2010年01月22日(13:47)
小宮山宏先生
東京大学の元総長で三菱総研理事長の小宮山宏氏が10年も前に提唱した小宮山ビジョン2050が再び注目を集めている。これまでも政府委員などを務めてきた同氏の主張に変化があったのではない。世の中が変化したのだ。CO2削減をめぐる議論に大きな変化が現れたのは、同氏の主張に政府が注目したからだとの見方が出ている。
その主張とは。今を去ること10年も前、岩波書店から「地球持続の技術」という新書が発行された。恥ずかしながら、小生もこの本をごく最近知った。はじめにという前書きが6ページある。その3ページまで読み進めて、胸が熱くなった。
「いま必要なことは、未来のある時点で社会がこういう状況になっていれば地球は持続できるというマクロなビジョンを共有した上で、その中にリサイクルや太陽電池といった個別の活動や技術を位置づけて評価することである。現在欠けているのは、そうしたマクロなビジョンなのではないだろうか」と語りかける。
こういう視点で地球温暖化について書かれた本を読んだのははじめて。例えば『太陽光発電はこれだけすごい』的な話はたくさんあるが、われわれが目指すべき方向を定め、自画自賛状態の技術(商品・サービス群)を整理し、それぞれの立ち位置を明解にしたことがすごい。しかも文章がシロウトにもわかりやすく平易。なにより、日本人が失いつつある自信、それは技術立国としての将来の不安だと思うが、そういった不安を一掃し、自信が回復する。
この1冊は必読だ。
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