2010年12月01日(18:59)
札幌の住宅会社はシンクロ・スイミングのように華麗で過酷
水面では華麗な舞いと笑顔で美しさを競う一方、水面下では上半身のバランスを維持するために全開で運動している。
札幌圏以外の住宅会社・建築会社のなかには、
「札幌の市場は甘い」
とか、
「札幌の住宅会社はラク」
といったいい方をする社長さんがいます。また、札幌に転勤してきた建材メーカー筋の方も、最初の数ヵ月は
「札幌の住宅会社は努力不足。札幌圏以外はがんばっている」
と評する人がいます。
確かに札幌圏の住宅会社は、『こだわりを持って家を建てていない』『家の内容の割に価格が高い』面がありますから、「俺ならもっとローコストに建てられる」とか、「強烈に差別化できる」と考えるのもわかります。
しかし、ボクは
「そうではないと思いますよ」
とお話しします。
「むしろ札幌がもっとも厳しい市場である」と。
なぜなら、札幌はユーザーから住宅会社に声がかかるまでが、もっとも大切な勝負だからです。
どうやって購入希望者に自社の存在を知ってもらうか。そこでもっとも激しい競争が繰り広げられています。
しかし、それは水面下の出来事なので、水面だけを見ていては気がつきません。
先月末(昨日)、札幌に出先を構えたある住宅会社が破たんしました。原因は単純ではないと思いますが、進出2年目くらいから建売がパタリと売れなくなり、多くの在庫を抱えていました。社長は最初「土地の仕入れはきわめて順調。札幌は甘い」と言っていたようです。
地方から札幌へ進出する企業は、今後も増えると思います。少々のやけどならいいですが、大事になっては元も子もありません。そんなことを思った師走の1日でした。
なお、このことは新聞記事にもしたことがあります。
https://www.iesu.co.jp/article/2010/04/20100425-4.html
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