平成13年9月25日号から
平成13年9月25日号 1面
 
平成13年9月25日号 PDFファイル(276k)

↑クリックでPDFファイルがダウンロードされます ファイルサイズ:276k、アクロバットリーダー4.0以降でご覧下さい。
注●実際の新聞はモノクロです。またファイルを極力小さくするため、解像度を落としています。
PDF形式をご覧になるにはAcrobat Readerをダウンロードしてください Acrobat Readerのダウンロードはこちらから

断熱材と気密・防水資材の動向
「改正次世代省エネルギー基準と今後」特集号12面から
断熱材
ノンフロン化進む
性能は落とさずに環境対応 <押出法ポリ板>

※ノンフロン対応のカネライトフォーム。
断熱性能などは従来製品と全く変わらない
 断熱・気密資材の動きだが、断熱材では、今まで特定フロン、代替フロンで発泡させていた押出法ポリスチレン板にノンフロン化の動きが広がってきている。ビルダーの間にも、消費者の環境志向の高まりからノンフロン品を選別して使う動きが出てきてた。
 スタイロフォーム(発売元・ダウ化工(株))とカネライトフォーム(同・鐘淵化学工業(株))が、一種、二種でノンフロン発泡品を発売しており、断熱性能の高い三種についても順次対応していきたいとしている。
 カネライトフォームは、オゾン層を破壊しない炭化水素ガス(グリーンガス)による発泡技術を特徴としており、本州では既に三種もノンフロン品を発売している。

準耐火対応のネオマフォーム
 このほかの樹脂系断熱材では、水発泡によるウレタン板状断熱材を使用したFPパネル(発売元・松本建工(株))、炭化水素ガス発泡によるフェノール樹脂を使用したネオマフォーム(同・旭化成建材(株))などがノンフロン品として発売されている。
 ネオマフォームは、一つ一つの気泡を小さくし、気泡の独立性を高めたためにガス抜けが抑えられ、高い断熱性能(熱伝導率λ=〇・〇二〇W/km)を有している。Ⅰ地域でも外張り六〇mmで次世代基準をクリアでき、外張り付加断熱として使用する時は二〇mmで済む。また、フェノール樹脂は物性が安定しているため燃えにくく、準耐火構造認定を受けているところもメリットだ。
 現場発泡の吹き付け断熱材では、水発泡のウレタン断熱材を、(株)ダンネツ信州とクリーンペア・北海道(株)がそれぞれ独自技術を使って発売しているが、まだ普及段階と言ったところ。
外張断熱での施工合理化に
 近頃注目の外張り断熱だが、グラスウール系断熱材での施工がやりやすくなるKMブラケット(発売元・(株)KMハウテック)が発売された。
 同製品は、外張り断熱工法で外装材の重量を直接支えるための肉厚の樹脂製L字型ブラケットで、軸組または下地面材に直接取り付けて使い、胴縁をその上からビス止めする。タイルなどの重量級の外装材も十分に支持でき、グラスウールのような繊維系断熱材であれば、ブラケットがあたる部分を施工後十字に切り込むだけで収まるなど施工性が良い。ツーバイ、在来軸組の両方に対応している。断熱材の厚さは一〇〇mmまで対応。
 Ⅱ~Ⅴ地域では、三二K高性能GWボード品を使うと断熱厚が六〇mm以下で済むため、胴縁を施工せずにブラケット内側の隙間部分を通気層として使い、ブラケットに直接サイディングを止めて施工を簡略化することも考えられる。

※KMブラケット

気密防水材
信頼・実績のブチル
徐々に増えてきたアクリル
 気密、防水材では、ブチル系テープが実績と信頼性で根強い支持を得ている。屋上防水用としては既に数十年前から使われており、住宅用としても十数年前から使われている。
 ブチルそのものが持つ粘着性や柔軟性で隙間を強力に塞ぎ、防水性にも優れている。スーパーテープ(発売元・宇部気密ハウジング(株))や気密テープ(同・(株)タイガー産業)など製品のバリエーションも豊富。
 一方で最近注目されているのがアクリルテープ。発売元は光洋化学(株)で、手切れ性の良さ、薄いので重ね合わせ部分に段差が発生しない、温度を問わず接着力が安定している、コストが安いなどのメリットがあり、採用するビルダーが増えている。
 ただ、釘が貫通する部分は防水性が低下しやすく、薄いのでパッキン作用が期待できないなどの特性もあるため、使い分けが必要。例えば、透湿・防水シート、断熱板やツーバイパネルなどの継ぎ目部分などに向いている。

窓回りはパッキン増加

 窓回りの気密・防水施工用としては、スーパー3K気密バンド(発売元・(株)アルデエンジニアリング)とマドエース(同・(株)タイガー産業)が好評だ。
 スーパー3Kは、独立気泡の発泡ポリエチレンを使用した隙間用パッキンで、発泡体の空気を抜いた状態で出荷、施工後に徐々に発泡が復元して、最終的には出荷時の四倍の厚さにまで膨らむ「形状復元発泡体」。施工時は薄いため施工しやすく、復元後は木痩せなどによる隙間拡大にも無理なく追従できる点が優れている。
 マドエースは、塩ビ樹脂の独立気泡発泡体のパッキンで、窓枠と窓の取り合い部分をL字型に覆い、ツバに当たるところは薄く、サッシ本体の荷重がかかる側は分厚くなっているところが特徴。さらにツバの上からブチル両面テープを貼った上にタイベックを密着させれば二重の防水対策となる。
 このほか、エプトシーラー(同・日東電工(株))も好評。冷蔵庫や自動車のドアなどのパッキン材として使われているが、硬さのバリエーションが豊富で、住宅用として使える。

マドエースの施工


スーパー3K気密バンド

試読・購読はこちら

このページの先頭へ

運営サイト

株式会社北海道住宅新聞社
〒001-0029 札幌市北区北29条西4丁目2-1-201
tel.011-736-9811 fax.011-717-1770

当サイトで使用している写真およびテキストの無断転載を禁止します。

Copyright (c) 北海道住宅新聞社. All Rights Reserved.