日崎建設(株)札幌支店(辻裕介支店長、本社帯広市)では、昨年から外断熱RC住宅を分譲住宅などで採用、札幌市内の数ヵ所で販売したところ好評で、1月に行われた現場見学会でも来場者約50組中3組が申込み、さらに注文住宅など5、6組が見込み客としてリストアップできるなど、マンション並みの立地条件と戸建住宅のゆとりを併せ持った分譲住宅として人気を集めている。
同社はアパートやマンションのFC「ヒーローマンション」の全国展開で知られるが、ここ1、2年は外断熱RC住宅の「スターハウス」事業にも力を注いでいる。
スターハウスは、同社が開発し、特許出願中の型枠兼用断熱材「P2パネル」を積み上げ、コンクリートを打設して躯体を構成する。型枠合板を使用する場合に比べて施工の手間が減り、合理化が図れる。断熱材はウレタン系で両側とも40ミリ厚で次世代省エネをクリア。同社ではこの方式を『サンドイッチ断熱』と呼んでいる。P2パネルには等間隔で縦方向にスリットが入れられているため、曲面施工が必要な箇所でも自在に対応できる。
同社ではスターハウスを高性能で資産価値のある住宅として、基本仕様でも差別化を図っている。例えば外壁のコンクリート厚は180ミリに設定、各階天井スラブにも断熱材を施工して階間の遮音性を謳っている。さらに縦横両方に配筋された強度の高い「ワッフルスラブ構造」を採用、最大7.2メートルまでスパンをとばせるため、間取りの自由度が高まった。基礎はベタ基礎としてこの部分も『サンドイッチ断熱』している。
企画面では、分譲住宅を月寒、発寒、平岸など都心に近く地下鉄の駅から徒歩圏内の恵まれた立地条件に限定、利便性を確保する代わりに敷地面積は平均30~40坪程度にして土地代を抑えた。限られた敷地を生かすために3階建て、延床面積は40坪前後とし、さらに屋上にテラスを設置して庭代わりに使える空間とした。その結果駐車スペースは一般戸建て並の2台分を確保、外装材はガルバリウム鋼板やタイルを部分的に使うなど都会的な雰囲気でまとめている。設備はオール電化、第三種換気システムを採用。土地と建物を合計した価格も税込で約3,500万円前後と、管理費や駐車場代などを考慮すると4LDKの都市部分譲マンションに近いレベルになった。
同社では好調の要因として、「本当に興味関心のある人だけが集まるように、見学会告知の折り込みチラシはスターハウスの性能や耐久性を訴える内容にした。こうした点が受け入れられたのではないか」と話しており、今後も札幌市内で何ヵ所か分譲が予定されている。
なお、同社は関連会社の(株)スターハウス・インターナショナルでスターハウスのフランチャイズ募集を行っており、道内から九州まで既に約20社が加盟している。問い合わせは、スターハウス・インターナショナル(TEL.03・5776・1415)へ |
総3階建+屋上テラスで敷地を有効活用
断熱材の形状から名付けられた床のワッフルスラブ構造
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