平成15年3月15日号から


次世代仕様が2割台に

公庫住宅 価格は平成5年まで後退
 住宅金融公庫道支店ではこのほど、平成13年度中に現場審査に合格したすべての個人住宅(マイホーム新築)を対象にした「平成13年度個人住宅規模規格等調査道内版」を発表した。それによると、建築工事費単価は4年連続でダウンし下落幅も約3%と拡大する一方で、次世代省エネ基準割増の利用率が21.8%と2割を超えるなど、全国の中で見ると、低価格で省エネ性に優れた道内の住宅像が浮かび上がる。

十勝が最も低単価
在来・ツーバイの価格差なし
 同調査によると、建築工事費単価は、全道平均が15万9000円あまりで前年度比では5000円近い下落。これで4年連続のダウンとなり、平成5年度の水準に戻った。工法別に見ると、在来は15万6000円(前年度比およそ4000円下落)、ツーバイは15万9000円(6000円弱の下落)。ここ5年間の下落幅は、ツーバイが在来を上回り、両者の差は坪単価に直すと約1万円にまで縮まった。
 支庁別では全て下落したが、中でも全道で最も安くかつ下げ幅が大きかったのが十勝で、およそ14万9000円(同比約6000円下落)、次いで檜山が15万円を僅かに切り、両者が15万円を割り込んだ。このほか、前年度5支庁だった15万円台が8支庁に増えた。
 工法別シェアは、在来木造61.7%(同1.2%増)、ツーバイ27.6%(同0.3%減)、プレハブ9.5%(同0.6%減)となり、ここ10年にわたって続いてきた在来減少、ツーバイ増加の流れが逆行した。プレハブはほぼ10%で変化なし。
 支庁別では、ツーバイシェア上位の十勝、胆振、釧路、網走は三割を超え、特にトップの十勝は初めて4割を超えた。一方、在来木造は一番多いのが宗谷(94.3%)、次が檜山(91.4%)の郡部中心地域で、いずれもシェアを増やして9割を超えた。
 住宅面積は全道平均138平方メートルで僅かに減少したが、全国平均の減少率が大きかったためその差はほとんどなくなった。
 支庁別では最大は留萌の154平方メートルで、最小の胆振133平方メートルとの差は20平方メートル以上ある。敷地面積は全道平均が300平方メートルで4年連続伸び、全国平均が5年連続で狭小化しているため格差は36平方メートルにもなった。地域格差は大きく、最大の根室(430平方メートル)と最小の石狩(233平方メートル)とでは約200平方メートルもの差がある。
宗谷・石狩が30%
次世代化が進む道北地域

 省エネ断熱基準適合率(次世代型、一般型の合計)は、全道平均が65.6%(全国平均68.1%)で全国平均を下回ったが、次世代省エネ割増の利用率は全国平均を大きく上回っており、高省エネ化への勢いは強い。
 断熱基準適合率上位は、順に石狩(76.6%)、上川(74.8%)、十勝(71.7%)で、いずれも7割を超えた。逆に下位は檜山(34.5%)、留萌(43.1%)、渡島(44.4%)で、上位下位の格差は依然として大きい。
 次世代省エネ割増の利用率は全道平均が21.8%で、全国平均13.1%を大きく上回った。都道府県別では宮城(25.9%)に抜かれ、岩手に次ぐ3位に転落したが、北海道(Ⅰ地域)の断熱基準が高水準にあるので、省エネ化は順調に進行していると言えそうだ。
 支庁別では、宗谷(30.9%)、石狩(29.5%)、上川(26.6%)の順で、都市部と道北の利用率が高い。道北地域は冬場に日射が期待できず、しかも気温が低いため、ビルダーが窓の高断熱化や付加断熱など一層の高断熱化を進めているが、このような現状を反映したものだ。一方、下位は檜山(6.9%)、留萌(8.6%)、釧路(10.2%)などで、1割にも満たない支庁があるなど、地域格差解消は今後の課題となっている。
 この調査に関する問い合わせは、公庫道支店公共業務課(Tel 011・261・8306)へ。

