平成13年12月5日号から
防水性高めたスノーダクト・トイエースつばさ発表
来年2月発売/ニットーボー東岩
 ニットーボー東岩(株)では施工性と止水性を高めたスノーダクトのトイ「トイエースつばさ」を開発、来年二月から新発売する。

施工性もアップ
 昨年から通称・品確法が施行され、防水性能に対して十年間の瑕疵保証が義務化されたが、これに伴い道内でいまだに多いスガモリ被害も瑕疵保証の対象になるとされている。無落雪屋根のスガモリはスノーダクトと板金のつかみの部分から起きる場合が多く、ダクトとその施工方法の改良が課題とされている。
 トイエースつばさは表面材のガルバリウム鋼板とガラス繊維強化プラスチック(GFRP)が一体となった成型トイ構造で、錆に強く防水性・強度に優れているという現行品・トイエースの特徴をそのままに、トイと板金のつかみ部分にツバを付け、施工性の改良と止水性アップを図った。
 ツバは内ツバと外ツバが付いており、現場では母屋上のたる木に外ツバをのせて釘打ちするだけ。受け材や押さえ材は不要だ。板金との納まりは、板金と防水テープで内ツバを掴んで巻き込み押さえるだけという簡単施工で、これまで以上に信頼性の高い性能を発揮できる。この工法は特許出願済み。
 ツバは特殊な接着剤で本体と接合してあり、強度は1メートルあたり600キロ以上と十分な余裕があるほか、ダクト内は200分の1の水勾配が付いており、トイの水たまりを防止する。現場に合わせた長さで製作する受注生産なので、ぴったり現場に納まる。
 設計価格は㍍あたり2万3000円。価格は他社製品より割高となるが、同社では品確法時代に対応した機能性建材として、防水に対する信頼性の高さをPRすることで、販売に弾みをつけたいとしている。なお現行品のトイエースも並行販売する。
 問い合わせは同社営業本部(札幌市白石区本通七丁目北1-33、tel.011-861-2101)。

キレイな“つかみ”の納まり
ダクトスペースに置くだけ→
トイエースつばさの納まり

今後国内法を整備
次世代基準義務化もあるか
京都議定書の現状と今後
Q…地球温暖化防止京都会議(COP3)の議定書が批准に向けて動き出したという報道がされていますが、私はてっきり京都会議で決まったことを各国が守り、推進しているものだと思っていました。京都会議の中身は今後どうなるのでしょうか。

A…実をいうと、本紙も京都会議で決まった枠組みに従って各国が動き出していると思っていましたが、ちょっと事情が違っているようです。ここでは簡単にこれまでの流れを見て、今後の方向を確認しておきたいと思います。  96年に開かれた京都会議の内容は、先進国がそれぞれ温室効果ガスの削減目標を設け、その実施を義務づける一方、排出枠を各国間で売買するなどの緩和措置を設けたもの。大枠では各国が合意しているものの、細かな部分で駆け引きが続き、最終的に今年11月のCOP7で最終合意、議定書がすべて完成したということになっています。ご存じのように、温暖化ガスの最大排出国であるアメリカはこれらの取り決めから離脱し、先行きが危ぶまれていましたが、アメリカ抜きでもやろうということになったわけです。
 これを受け、我が国は京都議定書を守るための国内法整備に入ります。政府は次期通常国会に関連法案を提出、将来的には温暖化対策税の導入も視野に入れているということです。
 われわれにとって最も身近な家庭用エネルギーについては、次世代省エネルギー基準の完全実施や次々世代基準の制定などが必要になってくるとともに、既存住宅の省エネルギー化も推し進めることになると思います。また、電気やガスなど公共料金を通知する際、エネルギー使用に伴って排出された温室効果ガスの量も知らせる制度を導入するとも報道されています。
 京都会議以降、次世代基準が出たり、自動車・家電分野で環境配慮型商品が発売されるなど、国としての動き(議定書承認)に先だって、民間は様々な対応を進めています。その意味では議定書の効力がすでに発揮されているとも言えます。今後は法整備によって強制力を伴った省エネ・温暖化ガス抑制政策が2005年頃をメドに始まると予想され、本格的な環境時代に入ると言えそうです。
 ドイツやデンマークでは環境時代のビジネスがすでに始まっています。中でも電力自由化に伴い小規模発電などで電力事業に参入する例が多いと聞いています。風力、バイオマスなど、北海道にも適した資源はたくさんあり、現状の閉塞感から脱出するためにも、一つのステップにしたいものです。

公的建物にも採用広がる
ゼオンサイディングの魅力
 前号までの連載で紹介したように、ゼオンサイディングは準防火地域での建築や、新築での採用が容易になり、使われる分野が広がってきた。今回はもう少し具体的に触れてみたい。


美深町の公営賃貸住宅
税金の無駄遣いも防ぐ
 ここ最近、特に増えているのが公的部門での採用だ。公営住宅、ゴミ焼却場の倉庫、郵便局の局舎、老人福祉センターなど様々な建物でゼオンサイディングが使われるようになってきた。
 採用が広がってきた背景には、リサイクル可能な塩ビの特性が理解されたこと、水洗いが可能でメンテナンスフリー、30年にわたる長期保証システムが評価されたことがある。
 公的な建物は税金を使って建てられるため、いかに税金を有効に使うか、ということを考えると自ずと耐久性が高く、維持費のかからない材料を使うことが求められてくる。また、最近では環境に対する配慮も求められるようになってきており、リサイクルが可能なゼオンサイディングが評価されたようだ。

美深町の決断
 道北・名寄市の北隣にある美深町は、特定公共賃貸住宅(中堅所得者層を対象とする公営の賃貸住宅)の連棟式2棟4戸を新築する際にゼオンサイディングを初めて使用した。
 10月に竣工したばかりのこの住宅は、外装材を選定する際、窯業系サイディング、波形鉄板と樹脂系サイディングの3種類が候補に挙がった。製品の情報を収集しながら、選定の基準となったのは、「メンテナンスが容易」で「耐久性が高い」ことだった。そこで目に止まったのがゼオンサイディングだという。

厳しい環境にも耐える外装材
 「今までは公営住宅などでは窯業系サイディングを使うことが多かったが、夏は最高30℃、冬は最低マイナス30℃になることもある厳しい環境なので、築後7、8年も経つとコーキングが切れて隙間が発生し、躯体の防水性能が低下することがあった。こまめに修理すれば良いが、臨機応変に予算を確保することも難しく、できればメンテナンスフリーな外装材を求めていた」と同町では採用の動機を話している。
 材工コストも他の外装材と同等かそれ以下だと評価しており、今後も採用が増えそうだ。

水でも洗えることから採用に
 このほか、日本海に面するある町では、塩害の心配がなく、高耐久性であることを評価して郵便局の局舎の外装に採用し、また別の町では臭いの付きやすいゴミ焼却場の倉庫の外装材に採用した。水で手軽に洗えるので、臭いが付きにくいためだ。ゼオンサイディングが意外なところで評価されている。


アパートなどへも採用されてきた
         ※            ※

 民間住宅・アパート以外にも採用が広がるゼオンサイディング。最終回となる次回は、採用したビルダーに直接話を伺い、同製品の魅力についてまとめる。

【記事提供】ゼオン化成(株)建材部
(東京都港区芝公園2-4-1、tel.03-5470-8969、fax.03-5470-8993)。
※毎週金曜日16時台にビタミンTV(HBC)にて同社CM放映中。

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