平成15年12月15日号から
国や各県で高評価
J建築システム・J-耐震開口フレーム 来年一月から全国販売

箱形のフレームを施工した開口部(施工・u建築事務所)。フレームには剛接合のためのアラミド繊維が見える
 J建築システム(株)(札幌市、手塚純一社長・工博)では、新築または既存住宅の開口部に箱型や門型の木製フレームを設置することによって耐力壁とし、地震力に対してバランス良い構造を実現する耐震補強工法「J-耐震開口フレーム」(特許登録・第2946299号)の本格販売を来年1月から開始する。不可能と思われていた開口部の耐力壁化は各方面で高く評価されており、独立行政法人建築研究所主催の木造住宅の耐震補強構法技術コンペで第1位の「国土交通大臣賞」を受賞したほか、静岡県、高知県、愛知県などでも耐震補強の際の推奨工法として広報誌に紹介されている。実験等も終わり、いよいよ同工法の全国的な普及を本格的に進める考えだ。

建物バランス改善
開口部を強化し耐力壁に

 J-耐震開口フレームは、集成材やLVLを使用した木製部材を、引張金物やアラミド繊維を用いて剛接合化。そのパーツで箱型または門型のフレームを組み、開口部の軸組内側に適切に固定することによって開口部を耐力壁化する。建物全体の壁量を増やすと同時に、耐力壁をバランス良く配置可能。既存のサッシを生かす場合は、特別な後付けタイプにより対応する。

現場で接合・固定するだけ
 あらかじめ分割されたフレーム部材を現場で接合・固定するだけなので施工性も良く、建物の室内外の意匠や間取りにもほとんど影響しない。逆にフレームの接合方法によってはデザインの向上にもなる。木質部材のため熱橋になりにくく、金物補強に比べ省エネの面でも有利だ。また、「大開口の窓」を希望するユーザーニーズにも容易に対応できる。
 同社では今年3月に建築研究所主催のコンペで国土交通大臣賞を受賞して以来、実験を繰り返しながら市販化の準備に着手し、販売方法を検討してきたが、このほど全国各地域の代理店を通して販売することが決定。12日には札幌で技術説明会も開催され、仙台、東京、大阪での企画も進行中だ。
短工期で低価格
マニュアルも充実

 工法の概要や設計・施工方法などは四冊のマニュアルにまとめられており、施工物件のどの位置にどのタイプのフレームを設置すれば良いかは、フローチャートによって簡単に判断可能。これまでの現場検証等によって、札幌市では確認申請で構造計算をする必要がなく、マニュアルに従った設計は「仕様規定」の形で取り扱われるという(主要構造材等一部規制はある)。広島県や埼玉県をはじめ、全国各地においても同様の扱いとなるような準備を進めているほか、ツーバイフォー工法への適用についても準備を進めている。
 40坪前後の一般的な住宅であれば、3、4箇所施工すればよく、取り付けだけなら大工2人で1日で終了。1箇所だけの施工でも十分効果を得られる。部材の設計価格は有効開口一間幅の開口部の場合、工務店入りで6~9万円(部材構成によって異なる)。3、4箇所施工しても30万円以内と、非常にコストパフォーマンスが高い。
 同社の手塚社長は「木造住宅は木材で補強するのが一番適切で力学上シンプルであり、このフレームは性能・価格面も明確で、長期的に効果を発揮することができる。多くの面で評価されたこの技術によって、環境重視の市場の要求に応えられるようになったことは非常に嬉しく思う」と力説している。
 問い合わせは同社(Tel.011・573・7779、Fax.011・573・7811、担当/北構)へ。

大きな開口部に門型のフレームを取り付けた現場

工場の出資者募集
ふらのペレット工場をつくり隊 富良野でペレット生産
 おが屑や鉋屑を圧縮成型したリサイクル燃料・木質ペレットの製造工場建設を富良野市で計画している「ふらのペレット工場をつくり隊」(家次敬介隊長、(有)三素社長)では、自分たちの使うエネルギーは自分たちでつくるという主旨に賛同し、工場の建設資金を出資してくれるサポーターを募集中だ。
 木質ペレットは、おが屑や鉋屑に圧力を加えて、直径8ミリ、長さ15ミリほどの円筒形状に加工したもので、ストーブの燃料として使われるのが一般的。木が原料なので、計画的に植林すれば燃焼時に発生するCO2は再び木の中に固着され、地球温暖化に影響を与えることはない。また、エネルギーの自給自足が可能で、荒廃が心配されている森林の活性化にもつながり、それによる雇用の創出なども期待できる。
 しかし、木質ペレットは森林資源が豊富な道内でも、一般家庭ではほとんど知られておらず、ペレットストーブを使っていても燃料の木質ペレットは輸入に頼っているのが現状。そこでペレットストーブを販売している三素の家次社長は、安定供給を図ることで木質ペレットの普及につなげようと、生産工場の建設を推進する同隊を結成したという。

金額に応じて3コース設定
 当面の活動としては、工場建設に必要な資金を出資してくれるサポーターの募集を実施。目標金額は1000万円で、これは設備と当面の運転資金に必要な額。土地と建物は借りる予定だ。
 出資は、50万円コースと10万円コース、サポーターコースがある。50万円・10万円コースは、工場で生産したペレットをそれぞれ金額分買ってもらうというもの。1袋18キロ1000円(税込)なので、50万円コースは5000袋、90トン、10万円コースは1000袋、18トンを購入することになる。代金先払い・商品後納という形になるが、通常は1袋15キロとする予定なので、1袋当たり3キロお得な計算だ。
 一方、サポーターコースは、一口5000円からの出資のみで、ペレットの買い取りはない。
 このほか、各コース共通で、各種ペレットストーブやペレットの特別価格販売、ペレットの優先供給などの特典がある。
 同隊の家次隊長は「森林資源の豊富な道内は、木質ペレットの普及に最適。富良野で生産することによって、ぜひ地球環境の保全と地域経済の活性化につなげていきたい」と話している。
 問い合わせは三素(Tel.0167・22・0383、Fax.0167・39・1028)へ。

家次隊長がドイツで見学したペレット工場の様子。
手前に原料となるおが屑の山が見える

分散型換気を発売
タイガー産業 「北風くん」で風に負けない

フード「北風くん」樹脂
 (株)タイガー産業では逆流防止型フード「北風くん」に新開発の給気口とパイプファンをセットした第三種分散型換気システム「すずらん」を発売した。
 給気口に新開発の「すずらん」給気口、給気と排気のフードに「北風くん」、そして市販のパイプファンをセットしたダクトレス・パイプファン換気で、配管が不要で費用が割安などの一般的な特徴に加え、北風くんにより給気側では過給気を防止、排気側では逆風に影響されずにスムーズな排気が可能となる。
 すずらん給気口は給気量を無段階で調節可能。また、吹き出しは下部を除く三方向とし、冷気流の発生を抑制する。
 すでに先行発売している北風くんは、逆風を防止しスムーズな排気を実現するフードとして好評。また、高い水密性が道立北方建築総合研究所によって確認されている。
 セットするパイプファンは1台あたり30立方メートル/時の能力。圧損計算書などは不要だ。
 セット販売は給気口とパイプファンが各5個、北風くんが10個セットになっており、北風くん樹脂セットで9万4000円、ステンレスセットで13万1000円。
 問い合わせは同社まで(札幌市白石区栄通14丁目2-22、Tel.011・851・3711)。

「すずらん」給気口

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