公庫省エネ割増利用率と戸建て住宅着工(北海道)


外壁意匠で差別化
増川建設  好まれるデザインを提案


外観の拡大写真。トレックスは塗り壁の上からビス止めしている

2階の化粧柱にトレックスを採用しデザイン性を高めた

 (株)増川建設(室蘭市、増川智社長)では外観のデザイン性を高めるために、米国製「トレックスイージーケアデッキング」(輸入元、ハウジング山地(株))を化粧柱として初めて採用した住宅を室蘭市内に完成させ、先月の22・23日に行った一般公開ではたくさんの見学者が訪れた。
 トレックスとは、リサイクルしたポリエチレンと木材を混合させた製品で、主に玄関のアプローチやデッキ材に使われているが用途は幅広く室内・屋外を問わず利用されている。
 同社では、カナダ製の塗り壁材「オメガ」(輸入元、ハウジング山地)を外壁の仕上げ材として標準採用しており、これまでは付加断熱として外貼りした発泡系の断熱材の上に、105ミリ幅にカットした50ミリ厚のスタイロフォームをサッシ周りや出隅などに付け柱ふうに重ね張りしてからオメガを塗ることで、外観に凹凸のデザインをつけるという工夫を行っていた。ただこの方法だと、1色のペンキしか使えないためシンプルな仕上がりにしかならず手間もかかるという問題があった。
 今回の住宅には1階にサイディングを貼り、2階にオメガを塗ってからその上に厚さ32ミリ×幅138ミリ寸法のトレックスを出隅やサッシの周辺にビス止めして意匠性を持たせた仕上げになっている。
 同社の増川社長は「単色の塗り壁はシンプルな仕上がりなので、デザイン性を高めるためにトレックスを採用した。当社が薦めているオメガと組み合わせることで、ユーザーに好まれやすい外観となるのでこれからも取り入れたい」と話している。
 価格は、厚さ32ミリ×幅138ミリ×長さ3658ミリで9000円。色はナチュラルとウッドランドブラウンがある。同製品の問い合わせはハウジング山地(株)(本社、Tel 011・641・3001)へ。


高性能住宅Q&A-必見! シックハウス新法4
コンパネに要注意

規制からはずれ四ッ☆なし

 規制対象部位についての話を続けます。トイレや廊下は居室ではないので対象外ですが、常時開放された開口部を通じて空気が行き来する部分は居室と見なすことになっているので、ドアのアンダーカットなどによって一体の設計になっている廊下などは居室と同じく規制対象です。ですから、換気量の設定についても、部屋単位ではなく居室と一体となった家全体として0.5回/時などの換気量が確保できればいいのです(換気についてはあとで詳しく説明します)。
 規制対象部位について、現段階でハッキリわからない点があります。それが透過性材料の規制方法です。
 壁紙など透過性のある材料を下地ボードに貼った場合、その下地ボードまでが仕上げ材の規制にかかることになっているのですが、透過性のある材料とは、具体的にはどのようなものかということです。紙クロスは間違いなく透過性がある材料です。では塩ビクロスや非塩ビの樹脂系クロスはどうでしょうか。
 樹脂系のフィルムは普通、透過性がありません。ただ織り込んだものは空気を通すとも言えます。この問題は国土交通省からさらに詳しい基準が出てくるまでわからない部分です。
 次に建材規制の内容を見ていきます。
 建材規制はホルムアルデヒドの発散量に応じて四種類あるといいましたが、一番発散量の多い第一種ホルムアルデヒド発散建築材料は仕上げ材としては使用禁止です。これは従来のFC2とE2が該当します。
 次に第二種、第三種ホルムアルデヒド発散建築材料は換気量との相関関係で使用面積が規制されます。第二種とは従来のFC1とE1、第三種とはFC0とE0を指します(一覧表)。
 JAS製品についてはホルムアルデヒド等級の表示が義務化されますが、一つ注意が必要です。それはコンパネです。コンパネは表示義務化の対象外となり、任意表示となります。また、F☆☆☆☆は設けないことになるのです。

