2013年12月17日(14:26)

遠方より来たる その2. 300mm断熱

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建築家・山本亜耕さんとはこの1年、よくお目にかかる機会ができました。フランクで考え方をしっかり持ってらっしゃって、いま、メディア露出も非常に多いです。
 
2件の完成住宅と1件の工事中現場を見せていただき、まず山本さんが西区・手稲区という札幌の北西部での設計が多いことに少し驚きました。このあたりの事情を尋ねたわけではありませんが、きっと人のつながりや設計の考え方などが影響しているのでしょう。山や海という自然を背景にしてよく似合う設計だと思います。
 
じゃあ日常は住みにくいのか。というとそんなことはないでしょうね。階段や吹き抜けを利用した上の階と下の階のつながりがおもしろいです。どの家もキッチンが家の中心にあり、奥さまには使いやすい間取りでしょう。
 
壁300mmの高断熱を標準仕様にしており、その壁厚をみると専門家ほど驚きます。
100mm以上の断熱も増えましたが、通常の壁断熱は100mmです。
見学を終えて総勢20人ほどで食事会。会話の中で必要な断熱厚とはどのくらいか、自問自答してみました。
100mmという厚さは、在来工法もツーバイフォー工法も壁の中にギッシリ入れる厚さである点で、合理性があります。しかし、それが必要か、必要として最低限なのかどうか...。ボクにもわかりません。
逆に300mmは必要ないのか。200mmなら必要なのか?
 
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首都圏からお客さまを迎えて、むしろ自分の足元を見直すいい機会になりました。

なおこのメーカーは今年、築40年の自社物件を買い取ってリフォームし、中古として販売したそう。これまでの40年とこれからの30年。2013年はその真ん中当たりに位置しています。そんな「家」のながーい時間を建築と不動産という二つの側面から評価することも、とてもユニークだとボクは思っています。

カテゴリ:ie家 |

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PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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