2014年04月04日(19:22)
島根県の山あいの集落訪問記3 企業城下町
最後に街並み写真も紹介します。
訪問したこの地域、じつは江戸時代からの企業城下町だったそう。たたら製鉄を経営する田部(たなべ)家が、まちの産業そのもの。昔は資本家の事業と経営が一体でしたから、生産施設も住居群も、そして蔵も、資本家の意志で残ったのでしょう。ワンマン経営のいい面です。
生産設備のある地域からひと山越えて、少し開けた地域が町の中心部、ということになると思います。ここに資本家の家と、生産した鉄を集積して出荷する場所があったそうです。ここから馬がひいて、大きな川まで輸送し、そこから日本海に出て全国各地に届けられたそう。
蔵は最盛期で20数棟あったそうで、半分に減ったいまでもじゅうぶんな迫力。川向こうに目をやると、おそらく体育館と思われる古い建築が残っていました。別用途でいまも使われているようです(調べたら昔の小学校の講堂だったことがわかりました)。
建物を保存した博物館を何ヵ所か見たこともありますが、当時の暮らしまではわかりません。しかし、建物が現に使われてその場にあると、周辺の地形や近隣の建物、傷み具合などから、ボクたちは目をつぶるだけで過去に旅することができますね。
今後、このまちばについても整備が進むことを期待しています。
コメント