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思い出の詰まった住まいが隠れ家カフェに 札幌市・吉守さん

ヨシケン一級建築士事務所

ライター 高橋明子 | オーナー体験談 | リフォーム | 自然素材 | 趣味・こだわり系 | 2011.07.11

築40年以上になる祖父の家をリフォームして、5月にオープンした喫茶店「喜茶ゆうご」さん。西区・宮の沢の住宅街にある“隠れ家カフェ”として早くも注目されつつあります。しかし、オーナーご夫妻のイメージを叶える住宅会社を探すまでには、かなり苦労もされたよう。それでもあきらめない姿勢が、相性ピタリの会社との出会いにつながりました。

努力家で気さくな人柄の雄吾さん。カウンターに座りおしゃべりに来るお客さんも多いとか。横長の窓からはヤエザクラが見え、また隣家の窓と位置が合わないように配慮されている
努力家で気さくな人柄の雄吾さん。カウンターに座りおしゃべりに来るお客さんも多いとか。横長の窓からはヤエザクラが見え、また隣家の窓と位置が合わないように配慮されている
大きな窓からは祖父が大切にしていた数々の植木が見渡せる。建物の周囲を取り巻く木々をどのテーブルからも眺められる設計だ
大きな窓からは祖父が大切にしていた数々の植木が見渡せる。建物の周囲を取り巻く木々をどのテーブルからも眺められる設計だ
真理子さんの祖父が使っていたという机はそれだけで存在感がある。上には親しいお店のフライヤー(チラシ)が並べられている
真理子さんの祖父が使っていたという机はそれだけで存在感がある。上には親しいお店のフライヤー(チラシ)が並べられている
手前の梁(左右に渡した木材)は、古い家にあったものを利用。ところどころに組み込まれ、味わいを醸し出している
手前の梁(左右に渡した木材)は、古い家にあったものを利用。ところどころに組み込まれ、味わいを醸し出している
もともとL字型になっていた空間を生かして、グループにも最適な小スペースもある。こちらも両脇が窓になっており開放感がある
もともとL字型になっていた空間を生かして、グループにも最適な小スペースもある。こちらも両脇が窓になっており開放感がある
2階につくったウッドデッキ。奥は鉄柱だったが板で巻いて木の統一感を出した。建物の周りには飛び石が敷かれお客も散歩できる
2階につくったウッドデッキ。奥は鉄柱だったが板で巻いて木の統一感を出した。建物の周りには飛び石が敷かれお客も散歩できる
「生まれてくる子どもさんの名前は決めた?」談笑するご夫妻と吉田専務。まるで親戚づきあいのように見えるが、良いものをつくるために努力を惜しまない姿勢は共通しているようだ
「生まれてくる子どもさんの名前は決めた?」談笑するご夫妻と吉田専務。まるで親戚づきあいのように見えるが、良いものをつくるために努力を惜しまない姿勢は共通しているようだ
裏の外観もオリーブブラウンの木板で統一されている。住居スペースの2階ウッドデッキは洗濯の干し物が見えないように工夫もされている
裏の外観もオリーブブラウンの木板で統一されている。住居スペースの2階ウッドデッキは洗濯の干し物が見えないように工夫もされている
施工前は白いサイディング(写真右上)だったが、サイディングを剥がし、外壁は「田舎の農家にある納屋」をイメージして新たに茶色の板を下見張りにした
施工前は白いサイディング(写真右上)だったが、サイディングを剥がし、外壁は「田舎の農家にある納屋」をイメージして新たに茶色の板を下見張りにした
隠れカフェとして人気を呼びつつある喜茶ゆうごさん。道のポイントごとに案内看板もある。駐車場が広いのも嬉しい
隠れカフェとして人気を呼びつつある喜茶ゆうごさん。道のポイントごとに案内看板もある。駐車場が広いのも嬉しい

ようやく出会った「いいねえ!」の言葉

5月に喫茶店・喜茶ゆうごをオープンさせた吉守雄吾さん(36)と真理子さん(28)。場所は宮丘公園にほど近い、閑静な住宅地。「祖父母が住んでいた家なんです」と真理子さん。ご自身も、ここで小学3年生まで暮らしていたそう。

