2012年01月25日(12:01)

スマートグリッド実証住宅 @青森・六ヶ所村

青森県・六ヶ所村のスマートグリッド実証住宅を外から見学し、ついでに飛び込みで取材を敢行してみました。プラグインハイブリッドのプリウスが目印。
スマートグリッド実証住宅:六ヶ所村の分譲地「尾駮レイクタウン北地区」
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2010/09/0915a.html
IMG_2365laketown.jpg
六ヶ所村は青森県の北東部、下北半島の付け根に位置する太平洋側の村です。

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スマートグリッドとは。(環境ビジネスHPより)

スマートグリッド(次世代送電網)とは、電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し、最適化できる送電網。専用の機器やソフトウェアが、送電網の一部に組み込まれている。ただその定義は曖昧で、いわゆる「スマート=賢い」をどの程度と考えるかは明確ではない。

そもそも、オバマ政権が、米国のグリーン・ニューディール政策の柱として打ち出したことから、一躍注目を浴びることとなった、スマートグリッド。
従来の送電線は、大規模な発電所から一方的に電力を送り出す方式だが、需要のピーク時を基準とした容量設定ではムダが多く、送電網自体が自然災害などに弱く、復旧に手間取るケースもあった。そのため、送電の拠点を分散し、需要家と供給側との双方から電力のやりとりができる、「賢い」送電網が望まれている。


〈以下省略〉
http://www.kankyo-business.jp/topix/smartgrid_01.html


なぜここで、何を目的に実験が行われているか、その背景は日立のホームページに掲載された発表文を見てもわかりません。
ネット上にも情報はありません。
そもそも、送電網を見たところで、小生には何もわからないし、目に見えない情報技術が「見える化」しているわけでもありません。


目で見てわかることは、家の前にトヨタ・プリウスのプラグインハイブリッドカーが止まっている家が6棟あること。
住んでいる方は、社宅として暮らしているようです。プリウスと屋根に設置した太陽光発電以外は、なんの変哲もありません。
IMG_2373house.jpgIMG_2369phv.jpgIMG_2374X.jpg

普通の家となにが違うか、スマートハウスらしさは? という質問が、きっと皆さんの心の中だと思います。
家の中に情報端末のモニターが面があり、そこに毎日、「翌日の電気予報」的なメッセージが届くのだそうです。
その内容は、明日の電力料金単価がいくらになるというお知らせで、それを見ながら「明日は洗濯をやめる」など節電したりしているそう。なるほど、これはスマートです。


もう一つ、大震災以降、トヨタも日産も自動車の蓄電池を住宅の蓄電池代わりとして利用する方法が提案されています。例えば太陽光発電を使って昼間にプリウスに充電。夜は充電した電力を住宅内に送り込むことで、ある種の自立エネルギーシステムを構築するというものです。
関連記事です。
http://www.kankyo-business.jp/news2012/20120120_d.html


大手住宅メーカーがPRをはじめたスマートハウスにも、電気自動車などの蓄電池を住宅の電源として利用するイメージ図が使われていたりします。
少々前ふりが長くなりましたが、ここ六ヶ所村の6棟では、それは実現していないようです。


ただし、系統から独立しているためか、昨年3月11日の大地震後の停電は1-2時間程度で回復したそう。

カテゴリ:日記 |

コメント

スマートグリットまで行かないですが、HEMSの今後に付いてはどうお考え、推測されていますか?
私は省エネナビの延長線上と捉えていますので、仮にスタンドアロンでも省エネ効果は高いと思っています。
規格の統一など、多々障害はあるでしょうが、私としては次にやってみたい事の一つです。
今後の普及過程に付いてお考えをお聞かせ願えると幸いです。

なべやん(2012-02-22T14:18)

この問題については、昨年、会社としての考えをまとめました。
新築は、標準装備の方向に進むと思います。昨年、環境省がやっていたモニターに応募しようとチャレンジしたのですが、実質的に部外者(部内者が誰なのかわからず仕舞でした)が応募できないような仕組みになっていて断念しました。
コスト的にはかなり安くできます。
ただ、ヘムスの定義さえ定まってはおりません。現状の定義は「見える化」です。マネジメントまで行ってないのです。

まるへん(2012-02-22T16:17)

なんとか標準装備になって行って欲しいと思います。
断熱気密、日射取得等で、空調でのエネルギー消費の削減をし、またHEMS等でその他のエネルギーの無駄の削減や効率UPを計る。
この事で、従来と比べると数割の省エネになるでしょうかね。2割?3割?もっと行きますかね?
太陽光発電や、地中熱HP等も良いですが、一番費用対効果が高いのはこう言った一見地味な物なんだと思います。

なべやん(2012-02-22T22:34)

>一番費用対効果が高いのはこう言った一見地味な物
そう思います。
ただ、北海道内では関心度メチャ低いらしいです。また、全国的には工務店サイドから強烈な拒否反応が出ています。「あんなまがい物にはのらない」みたいな。
震災後の住宅販売戦略とも深く関わっており、みんな思惑がらみです。

まるへん(2012-02-23T17:15)

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編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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