2013年10月

2013年10月30日(13:01)

雨が多い地方の家の構え

今週月曜日、紀伊半島の東側、尾鷲市(おわせ)を訪問しました。何となく聞いたことのある地名は、むかし、社会の教科書に「日本一雨の多い地域」として取り上げられていたからです。
年に4,000mm降るそうです。メートルに直せば4メートル!!
これはハンパない雨です。
ちなみに札幌は1,100mm、旭川が1,040mm、東北の盛岡が1,260mmです(雪も含みます)。
 
緯度は北緯34度、札幌より9度も南ですから、夏の太陽はほぼ真上におられることになる。
となれば熱帯雨林か、と勝手に思い込んでいましたが、意外やさわやかな秋晴れで、しかも日照率は東京と変わらない晴れの日が多い地方だそう。
じゃいつ雨が降るの?
 
雨の日は土砂降り。雨粒が大きく、骨の数が通常のかさより多い「尾鷲傘」と呼ばれる傘があるほど。
じゃあ、家の構えもかなり違うのかなと観察しましたが、あまり違いを発見することができませんでした。
雨が地面から跳ね返り建物を傷めるのを防ぐ備えはあるそうですが、ボクは見つけられませんでした。

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〈狭い通りに軒を連ねる町家。2階に深い軒、1階にひさしがつくのは、雨の備えだ〉
 
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〈軒が重なるしっとりとした風情。出窓も軒下に隠れている〉
 
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〈学校建築かと思われる。戦前・戦後のこの手の標準設計はいいものが多いと思う〉

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2013年10月14日(14:27)

住宅景気の曲がり角

過去の例から言って、住宅着工は年内いっぱいは好調が続くはずですし、そのことに疑問を持つ方はおりますまい。
問題はその後の落ち込みがどの程度なのか。

ボクの聞いている話では、12月に着工し冬場の工事を行う物件はかなりある。そして、雪融け最初の4月着工の仕事はこれまでになく多い。ただし、その次の6-7月着工分のめどは付いていない。
めどがついていないからと言って悲観する必要なはい。半年以上先のめどがついていることの方がすごすぎる。
なので、来年を占うには住宅展示場の入り込み数とか住宅雑誌の売れ行きとか、いわば先行指標になるものの動向を知る必要がある。

住宅雑誌の売れ行きはかなり正確に景気の先行きを教えてくれる。しかし、雑誌の売れ行きはなかなかリアルタイムではわからない。あとから「やっぱりそうだったんだ」という感じになる。
当社が運営している札幌圏の家選びサイト「札幌良い住宅jp」はどうか。
訪問数、ページビューともに今年は前年を上回っており、特に7月以降、去年よりいい。昨日段階でも好調を維持し続けている。
一方、訪問者が1回に見るページの数は若干低下傾向。平均滞在時間も少しだけ短くなっている。

要するに、すべての指標が、「たくさんの人が新規で見に来て、ちょっとだけ早めに帰る」という傾向を教えてくれている。これって駆け込み的特徴ですよね。

札幌良い住宅jpは7月にリニューアルしており、その効果がある。だから、単純に前年と比べることはできないが、少なくても住宅選びをする人が減ってはいない。
来年春以降、もちろん着工は減るだろうが、ボクは、住宅価格を若干安くすること、そして融資がしっかりついてくれば、さほど極端な減少にはならないと今は考えている。

大切なのは、住宅の総額とローン審査だと思う。

札幌良い住宅jp

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2013年10月08日(18:21)

「浮かれている」と重いひと言

札幌圏で50棟近く新築住宅を建てている会社の社長さんが、電話口でおっしゃった言葉。
「うちも含めて中小企業はみんな浮かれている。でも、ジワジワと建材・木材の価格が上がっているんだよ。このままいったらたいへんなことになる。気がついたらユーザーが手に入らない価格帯の商品を自己満足で提供する事態になりかねない」

酸いも甘いもかみ分ける:人生経験を積み、人情に精通し、世の中の裏も表も知り尽くしていることのたとえ。 (故事ことわざ辞典より)

さすがだなと思いました。現状の問題点を鋭くついておられる。たまたま、来春からは住宅価格を1割引き下げる必要がある、という記事を書いていたもので、その意図することがよくわかりました。
「増税後をポジティブにとらえろ。しかし、価格は引き下げるべし」。

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2013年10月07日(17:49)

シライ・シライと褒められて

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体操の世界選手権、種目別床運動で神奈川の高校2年生、白井健三くんが金メダルを獲得し、大きなニュースになっています。
新ワザに「シライ」と名前がつき、またまた呼ばれます。

「はい、シライです」とテレビを見ながらご返事しております。




血縁関係はたぶんないと思います。が、同姓の活躍はうれしいですね。
ボクも体操はじめようかな..。
ウソ、ムリです。

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2013年10月05日(14:34)

