平成13年10月25日号から
イワクラ 今年も堅首
ツーバイ住宅・北海道内上期確認申請棟数
100棟の大台を維持
 本紙調査による平成13年上半期の道内住宅メーカー別ツーバイフォー住宅確認申請棟数がまとまった。それによると、トップは4年連続でイワクラホームが100棟の大台を守り独走状態だ。二位以下は土屋ツーバイホーム、住まいのクワザワ、太平住宅と続き、5位には千歳の神出設計が入っている。上期のツーバイ住宅確認申請は全道で前年同期比5%のダウン。低調な戸建て市場の中で健闘しているが、下期に入り減少幅が拡大。年計は厳しい実績になりそうだ。(この調査は道や各市町がとりまとめた確認申請をもとに本紙が集計したもの)

土屋が2位キープ
3位に住まいのクワザワ

 1位のイワクラホームは101棟で2位以下を大きく引き離す独走の首位。3年連続の年間トップへ向けて危なげない態勢だ。札幌圏、とりわけ江別と道内第2の都市・旭川で実績が好調。
 2位の土屋ツーバイホームは全道ネットの総合力で前年同期並みの実績を確保。3位の住まいのクワザワも札幌とその周辺が堅調で、前年を僅かに上回った。4位の太平住宅はやや棟数を落としているものの、道東が全体をリード。前年に続き5位にランクインした神出設計は地元・千歳のほか、恵庭でもトップの実績だ。
 6位以下はコスモ建設、大和ハウス工業、松本建工、テーオー小笠原・日崎建設と続いている。コスモ建設は苫小牧、北広島、札幌、大和ハウス工業は石狩と札幌、松本建工は札幌メイン、日崎建設は十勝中心、テーオー小笠原は函館と苫小牧が多い。
 11位以下では道南勢のイワクラダイケンホーム、小倉工務店、ホーム企画、小島建築設計事務所、住研ハウス、道東勢の星屋、岡本建設、北日本建設がランクイン。これら元気な地場企業も健在だ。
 景気低下の中、上位23社についてそれぞれを前年実績と比較してみると、前年を上回っているのは12社と過半数に及んだ。上位では住まいのクワザワと神出設計が前年比アップを記録。このほか“勝ち組”には地場の工務店が多く、規模を追わない堅実で特徴ある家づくりが功を奏していると言えそうだ。
 ランク外で地場工務店を見ると、昂起建設・五健ハウス(釧路)ハウザー(函館)メイプルホーム(苫小牧)秀和観光(千歳)小森工務店(旭川)などが続いている。

圏域別
道央はイワクラ 道東は日崎が首位

 圏域別では、道央のトップ五はイワクラホーム、神出設計、住まいのクワザワ、コスモ建設、松本建工の順。道南はイワクラダイケンホーム、小倉工務店、ホーム企画、イワクラホーム・テーオー小笠原の順。道東は日崎建設、土屋ツーバイホーム、太平住宅、星屋、岡本建設の順。道北はイワクラホーム、太平住宅、ウイルビーホーム・住まいのクワザワ・土屋ツーバイホームとなっている。

市場全体の動向善戦するツーバイ
7、8月は下げ幅拡大

 今年の全道ツーバイフォー住宅確認申請棟数は、上半期が1,700棟、前年同期比5.2%減で、戸建住宅が1割の低下となる中、健闘している。しかし、7、8月の実績を見ると連続で2割ダウンを記録しており、年末へ向けて先行きの厳しさが窺える。
 圏域別で見ると、道北と苫蘭が成長を維持しており好調。このほか十勝と道南もほぼ前年水準を維持している。一方、札幌、後志、空知の各圏域は落ち込み幅が大きい。
 優勝劣敗がハッキリしてくる中で、これまで全体として好調を維持していたツーバイ市場も、淘汰の時代に入っている。ただ、比較的簡単に準耐火仕様をクリアできるツーバイは、需要開発によって住宅以外にも用途が広がる魅力がある。
 なお、着工ベースで見るとツーバイ戸建てが1~8月で10.8%減。戸建て全体の下げ幅は13.2%に達しており、厳しい中でもツーバイ市場は善戦している。