ホルムアルデヒド規制 建材規制の区分
内装仕上げの
制限
告示で定める建築材料
その他
名  称
対応する旧規格
対応する新規格
制限なし
(現在名称なし)
・F☆☆☆☆
・非ホルムアルデヒド系接着剤などのJAS表示
・大臣認定を受けた建材
・旧JIS,JAS+試験成績書
使用面積を制限
(換気量との相関関係)
第3種ホルムアルデヒド発散建築材料
JIS、JASのE0、Fc0
F☆☆☆
同上
第2種ホルムアルデヒド発散建築材料
JIS、JASのE1、Fc1
F☆☆
同上
使用禁止
第1種ホルムアルデヒド発散建築材料
JIS、JASのE2、Fc2、無等級
F☆
(無認定品)

新JASの扱い:合板(普通合板、天然木化粧合板及び特殊加工化粧合板に限る)、フローリング、集成材、単板積層材については表示を義務化。
構造用合板、コンクリート型枠用合板、構造用集成材、構造用単板積層 材、構造用パネルについては任意表示。ただし、コンクリート型枠用合 板については上位等級(F☆☆☆☆)を設けない。

ガラス繊維の屋根

オーウェンスコーニング デザイン性と30年保証
 

  オーウェンスコーニング・ジャパン(株)(本社東京都港区)では、デザイン性と耐久性に優れたシングル屋根材「ファイバーグラスシングル オークリッジプロ30」を道内の正規輸入販売代理店・ハウジング山地(株)(本社札幌市西区)を通じて発売した。
 オーウェンスコーニング社は、アメリカ・オハイオ州に本社のある総合建材メーカーで、グラスファイバーを開発したメーカーとしても知られる。このグラスファイバーを芯材に用いて開発したのがオークリッジプロ30など数々のシングル材で、現在ではアメリカの屋根材市場のトップシェア、約4割を占めている。日本でも今後、製品ラインナップを拡充していく予定。
 同製品は、建築基準法の改正に伴う性能評価試験で昨年に『屋根飛び火試験認定品』の認定を受け、防火、準防火、22条地域で使用できるようになった。製品の特徴としては、柔軟でカッターで切断できるなど作業性・施工性が良く、谷や棟部分なども同一素材で葺くことができる。表面に良質のアスファルトを使用しているため優れた防水性を持っており、裏面には独自のセルフシーラントを施し水の浸入をシャットアウト。また、意匠性では、2層構造による凸凹と微妙に異なる色調が立体感あるデザインをつくる。製品には長期三十年保証が付いている。
 施工は、12ミリの野地板の上に下葺き材「カスタムシャット」(発売元・日新工業(株))など釘シール性に優れた改質アスファルト製品を敷き、オークリッジプロ30を一枚一枚釘止めする。セルフシーラントが日射熱で下葺き材などに融着し、接着力と防水性を向上させる。さらに、防水シール材「スルー・ザ・ルーフ」を表面に塗布することでより完全な防水性を持たせることができる。スルー・ザ・ルーフは透明な合成ゴムをベースにしているが、マイナス4℃まで施工できるため、冬期施工も可能。
 寸法は幅337×長さ984×厚さ6ミリ。重ね代は143ミリ取る。重量は1.74キログラム/枚。色は、デザートタン、ブラウンレッド、シャトーグリーン、エステートグレーの4色が在庫品で、このほかチーク、シエラグレー、ドリフトウッド、オニキスブラックも注文可能。設計価格は3500円/平方メートル。
 問い合わせは、ハウジング山地(札幌市西区二十四軒2条7丁目、Tel 011・641・3001)へ。


3/5、6に開かれたハウジング山地の展示会でも人気を呼んだ


製品断面は2層構造となっている

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