2013年03月27日(18:23)

ヲタクはいいもんだと思うようになった

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コラボ住宅セミナーでいっしょに活動する小野寺貴夫さん。小野寺さんは地盤ヲタクです。
住宅を建てる前に地盤を調査するのは、いまや当たり前になりましたが、小野寺さんは建設地の成り立ちから調べることで、地盤の持つ危険性を総合的に判断するというアプローチで、道内各地の地盤を調べています。
例えば札幌の低地は、6,000~5,000年前は海だったことがわかっており、その後陸地化したため、地盤が新しく、いまでも沈下する地盤の地域があるのはそういう背景からなのだそうです。
地盤は地震被害とも関連しますし、家の傾きを引き起こす原因にもなります。しかし、190万都市・札幌の市街地、そのひと区画の縦横12m程度の土地をみて、「ここは海だったか」などと想像することは、ボクたちにはできません。
そこで、気に入ったひと区画に木造の家を建てたときに心配はないのかどうかをある程度数値化する必要があります。
そこからは、ヲタク知識を仕事へ生かすという場面になってきます。

ボクは、ヲタクになりきれないタイプの人間ですが、振り返ると先輩たちにもヲタクがけっこういます。
建築ヲタク。家を建てることが好きで好きで、家を建てることが仕事のよろこびである人。こういう人に家を建ててもらったユーザーは幸せです。いい家ができてしまうからです。
気密ヲタク。住宅の気密性能を徹底的に高めることをmust、必須と考える人。この人たちによって、北海道、さらには日本の住宅が変わってきたと言えます。当時はイノベーションという言葉は使われませんでしたが、初期の住宅は間違いなくイノベーションでした。そして実践者でもあったこれらのヲタクをみて、まねる人が出てきて、気がつけば気密化は当たり前の技術になったのです。

自分の興味むくままに徹底的に調べて、その結果を実践して成果発表する。そのことにまわりが興味を持って集まり、北海道の住宅づくりは前に進んできた気がします。

小野寺さんはまだ20代。いま、若い世代の中に再びヲタクのニオイを見つけ、ボクはこの仕事まだまだイノベーションがあるなと思った次第。

カテゴリ:ひと |

コメント

何だか褒められるのに慣れていないせいか、
背中がムズムズしますが、ありがとうございます。
もう2ヶ月で30歳になりますが、更なるヲタクウェイ(道)を邁進していきますね!

小野寺(2013-04-10T18:02)

コソーリ書いたら見つかりましたね。。
既成概念の殻を打ち破るのは、地道な調査に裏付けられたヲタクパワーです。
例の話も楽しみにしてます。

白井康永(2013-04-10T18:18)

コメント

PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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