での値上げはしない。
中間・完了検査 ▼何を揃えるか
ラベル確認できる写真 必ずしも全室撮る必要なし
中間・完了検査申請図書では、「工事管理の状況」の表の中に内装仕上げ規制の対象となる建材の種別と面積、換気設備の状況を追加するとともに(別表)、内装仕上げについては写真を貼付することになった。
このうち別表の内容については、基本的に確認申請図書と照合すればよい。圧力損失計算書は、設計図書としては必要だが、提出を求められることは原則としてない。
問題は写真。どこをどのように撮ればいいのかという点だ。法規上は「内装の仕上げに用いる建築材料の取り付け等の工事終了時に…当該建築材料を用いた内装の仕上げの部分を写した写真」を添付することになっている。これをそのまま読むと施工終了時に写真を撮ればいいように受け取れるが、そうではない。
道も札幌市も、JIS・JASなどの表示マークにより、ホルムアルデヒド発散建材の区分が判断できるものについては、原則として取り付けられた時に表示マークが判別できる写真を撮影・添付するが、施工後では隠れて見えなくなる場合は施工途中に撮影する、としている。
このほか札幌市と指導センターは、梱包や容器にも表示があれば撮影しておくように、としている。いずれも仕上げが同じであれば全部の部屋を撮影する必要はなく、1ヵ所だけ撮影すれば良い。
|
国土交通省が編集した「木造住宅のシックハウス対策マニュアル」に掲載されている記入例
|
戸建住宅のシックハウス対応方法の例
|
▼何をチェックするか
換気は動作確認だけ
完了検査でのチェックは使用建材は目視、換気は機械が作動するかどうかの確認にとどまる。天井裏については、点検口があれば見るかもしれない、という程度。目視で確認できないものについては、チェックしない(できない)。つまり工事監理者が記載した申請書の内容を信じるということだ。
このため、換気量やホルムアルデヒド濃度のチェックはなく、せいぜい給気口やアンダーカットに手を当てて空気の流れをチェックする程度だ。
その他 6月の確認から新法対応も
このほか、新築して使用開始後五年を経過した住宅のリフォーム工事は内装仕上げ規制の対象外となるが、この5年は完了検査が終わった日が起点となる。
なお、シックハウス新法は来月1日以降の着工物件から適用されるが、札幌市では今月中に確認申請を出す物件でも来月以降の着工になるとわかっているものについては、使用建築材料表や換気量計算書の提出を求めており、道も提出が望ましいとしている。 |