2014年4月

2014年04月30日(17:19)

いちばん電気を使うのは何時台? 時間帯別の電力消費

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北海道・札幌のこの1週間ほどの陽気は、初夏を思わせる暖かさ。まあ、必ず寒の戻りはあるわけですが、とりあえずかなり暖かいです。

で、前振りとほとんど関係ない本題です。グラフは、昨年8月下旬のわが家の電力消費を時間帯ごとに重ねたものです。そもそもの目的は、電気料金値上げを前にして、時間シフトやムダな電力を省くことで節約できないか、ということ。このグラフからいくつかのことがわかりました。
電気料金契約はドリーム8(時間帯別電灯契約)です。

0時と1時の棒が同じく高いのは、食洗機でしょう。2時間使っているんですね。
朝食やお弁当の準備、洗濯は5時から6時台。
それに続く7時台もけっこう棒が高い。7時と23時を比べると7時のほうが高い。そうなら時間帯別電灯の設定を23-7時までから、24時-8時までに変えたほうがよさそう。
17時からの棒の高さは夕食準備でしょうが、18時の棒はすごく高い。クッキングヒーターの負荷と考えられます。
なお、このグラフに電気温水器の消費電力は含まれておりません。

簡単なHEMS電力計で測定したデータですので、正確ではありませんが、傾向を知るには十分かと思います。
冬のデータも取ろうと思っていたのですが忘れました。
これから中間期を取ってみます。

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2014年04月19日(18:26)

時代を変えるチカラ

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平成が始まる前後、いまからおよそ四半世紀前。ボクは断熱住宅の素晴らしさを伝える伝道師として、情報発信や仲間作りに取り組んでいました。
「まだほとんどの人が知らないけど、とてもあたたかい家を省燃費で建てられるんだ。こんな最高のぜいたくを北海道中に広めたい」と思っていました。
仲間が集まると、気持ちが高揚したことをいまでもよく覚えています。

それは、自分の仕事によって世の中が変わっていく、いや、必ず変えてやる、という気持ちの高まりだったと思います。いま振り返れば、幸せな仕事ができたのです。

そして四半世紀を経て、当時の場面をそのまま再現するかのようなシンポジウムが4月18日(金)、東京で開かれました。
パッシブハウスジャパン主催、エネルギーシフト・シンポジウムです。
公式発表で350名、じっさいは少しそれに足りなかったかとは思いますが、よく集まったものです。数年前の東京では考えられなかったことです。
「オレはもう断熱住宅をやっている。オマエはまだやってないのか?」的なのろしが上がる雰囲気は、やはり楽しいものです。

ボクは、東京以西の家づくりが徐々に変わっていくことを確信しました。もちろん、時間も必要ですし、すべてに行き渡るのは難しいのですが、ボクらが達成してきた経験からいえば、

世の中の平均的レベルは、必ずトップランナーに引きずられて上げが進む。

そして変化を生むのは、「世の中を変えてやる」と強く心に決めたトップランナーたちの意志の力です。

ファイスト博士ら当日の話はまた後日。

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2014年04月14日(19:50)

パッシブハウス生みの親・ファイスト博士の初来日記念シンポジウム

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〈クリックすると拡大します〉
 
4月18日(金)午後1時から5時まで、東京大学内の伊藤国際学術研究センター・伊藤謝恩ホール(東京都文京区本郷7-3-1)で開催開かれます。
 
ボクは取材に行く予定ですが、生で講演を聴いてみたいという方はぜひ。
演題やその他の出席者、申し込みについてはこちらをご覧ください。
https://www.iesu.co.jp/article/2014/04/post-32.html


*取材を終えて*
当日の取材内容はこのコラムに簡単に紹介し、北海道住宅新聞公式ホームページにもアップいたしました。
取材記はこちら
取材記事はこちら

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2014年04月07日(19:42)

小樽・運河プラザでの市民セミナーが終了しました

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4月5日(土)小樽市内で失敗しない家づくりのためのセミナーを開催しました。当日は季節外れの春の雪。出足が心配でしたが、思いのほか多くの市民にお越しいただきました。
会場は小樽運河沿いの運河プラザ3番庫ギャラリー。築100年の石積みの倉庫でした。