JR北海道の今後

新聞・テレビを騒がしている、
地元・北海道の鉄道会社・JR北海道について、ボクなりに触れてみたい。

ボクはJR北海道で通勤・通学をしたことがないのですが、新千歳空港の往復はほぼJRオンリーです。今年の冬は電車がよく遅れ、札幌に着いたら乗り継ぎ電車がもういなくなっていた、ということが何度もありました。
エアポートライナーをおりて、プラットホームで乗り継ぎについて車掌や駅員に尋ね、その横柄な応対に何度も不快な思いをしています。彼らはサービスを提供している意識がまるでないのです。

違反の放置や事故については、当然、あってはならないことですし、徹底して改善が必要だと思います。
この点については、改めていうまでもありません。

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しかし、JR北海道という会社の今後を考えたときは、ある重大な問題に手をつけざるを得ないのではないかと思うのです。
赤字路線の整理です。

北海道旅客鉄道株式会社の平成25年3月決算公告を見ると、鉄道事業の営業収益(売上とは書かれてないが売上を指すらしい)が776億円、関連事業の営業収益が67億円。これらに対して営業費がそれぞれ次のようにかかっています。
鉄道事業は営業費が1112億円、結果、営業損失335億円。(国が損失補てんしている)
関連事業は営業費が40億円、結果営業利益が26億円。

JR北海道という株式会社が路線を維持することは、ハッキリムリなのです。
しかし、鉄道は地域の足でもある。維持したい。いや、バスならいい。そういう議論を真剣にやっていかない限り、この会社が線路を維持しきれない根本の原因解消にはつながらないと思うのですが、皆さんの考えはいかがですか。

ひとつには、鉄道事業を公益事業と割り切る。実質はいまでも公益法人みたいなもんですが、いちおう株式会社です。そのホンネと建て前の同居がウミを蓄積するのです。だから形式(建前)も公益法人に衣替えする(ある意味国鉄に戻る)。
そのうえで、やはりひどい赤字線は廃線する。

自分の会社に置き換えて考えれば、事業の9割を占めるダントツのメイン事業が、事業高の4割にも達する赤字を出している。しかし、会社はつぶれない。何のための会社か?
一方、事業の1割を占めるに過ぎない部門は粗利が約4割。しかし、この事業は立地など(エキチカ)で赤字部門に依存している面が強い。

社長はいったいどんな舵取りをすればいいの?

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2013年10月04日(14:06)

電子版の配信をはじめました

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こんにちは、白井です。
10月から、北海道住宅新聞の購読者様を対象に、パソコンやiPadで記事を読むことができる電子版(PDF)の配信を開始しました。

手順はとても簡単です。
①件名を「電子版配信希望」とし、会社名・電話番号・登録する電子メールアドレス・担当者様のご氏名を記載した電子メールをinfo*iesu.co.jpまでお送り下さい
(メルアドをコピーする時は、*を@に変更してください)。
②登録する電子メール宛てに、電子版北海道住宅新聞の配信先リンク(URL)を記載したメールをお送りします。
③お送りしたメールの配信先リンクをクリックすると、ダウンロードサイトが開き、PDFデータをダウンロードできます。

電子メール:info*iesu.co.jp (*を@に変更してお送りください)。
ファックス申込書はflyer_HJSpdf.pdf

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6月にこのコラムで、電子版開始に向けてビビっているとぼやきました。いまでもビビっています(笑)。購読者数を減らすことになるのではないかと。
でも、違った考え方も当然できます。新聞の使い勝手の向上は、購読者さまにとっては読み応えのある、お金を払った甲斐(価値)のある情報になるはずです。
忙しい方にも確実にお届けすることができます。

前向きに行ってみますわ。

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2013年10月03日(18:57)

10月に入り、住宅業界は少しだけ落ち着きを取り戻しています

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今日は専門紙のへんしゅーちょーとして。
 
現行の消費税が適用される契約の期限が先月末、9月30日まででした。この日までに契約していれば、工事着手が来年4月以降になっても、消費税は5%のまま、という措置がとられます。
このため、先週末まで駆け込み契約が相当あり、住宅会社はプランや見積もりでものすごく忙しかったと思います。
引き渡しも9月末ころが多く、二重、三重に仕事が重なっていた会社も多いと思います。

そして10月に入り、安倍首相が消費税率引き上げを発表。駆け込み契約が終わってからのこの時期を選び、発表したのでありましょう。
手順が非常にお粗末だった民主党さんに比べ、安倍さんはなかなかに上手なタイミングを見定めています。

ボク的には、やはり来年4月以降のことがすごく気になります。新築が減ることは間違いない。それがいつ、どのくらいの下がり勾配でやってくるのか。
着工が減るのはわかりきっていることだから、ボクたちは準備しなければなりません。その準備が妥当なのかどうかは、まだわかりません。

目先の話ももちろん大切です。
住宅会社が忙しいわりに、建材メーカーは売上が伸びていないというケースも聞きます。
10月以降はいっそう力を入れて売上づくり。また、来春以降をにらんで、営業の種まき。
これらの広報に協力してほしい、という話をいくつかいただいております。

それが、ボクらの媒体を評価しての声がけだったり、編集力を信頼いただいての依頼だと、率直にうれしいわけで。
 
〈備えあれば憂いなし〉

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PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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