室内の電磁波対策に挑戦
西條インテリアデザイン

待機電力による電磁波を防止するため、コンセント部分に電化製品への通電を遮断するスイッチを設けた
 (有)西條インテリアデザイン(本社札幌市、西條正幸社長)では、無垢材や和紙、植物系塗料など自然・健康建材によって健康的な室内空気環境を確保するとともに、電化製品の待機電力をカット可能なスイッチ付きコンセントや、排熱利用のヒートポンプ、ペットボトルをリサイクルした断熱材などの採用により、電磁波対策や高いレベルでの省エネ・省資源化に取り組んだ住宅を札幌市豊平区に竣工させた。
 同社では従来から自然素材・健康建材にこだわった家づくりを進めてきたが、今回の物件では化学物質に敏感に反応し、電化製品使用時に頭痛が起きることがあるという施主の家族の健康に配慮するため電磁波対策にも着手。電磁波は欧米で以前から人体への影響が指摘されているが、化学物質に敏感な人は電磁波の影響も受けやすいという説があり、また、施主の家庭では電化製品を一般家庭より多く使用していることもあって、居住者の健康維持には電磁波を抑えることが重要だったという。
 具体的な対策としては、電化製品からの電磁波の放出をできるだけ抑えるために、コンセントのうち常に電化製品の電源ケーブルを接続しておくと想定される三分の一のコンセントに電化製品への通電を遮断するスイッチを設置。テレビや電子レンジなどは、使用していなくても待機電力によって一定の電磁波が出ているといい、電化製品を使わないときはコンセントのスイッチを切ることで電化製品への通電を止めてしまうわけだ。コンセントの位置もスイッチをオン・オフしやすいようフロアから60センチの高さとした。
 また、待機電力をカットすることは、15~20%の省エネになると言われており、居住者が日常生活の中で電磁波防止と同時に意識することなく省エネに貢献できることになる。

排熱利用で省エネ
脱塩ビで環境負荷も低減

一階外壁に木を使うことでエコを表現した外観
 省エネへの取り組みとしては、換気排熱を利用する日本スティーベル(株)のヒートポンプ換気給湯暖房システムの導入がポイント。排気する汚染空気の熱をヒートポンプで回収して循環水を加温し、各部屋の温水パネルに温水を送る暖房用温水回路と給湯用貯湯タンクを温める温水コイルに供給する仕組みで、室内で使ったエネルギーを無駄なく利用できるのが大きな魅力だ。本体価格123万円とイニシャルコストは割高になるものの、導入費用の3分の1が助成される新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業を利用することによって、施主の負担を軽減している。
 省資源化を進めるにあたっては、外壁軸間にペットボトルをリサイクルしたポリエステル繊維の断熱材・パーフェクトバリアを採用。密度35Kで熱伝導率は0.041ワットとグラスウール16Kの高性能品と一般品の中間の性能値だが、機械的に処理すれば容易に元の繊維に戻すことができるなどリサイクル性に優れ、廃棄や焼却の際にも環境ホルモンやダイオキシンの発生はない。コスト的には同社の場合、セルローズファイバーより若干割高になるくらいだという。
 このほか、電気配線は非塩ビ素材を使ったエコケーブルとし、コンセントやスイッチのプレートは金属製とするなど、塩ビ・プラスチックも可能な限り排除することで、環境負荷の低減を目指している。
 同社の西條社長は「電磁波対策と脱塩ビ化はこれからの家づくりのテーマと考えて取り組んだ。健康性や省エネ、環境への配慮など、それぞれのバランスがうまく取れたエコ住宅を実現できたと思う」と話している。

ユーティリティーに設置した
ヒートポンプ換気給湯暖房システム

電気専用レンジフード
松下精工
 松下精工?ではこのほど、クッキングヒーター専用の小排気量タイプのレンジフードを発売した。
 ガスコンロに比べ、クッキングヒーターは燃焼ガスがないこと、油汚れなどが拡散しにくいことなどにより、小風量で換気できるが、新製品は誘導流によって竜巻状の空気の流れをつくり、捕集効率を上げることで300立方m/hで換気できる。
 本体の向かって左側に誘導流を発生させるファンがあり、背面のエアガイドに沿って流れをつくり、汚染空気を竜巻状に吸い上げる仕組み。換気量が少ないので消費電力や騒音も抑えることができる。
 フィルターは水につけるだけで80%の油汚れがとれるというアクアイージィ・クリーンフィルターを採用。掃除が簡単になる点もポイントの一つ。
 本体は90センチ幅、3段速調付きで設計価格が14万9千円(幕板は別売、品番・FY-90DT1-K)。
 このほか、吸込口の下部に整流板を設け、流速を上げることで捕集効率を上げたクッキングヒーター専用のレンジフードも近く発売する。60センチ幅と75センチ幅の2タイプあり、3段速調の中で換気量が300立方m/h程度(品番・FY-60HJC1=60センチ幅)。価格はオープン価格。
 問い合わせは同社春日井西事業部(愛知県春日井市鷹来町4017、tel.0568-81-1511)

FY-90DT1-K

試読・購読はこちら

このページの先頭へ

運営サイト

株式会社北海道住宅新聞社
〒001-0029 札幌市北区北29条西4丁目2-1-201
tel.011-736-9811 fax.011-717-1770

当サイトで使用している写真およびテキストの無断転載を禁止します。

Copyright (c) 北海道住宅新聞社. All Rights Reserved.