パイプファンなどで居室の換気を行う局所換気は、最低限、居室の換気量さえ確保されていればOKです。また、レンジフードも80立方メートル程度の常時換気モードが付いている場合は、それも換気量にカウントしていいことになりそうです。
なお、吹き抜けなど天井高が高い場合は換気量の緩和規定があります。表のように換気量によって緩和規定の内容が異なります。例えば居間の吹き抜けの場合、天井高が5メートル以上ですから、基準が0.5回の場合は0.3回に減らしていいことになります。屋根なり天井のように天井高が異なる場合は、平均高さで計算します。
換気設備は換気経路の全圧力損失を考慮すること、気流・温度・騒音などによって使用に支障がないようにすること、の2点が求められています。
全圧力損失の計算方法としては住宅性能表示・評価制度の換気に関する計算方法を指しています。また使用に支障がないように、というのは、例えばこういうことです。レンジフードも換気設備ですから、常時回しっぱなしにすれば0.5回の換気など1台で簡単に確保できてしまうわけですが、音や気流感などによって生活に支障を来すことは間違いありません。そこで80立方メートル程度の常時換気モードが付いているものはいいとして、大風量のレンジフードを換気設備として認めることは疑問だ、という趣旨のようです。ただ、この点も詳しいことは今月のセミナーを待たなければなりません。
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※4月5日号の2面記事とQ&Aで小屋裏等の扱いについて掲載しましたが、さらに詳細な情報が国土交通省から発表になりました。
告示基準は小屋裏等を居室と同圧以上にすることとなっており、記事では第一種換気の場合は同圧と扱うと記載しました。
しかし国交省はこの点を厳密に見るようです。つまり、第一種換気といえども、給気量と排気量は同じではなく、一般的に排気量が多い負圧型となります。この場合、第一種でも同圧とは見ないようです。
居室の圧力が負圧になる場合、告示には小屋裏も換気し圧力を居室以下にするという手法が記載されませんでしたが、国交省はこれまで通り、これも手法の一つとして捉えています。ただ、小屋裏の圧力を下げるためだけに電気(ファン)を使うのはばかばかしいとも言えます。小屋裏等にF☆☆☆(FC0)を使えば換気などしなくていいわけですから、小屋裏等の換気という手法は意味のない手法と言えると思います。
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天井高さによる換気量の緩和規定
0.5回/hの場合
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天井高さ |
2.9m以上3.9m未満 |
3.9m以上5.8m未満 |
5.8m以上11.5m未満 |
11.5m以上 |
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換気回数(回/h) |
0.4以上 |
0.3以上 |
0.2以上 |
0.1以上 |
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0.7回/hの場合 |
天井高さ |
2.7m以上3.3m未満 |
3.3m以上4.1m未満 |
4.1m以上5.4m未満 |
5.4m以上8.1m未満 |
8.1m以上16.1m未満 |
16.1m以上 |
換気回数(回/h) |
0.6以上 |
0.5以上 |
0.4以上 |
0.3以上 |
0.2以上 |
0.1以上 |
(※1):天井高2.9m未満は0.5回/h以上
(※2):天井高2.7m未満は0.7回/h以上
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