2013年11月11日(21:40)
住宅のかたちと技術革新
住宅のかたち・外観はおそらく1500年以上も前から変わらなかったが、ここ40年ほどで大きく変化した。
かたちが変わるとき、そこには技術革新があるはず。住宅の場合は防水性能だったと思う。
それまで、雨水を室内に入れない「止水」の技術はあまりなかった。このため、屋根は必ず勾配がついていて、屋根材を下から順に重ねることで雨もりを防いできた。
それが、トタンとパッキンや、アスファルトで止水できるようになる。これによって屋根勾配がとてもゆるいフラット系屋根が普及しだす。
フラット系屋根は当初、笠木の下に鉢巻きを巻いたような建物の上部が重く見える形状をしていたが、徐々に軒ゼロ形状に変化し、最近ではかなり美しい形状ができるようになった。
様式としては完成に近づいたと思う。
しかし、である。
勾配屋根は雨水をいなす以外にも大切な機能を持っていた。それが外壁の保護機能だ。軒を出すことで壁に雨水がかかりにくくしていたのだ。
外壁も技術革新でセメント板が主流となり、窓にはガラスが入っているので壁面の止水も問題ない。
ところが、軒がないことで外壁が数年でひどく汚れるのである。
今のところ、この問題を解決する技術革新はないはずだ。汚れない外壁を開発するか、汚れない形状の建物を考えるか、それとも数年で汚れるのはしょうがないか・・・。
そんなことを、外壁リフォームのセミナーを聞きながら思った。
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