2016年12月31日(17:10)

開放型ストーブによる空気汚染の可能性-2016年の最後に

大晦日になりました。
今日は午前中、断熱リフォームしたお宅の取材にでており、それが自分にとっての仕事納めだったのですが、じつはもう一つ、心に引っかかっていることがありまして。
それが「開放型ストーブによる空気汚染」の可能性です。

今年の年間アクセスランキングで第2位となった「オール電化住宅で灯油ストーブ」は、健康の観点から見たらやはり良くないのか?? ということが気になっているのです。
https://www.iesu.co.jp/column/2013/05/19081348.html

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12月10日に開かれた「健康・省エネ住宅推進トップランナーシンポジウムin札幌」で、旭川医科大学・健康科学講座の西條泰明教授が、講演の終盤に1枚のスライドを示しました。
「開放型石油暖房器具による室内空気汚染」という題でした。

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24時間換気を行っている住宅において開放型石油暖房器具を使い、空気汚染を測定したところ、
VOC(揮発性有機化合物)濃度が上昇しているほか、
NO2(二酸化窒素)濃度が暖房機使用50分後に395ppbに達した。これは大気汚染防止法による大気環境基準の6.6倍に相当する。
高濃度のNO2は気管支炎の原因になる。


という研究データでした。

講演後の質問で、この研究について尋ねました。
「シロウトなりに結露計算をすると、24時間換気が行われていれば開放型ストーブで結露を引き起こす心配はなさそうだと判断していたが、空気汚染は深刻なのですか?」と。

西條先生は「健康被害が心配だ」とのお答え。
そこで、スライドにも示されていた研究論文を入手して読んでみました。

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本当におおざっぱに紹介すると、
高気密住宅の1つの個室で暖房能力が3.2 kW・木造9畳用クラスの開放型ストーブを燃焼させて、空気質を測定したそうです。3.2 kWといえば、戸建ての木造1フロア(15坪・30畳)分を暖房する程度の能力を持っています。それを1部屋(広さ不明)で使うのですからすぐにオーバーヒートして、50分後には30℃に達したようです。

そういう条件下での測定データですので、もし、30坪程度の木造住宅に同じストーブを1台置いたときに、NO2濃度がどうなるのかは、正直わかりません。
わかりませんが、NO2が顕著に高濃度に達した事実は重いです。

西條先生は、「子どもがいる家庭は避けるべきだ」とも付け加えました。医学者の視点から、良くないという意味でしょう。

西條先生は結びとして、
循環器疾患、肺炎を防ぐさらなる健康住宅へ必要なこと:
・高断熱・高気密化と換気
・省エネ型暖房器具→開放型暖房器具をできるだけ使用しない
・受動喫煙、三次喫煙の防止

の3つをあげました。

お父さん、お母さんの喫煙を気にすると同時に、開放型暖房器具も避けるべき。

そうですね。やはりおすすめできない、という結論になりますね。


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この記事をもって今年を締めくくります。

皆さまにはときに応援していただき、ときにアドバイスをいただき、ときにお叱りも。本当に力になりました。
ありがとうございます。
来年もよろしくお願いいたします。

皆さま、よいお年をお迎えください。

カテゴリ:ie家 |

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PROFILE

編集長 白井 康永

iezoomと北海道住宅新聞を中心に、豊かな暮らしを次世代へ引き継ぐため、ボクたちが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ58歳。血液型O型.3人の子どもは親元を離れて自活. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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