隣で雄吾さんも話します。「三世代の大事な思い出が詰まっている家ですよね。庭にも、おじいちゃんの育てた植木がいっぱいあって。そういった財産を生かしながら、お客さまに喜んでいただけるような店にしたいと思いました」。店名に喫茶ならぬ「喜茶(きっさ)」と名づけたのも、そんな思いが込められています。

以前からカフェを経営したいという夢を持っていましたが、祖父の家をリノベーションしてカフェにすると決めてから、会社選びで難航しました。吉守さんご夫妻の一番の希望は、1階を木のぬくもりあふれる喫茶店にリフォーム、それも木々の眺めを生かした空間にすること。予算が限られていたため、2階の住居部分のリフォームは後回しでいいつもりでした。

ところが、相談した複数の会社から返ってくる答えは、お二人にとってガッカリするものばかり。たとえば外壁を古いサイディングから、味わいのある木の板張りに全面的に替えたいという希望には、「お客様に見える建物の正面側だけを板張りすればいい」と言われたとか。また、「感性の違いだと思うけれど、こちらの希望をどうしても受け入れてもらえないというか、望んでいないシャープなデザイン案を出してくるなど、そういうところもあったんですよね」(雄吾さん)。「この立地だとカフェをやるのは難しいね」って言われた住宅会社もあったそう。

そんな時、住宅雑誌を読んでいた真理子さんが、「ここだ!」と共感したページが、ヨシケン一級建築士事務所でした。「"お客さまとつくり上げていく"といった家づくりへの姿勢がとても素敵に感じましたし、載っていた写真も木をメインにした家でいいな、と思いました」。

さっそく電話したところ、たまたま仕事で近くにいたという吉田専務が家まで訪ねてきました。「うちの窓から見える庭を見て、吉田さんが『いいねえ!』って。ネガティブなことばかり言われてきた私たちにとって、初めてプラスの言葉だったんですよ」と微笑む真理子さん。さらに、ここにテラスがあったらなど、お互いにイメージはどんどんふくらんでいったそうです。話を重ねるうちに、ご夫妻は「この方なら、自分たちが思い描く店を造ってくれる!」と確信、契約の運びとなりました。

相性が合うことがいちばん大事

実は、吉田専務も木々などの緑が大好き。「やはり造る側と、オーナーさんとの相性が合うことが大事!」と言い切ります。「仕事は楽しくやるほうがいい。そのためにも、私と同じような感性の人がいいんですよ」。そして、吉守ご夫妻のことをこう評価します。「カフェ経営を真面目に一生懸命勉強している。だから私もやりがいがありました」。一方で、お二人が勉強のため訪ねたカフェの名前を聞いては、専務もすべて後から観察に行ってみたといいます。そうして、理想に近づけるべく打ち合わせを重ねていきました。

施工を手がけるのはすべてヨシケンの専属大工さん。「とても丁寧に造っていただきました」と真理子さん。「実際に作業しながら、大工さんが『ここはどうします?』って、ひとつひとつ聞いてくれるんです。だから"出来上がってみたら違っていた"なんてことは全くありませんでしたね」。お二人は、大工さんたちへの感謝の意味も込めて、いつも試作スイーツの差し入れをしていたとか。

背比べをした柱がカフェの一部に

完成した店舗スペースはすべてが板張りで、フローリングはカラマツの無垢材を使用。珪藻土の塗り壁と共に、ホッとくつろげる空間をつくり出しています。さらに木製サッシに薪ストーブ。これらはすべて、お金がかかっても絶対妥協しないと雄吾さんが言い張った条件です。「だって、お客様へのおもてなしですから」

また、お店には古い家のものが上手に活用されています。入口のそばにある柱には、真理子さんが子どものころに姉妹で背比べをしたときのマジック跡を発見。他にも天井の梁の一部に昔の木材がそのまま使われていたり、おじいさんの愛用していた机が置かれていたり...。「この家の歴史を大切にしたい」、そんなお二人の思いが伝わってきます。

