平成13年11月5日号から
グラスウールで外断熱
当別・大洋建設 コスト、施工性に自信

施工中の住宅外観。KMブラケットが規則正しく並んでいる
 (株)大洋建設(石狩郡当別町、鏡原勲社長)は、このほどKMブラケット(発売元・(株)KMハウテック)を使用したグラスウール外張り断熱のGWOS工法KM型を全道で初めて採用し、施工中の現場を公開した。
 大洋建設の売り上げは、大手ハウスメーカーの下請けと自社施工が半々ぐらいの割合だったが、景気の低迷で下請けの仕事が数、価格共に厳しくなり、差別化のできる新しい工法に自社で取り組み、売り上げの拡大を狙ったところ、出会ったのがKMブラケット。樹脂製で、下地合板や胴縁に直接ビス止めし、ブラケット上に直接外装材を取り付けることができる強度を持っており、これを使った外断熱工法に挑戦した。
 外壁部の施工は、構造用合板9ミリの外側に24ミリ×105ミリの横胴縁を取り付け、胴縁上にKMブラケットを縦横共に455ミリピッチでビス止め。断熱材は、25ミリ厚の24Kグラスウールを横胴縁の間にはめ込んでタッカーで仮止めし、その上にあらかじめ455ミリ×910ミリ程度にカットした32K100ミリ厚のグラスウールボードをブラケットの間にはめ込むように収める。ブラケットの出っ張りが断熱材抑えの役割も兼ねるので施工は楽だという。更に24ミリ×45ミリの縦胴縁をKMブラケット上に取り付けてダイライトを外装材の下地合板として張り、タイルを接着剤で張って仕上げる。基礎部の断熱は、外側に100ミリの押出法スチレンフォーム第三種。
 外張り断熱工法の場合、長釘を使うと、タイルのような重量のある外装材では強度に不安が残る。また、室内側・室外側を一本の釘が貫通しているため、釘が室内側で結露する危険性もある。KMブラケットは強度が高く、安心してタイルなどの外装材も使える上、結露の心配もないことが採用の決め手になった。
 今回施工中の住宅は延床面積四二坪で、KMブラケットは約800個使用。同社は工法以外でもオリジナリティを出すために、通気層を軸組の内側と断熱材外側の両方に設けて通気性向上を図り、タイルはローコストで独自に輸入したものを使用、床は合板に代えて24ミリ厚×240ミリ×3,600ミリの無垢板を張った上にフローリング材を貼り、土台には薬剤処理をしていないヒバを使うなど、住む人の健康に配慮した工夫をしている。また、施工後には気密性能測定もする予定で、0.5平方cm/平方cm以下を目指したいとしている。
 鏡原社長は、「コストは、トータルで従来の充填断熱で施工する場合の5%高程度に抑えられそうなので、今後自社物件はすべてこの工法で進めていきたい」と話している。
 KMブラケット、GWOS工法KM型に関する問い合わせは、KMハウテック(札幌市手稲区稲穂2条6丁目3-3、tel.011-686-0577


←(左)グラスウールボードをはめ込むだけでよい
←(右)KMブラケットはビス止め。手間はそれほどかからない

五時間通電で電気代大幅安 蓄熱型のボイラー
旭イノベックス 温水暖房システム
 旭イノベックス(株)では来年から本格的に、深夜電力を利用した「温水蓄熱式暖房システム」を発売する。
 このシステムは電気ボイラーを使って温水をつくり、パネルヒーターに循環させる電気温水暖房で、最大の特徴は割引額の大きな五時間通電型とすることでランニングコストが一般的なオール電化住宅よりも大幅に安くなる点。
 蓄熱式ボイラーは貯湯水量が1,500リットル、2,000リットル、2,500リットルと大きく、五時間で温水をつくって残り19時間の放熱をまかなう。次世代省エネ基準程度の住宅で、札幌なら60坪程度の住宅まで暖房できる。放熱器は同社のパネルヒーターなどを使う。
 システムはボイラー、追い焚きヒーター、循環ポンプ、膨張タンク、温度センサーなどからなっており、追い焚きヒーターは熱量が不足したときに利用する。電子制御機器などは極力使わずサーモなども信頼性の高い部材を採用することで耐久性を高めており、ボイラー本体は7年保証する。
 注目の電気料金は、札幌で40坪、断熱が次世代基準相当の場合、暖房・給湯・電灯を合わせて15万円あまり。同じ条件で計算した一般的なオール電化住宅より、8万円程度安くなると同社では試算している(ドリーム8利用)。
 ボイラー本体は2,000リットルタイプが幅1,904×高さ1,740×奥行860ミリで容量が大きい分、外形サイズも大きいが、高性能断熱材を使うことで屋外設置でも真冬で一日5℃程度の温度低下しかなく、屋外に一坪タイプの物置などを設置して納めることも可能。
 設計価格はボイラーと制御機器を含むシステムで100万円程度(地域により異なる、放熱器含まず)。
問い合わせは同社(札幌市厚別区大谷地西三丁目、tel.011-893-1533。


温水蓄熱式暖房システムの仕組み

これから十年の住宅
鎌田先生、工務店へメッセージ
12月6日 札幌
地域工務店がやるべきこと

 新住協北海道地区本部(吉田寛本部長、(株)吉田建設社専務)では、12月6日木曜日、午後1時から5時まで、札幌総合卸センター共同会館(札幌市東区北6条東3丁目)で「これから10年の住宅づくり―地域工務店のための住宅・講演会」を開催する。
 住宅業界が厳しさを増す中、工務店が生き残っていくためにこれからの10年間で何をすべきかという視点から、室蘭工業大学助教授で新住協顧問の鎌田紀彦先生が新技術や家づくりのあり方を講演する。
 演題は第一部が「Ⅰ地域の次世代型真壁高断熱技法―新・新在来木造構法技術マニュアル2001の解説」、第二部が「これから10年、地域工務店のやるべきこと」。
 参加費は会員・非会員とも1名3,000円、1社2名以上参加の場合は1名2,000円。定員は150名、締切は今月27日。
 申し込みはfax.011-861-5348、問い合わせは電話011-861-5317で同協議会北海道地区本部事務局升元氏まで。
 同協議会では、今回のセミナーが今年道内で最後となることから、会員に限らず、全道から1名でも多くの方に参加してほしいとしている。

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