2011年07月22日(19:20)

「津波から命を助けたい」岡田弘先生の視点

少しお年を召されたが、2000年の有珠山噴火時にテレビで拝見していた印象と変わらず、しかしナマ(Live)のお話しは、岡田先生の学問を超えたフィールド活動に裏打ちされた「人命を救う防災」という点について明確でわかりやすいメッセージが感じられた。


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午後からの座談会で、北海道大学名誉教授、岡田弘先生をコーディネーターに防災対応について語っていただいた。


岡田先生は、子供たちへの防災(津波が来たらとにかく逃げること)教育で人命が救われた成功例をいくつか紹介していたほか、生命の次に大切な財産である漁船の避難を重視していた。東日本大震災の報道でもよく聞いた「沖出し」については、いのちか船かみたいな議論になりがちだが、そうではなく、いつごろどのくらいの津波が来るか、特にいつごろ来るかの情報を出せれば、沖出しの判断を漁師または漁協がしやすくなるということをおっしゃっていた。こういう視点がまさに防災の視点だと強く印象に残った。


命が助かれば最低限いいが、できるなら財産も守りたい。そういう気持ちを真摯に受けとめてくれる専門家がいることに、ボクは少しうれしくなった。


もう1つ印象に残った言葉。
地震は避けられないが、津波と噴火からは助けられる
直下型地震の対策は建物の耐震性アップ、海で起きた地震は100%津波警戒。
これだけでだいぶ心構えが違うと思った。

カテゴリ:北海道・札幌 |

コメント

岡田先生は、何度かお目にかかった事があります。
第一印象は、「あら、意外と背が小さい...」(^^;。
やって居られる事、過去の功績が偉大なので、何故か背も大きいと... んな訳無いですよね(^^;;;。
岡田先生の考え方は、正直すばらしいと感じています。
いくら噴火予知をして「逃げてください!」と言っても、自分の事を信用してくれなかったら、逃げてもくれないし、人も助からない。だとしたら、研究自体が無駄。
研究と同じかそれ以上に、自分を信頼して貰えるような普段の地域に根ざした行動・貢献・教育が大事。それで「岡田さんが言うなら」と逃げてれるようになれば、やっと研究が生きる。
大学教授にもこんな方がいらっしゃるんだ!
有珠山の奇跡は、この人が作ったんだ!
と思いました。

なべやん(2011-07-22T22:09)

そうなんです。ボクね、大きな声じゃ言えないけど(ってここで書いたら公開発言だけど)同感ですよ。
ところで十勝岳の噴火予知がらみですか?

まるへん(2011-07-22T22:36)

噴火余地と言うよりは、それこそ防災絡みですね。
岡田先生は様々な組織主催のツアーで、弊社の博物館見学を組み込んで頂き来て頂いています。

なべやん(2011-07-25T19:34)

そうなんですか。地球物理と防災工学の両方がわかる方ってキーマンですね。よくわかりました。

まるへん(2011-07-25T22:28)

コメント

PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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