さらに、素晴らしいのは窓からの眺め。梅や松、牡丹、ツツジ、石楠花、紫陽花......さまざまな庭木が、どのテーブルからでも眺めて楽しめます。メインカウンターからは八重桜が見え、5月はピンク色の花がいっぱいに広がり絶景だったとか。これらは、おじいさんが育てていたもので「まさに財産ですよね」と、吉田専務もすっかりお気に入りのよう。「まだ、これからも植えていきますよ」と雄吾さん。カフェの周りには飛び石が敷かれていて、お客さんが気軽に散歩できるようになっています。

2階の住居スペースも快適に

さて、2階の住居部分はお金をかけなくてもいいと思っていた吉守さんご夫妻でしたが、吉田専務が「ほとんど好意に近い感じ」(雄吾さん)でリフォームをしてくれました。

吉田専務は、「付加断熱による断熱強化や耐震補強など住宅の性能はきちんとするつもりでしたので、2階もリフォームしたほうがいい」と考えました。断熱・気密性能の向上はもちろん、和室を洋間にしたり、隣家に近い窓の位置を別の箇所に移動するなど、暮らしの快適性がきちんと追求されています。居室のひとつは、お風呂と広々ユーティリティに変身しました。ちなみに吉守邸の工事は、安心・快適・安全な省エネ住宅へのリフォームなどを推進するプロジェクト「北海道R住宅」の平成22年度事業として採択されています。

「一時はあきらめていたお店ですが、ヨシケンさんが頑張ってくれました。他の工務店だったら、まず無理でしたね」そう話す真理子さんは、実はもうすぐ出産予定。この記事が出るころには、お子さんが産まれているかもしれません。「赤ちゃん連れからお年寄りの方までいらしてほしいですね」と語る吉守ご夫妻。

車いすの方でも来られるように店内はバリアフリーを意識しています。オープンしてからは地元だけでなく、口コミでお客さんの層も広がってきているとか。おじいさんの思いが残されたこの喫茶店では、外の景色を眺めたり、本を読んだり、はたまたご夫妻とおしゃべりをしたりと、お客さんが思い思いにくつろいでいるそうです。


記者の目


吉守ご夫妻とヨシケン吉田専務が談笑する様子には、単なるお客と会社というよりも、まるで身内同士のように和やかな印象がありました。住宅会社はそれぞれ特徴がありますが、センスや相性が合えばより理想の家を手に入れることができること、そのためにはあきらめず探し続ける努力も必要と感じました。


【喜茶ゆうご】
札幌市西区宮の沢3条4丁目6-8
http://kissayugo.exblog.jp/
TEL/FAX 011-590-1855
営業時間10:00~19:00、水曜日定休

ヨシケン一級建築士事務所の企業データ

作品例

編集部からの一言

先代から引継ぎ、社歴43年の特定建設業
オーナーの事情に応じた丁寧なプランづくり
15名の専属直営大工によるレベルの高い施工
無垢材やレンガなど本物素材を活かした味のある家

建築総額の傾向

愛着を感じる本物素材の家

母体は、ゼネコン、デベロッパー、大手ハウスメーカー、公共工事などを請け負う特定建設業。発注者の要求品質基準や厳しいマニュアルに沿って長年たくさんの住宅施工を続けている工務店です。でも、年間数棟だけ建築家兼工務店として、住宅購入希望者の要望に応えて、自社で設計施工を行い、心を込めて素材重視、オーナーの想い重視の住宅を建てています。ヨシケン一級建築士事務所です。

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会社情報

企業データ

昭和45年 設立 資本金3000万円
丸作 吉田建産株式会社
平成11年 設計、施工の別部門として
ヨシケン1級建築士事務所 設立

社内体制

社長、専務、社員2名、パート1名、専属大工15名

過去の実績

累計約500棟

社名 ヨシケン一級建築士事務所
住所

〒003-0876
札幌市白石区東米里2083-86

TEL 011-875-0877
HP http://www.daichinoie.co.jp

アクセス

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