2014年12月13日(16:03)
施工力が伴わない工事では、本当に暖かい家はできない 断熱ヲタクのつぶやき
〈ていねいな施工ですが、これでは気密層が連続しません。気密シートが薄いので、破れやすい欠点もあります。残念な施工です〉
断熱住宅の価値は、寒さから身を守ることだと思います。ボクら寒冷地に住む者にとって、断熱住宅のいちばん大切なところは、暑さを防ぐことではない。寒さから身を守る。これはまず、ハッキリと確認しておきたいところです。
もうひとつ確認しておきたいのは、断熱住宅はしっかりした施工力が伴わないとまるでダメな住宅になる、という点です。断熱性能を高めるために気密性が必要。別にボクたちは密閉空間を愛しているわけでも、ポリフィルムが好きなわけでも、潜水艦にあこがれているわけでもありません。誤解のないように。
20年前までは、断熱(もちろん気密性が伴っている住宅)によって暖房がよく効くようになり、「あぁ高断熱・高気密住宅って本当に暖かいんだね」と住み手はみんな感謝しました。
断熱によって暖房がよく効くこと。これは素晴らしい効能でした。
ところが、もうこれだけでは満足できなくなりつつあるのが現代ではないでしょうか。
断熱住宅は確かに暖かい。暖房費も割安になる。しかし、もうちょっと「断熱したことの実感」がほしい。
断熱によって暖房なしでも15℃程度は維持できる。つまり断熱が暖房の代わりになる。これからはそんな断熱が求められつつあるように感じます。
これは理屈や計算ではなく、時代の気分ではないかと。
わが家は熱損失係数=Q値で1.3W程度の断熱性能です。真冬でもちっとも寒くないトリプルガラスの木製サッシは、断熱のありがたみを体感させてくれますが、この程度の住宅性能では、断熱は暖房の替わりにはなりません。ボク的には、1.3Wという断熱性能は20年前の断熱住宅のグループに属していると思います。断熱するならもっと上を。それがこれからの断熱住宅ではないかと、30年近くこのことを追いかけてきたボクは思います。
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