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〈道新さんに記事紹介してもらいました〉
 
ボクのお話は、小樽は古い家が多く、古き良き家を断熱・耐震改修することで、健康にも良い暮らしができることを伝えたかった。それが第1です。
第2は、住宅会社・工務店選びと、消費者が知っておくポイント、頼む前にぜひ家族でやっておいてほしいことを一時間ほど話しました。
 
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この機会を提供してくれた北美建の今北光春社長に感謝します。
夜は、小樽のおいしい刺身と寿司、お酒をいただいて、とてもいい気分で帰りのバスに乗ったのですが、あまりにいい気分で、乗り過ごしました(笑)。おかげでたっぷり歩きました。
 
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〈小樽駅の上には三日月が! 酔っ払いのボクは気がつくはずもなく〉
 
日曜日は次女の誕生祝いと息子の入学祝いで再び居酒屋へ。またまたいい気分になって、家に帰るとそのまま寝てしまいました。

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2014年04月04日(19:22)

島根県の山あいの集落訪問記3 企業城下町

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最後に街並み写真も紹介します。
訪問したこの地域、じつは江戸時代からの企業城下町だったそう。たたら製鉄を経営する田部(たなべ)家が、まちの産業そのもの。昔は資本家の事業と経営が一体でしたから、生産施設も住居群も、そして蔵も、資本家の意志で残ったのでしょう。ワンマン経営のいい面です。

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生産設備のある地域からひと山越えて、少し開けた地域が町の中心部、ということになると思います。ここに資本家の家と、生産した鉄を集積して出荷する場所があったそうです。ここから馬がひいて、大きな川まで輸送し、そこから日本海に出て全国各地に届けられたそう。

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蔵は最盛期で20数棟あったそうで、半分に減ったいまでもじゅうぶんな迫力。川向こうに目をやると、おそらく体育館と思われる古い建築が残っていました。別用途でいまも使われているようです(調べたら昔の小学校の講堂だったことがわかりました)。

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建物を保存した博物館を何ヵ所か見たこともありますが、当時の暮らしまではわかりません。しかし、建物が現に使われてその場にあると、周辺の地形や近隣の建物、傷み具合などから、ボクたちは目をつぶるだけで過去に旅することができますね。

今後、このまちばについても整備が進むことを期待しています。

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2014年04月01日(17:13)

島根県の山あいの集落訪問記2 たたら製鉄とその集落

今回の出張先は、島根でもメジャーな出雲大社や松江市ではなく、誰もが観光で訪れる地域ではありません。しかも、北海道から島根は遠い(それでも来訪者は年に数人いるそうですが、東北からは数年に1組とか)。郵便も宅配便も中3日かかります。しかし、観光地以外にも素晴らしい地域はいくらでもあります。そんなことで、ボク的にはブログで紹介する大きな意味を感じています。

この30年で失った風景が、島根には残っているのです。30年前、ボクが大学生だったころ、こういう風景は山梨に行けば残っていました。いや、東京都内にも草ぶき屋根の家があったのです。
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さて、ここからはさらに山深い谷あいの集落です。
奇跡のように現代に残った、住宅と蔵、そして施設群。
これらは、日本の伝統的製鉄法である「たたら製鉄」の生産工場と関係者の住宅群なのです。
生産工場は18m四方の木造建築の真ん中に炉があり、そこで3昼夜かけて鉄を生産していました。原料は砂鉄と木炭。そのどちらも豊富にあり、物流の面でも条件が整っていたのが、この地域一帯だったそうです。
しかし、明治維新以降は西洋の近代製鉄が輸入され徐々に押されて、大正年代の1921年に生産を終えます。しかし、それ以降も木炭の生産は続けられ、経営者一族と従業員たちの封建的関係は昭和44年(1969年)まで続いたのだそうです。

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案内をしてくれたアサヒさんは、いま改修中の工場建屋("菅谷高殿"すがやたかどのと言います)を「子どものころの遊び場がねえ」と語りながら見せてくださいました。
また、工場の上級管理職クラスの住居だったという長屋の中でDVDも見てきました。内部は当時のままで、曲がった柱と土塗り壁がとても印象的。屋外に出てみると、屋根は多くがトタンをかぶっていますが、部分的にはこけら葺きのまま。



その空間に身を置いて、過去にトリップしたような気持ちになりました。こんな気持ちは、博物館ではなかなか味わうことができません。生活のにおいがそのまま残っているからこそ、ボクは過去に旅することができたのです。

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PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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