バリアフリー体験棟 |
石狩市・酒井組 身体状況に応じた提案 |
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てすりんの外観は一般の戸建住宅をイメージさせるデザイン
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(株)酒井組(石狩市、酒井敏一社長)では、高齢者や身障者向けの介護用設備やバリアフリー製品などを展示し、それらの使いやすさをその場で確かめてもらい、使用する人の身体に合った製品を提案するバリアフリーショールーム「住まい工房てすりん」を石狩市に完成させた。
六月二十日にオープンした「住まい工房てすりん」は、高齢者や身障者ができるだけ不自由せず、快適に過ごせる住まいを築く架け橋となるために企画された体験型ショールームとなっており、誰でも気軽に使えるように地元住民の交流の場所としていく考えだ。
建物は、敷地面積110坪に延床面積54.4坪の木造2階建て。1階は様々な介護設備を備えた体験コーナーを設け、2階には介護製品を展示したコーナーを設けている。
入口のアプローチには、アスファルト、ゴムマット、人工芝、インターロッキングで仕上げた歩行スペースをそれぞれ用意し、床仕上げの違いによる歩きやすさを比較できるコーナーとなっている。
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アプローチにそれぞれの歩きやすさを比較できるコーナーを設けた

障害者に対応したトイレ。
寝た状態で排泄できるようにとの工夫がなされている
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室内は一般的な住宅の間取りをイメージした空間に、高齢者や身障者が必要とする介護設備やバリアフリー対応の製品を完備。まず、介護室コーナーには、来場者が自由に使える高齢者専用の電動ベッドを設け、このベッドを自宅に置く場合どれだけのスペースが必要か確認できるように、4畳半、6畳、8畳分のスペースをラインで区切るという工夫がされている。また、ホールには高さや踏み板のサイズが異なった階段のサンプルを三パターン用意し、それぞれ比較することができる。
広いスペースを設けたトイレコーナーには、便器を中心とした両サイドに便座と同じ高さのステージを設置し、平行に回転する手すりを便器の両側に取り付けてあるため、手をついた状態で体重移動ができ、寝たままの排泄を可能とするなど、あらゆる障害者に対応したトイレとなっている。
浴室コーナーには、腰をかけた状態でゆっくりとお湯の中へ下降できる入浴昇降機を設置。また、入浴に介助を必要とする人のためのシャワー浴という専用のシャワー設備も備わっている。
ほかにも、様々な種類の手すりをそれぞれ違う高さで取り付けた手すりコーナーや、ワンプッシュで自由な高さに調整できる昇降型の洗面台やキッチンを展示している。
同社営業部長の家守寛氏は「福祉や介護または街づくりの情報発信地となるように、常に新しい情報を提供できるように努め、工務店やリフォーム業者の方にも利用してもらいたい。今後は、この場所を地元の方々が自由に使える交流の場としていきたい」と話している。
営業時間は午前10時~午後5時まで、定休日は毎週水曜日。住所は石狩市花川北6条5丁目2、Tel.0133・76・1333。 |