一階外壁に木を使うことでエコを表現した外観
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省エネへの取り組みとしては、換気排熱を利用する日本スティーベル(株)のヒートポンプ換気給湯暖房システムの導入がポイント。排気する汚染空気の熱をヒートポンプで回収して循環水を加温し、各部屋の温水パネルに温水を送る暖房用温水回路と給湯用貯湯タンクを温める温水コイルに供給する仕組みで、室内で使ったエネルギーを無駄なく利用できるのが大きな魅力だ。本体価格123万円とイニシャルコストは割高になるものの、導入費用の3分の1が助成される新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業を利用することによって、施主の負担を軽減している。
省資源化を進めるにあたっては、外壁軸間にペットボトルをリサイクルしたポリエステル繊維の断熱材・パーフェクトバリアを採用。密度35Kで熱伝導率は0.041ワットとグラスウール16Kの高性能品と一般品の中間の性能値だが、機械的に処理すれば容易に元の繊維に戻すことができるなどリサイクル性に優れ、廃棄や焼却の際にも環境ホルモンやダイオキシンの発生はない。コスト的には同社の場合、セルローズファイバーより若干割高になるくらいだという。
このほか、電気配線は非塩ビ素材を使ったエコケーブルとし、コンセントやスイッチのプレートは金属製とするなど、塩ビ・プラスチックも可能な限り排除することで、環境負荷の低減を目指している。
同社の西條社長は「電磁波対策と脱塩ビ化はこれからの家づくりのテーマと考えて取り組んだ。健康性や省エネ、環境への配慮など、それぞれのバランスがうまく取れたエコ住宅を実現できたと思う」と話している。 |
ユーティリティーに設置した
ヒートポンプ換気給湯暖房システム |