2009年11月28日(22:02)

鶴岡駅に戻ってきました。

このエントリーは、11月7日、鶴岡駅の待合室で書いたものですが、モデムがつながらずアップできませんでした。それから3週間。いまケーブルテレビでは「清左衛門残日録(小説名:三屋清左衛門残日録)」が放映されています。


が、その前にお寺を2刹みてきました。
1カ所は龍覚寺といい、小説「蝉しぐれ」の舞台で、主人公・牧文四郎が父親と突然のそして最期の別れをするために出かける寺です。
主人公は養子なので血のつながりのない養父なのですが、心から実の父のように慕っていました。その父が罪人として処罰されるのです。
自分はかなり大きなお寺を想像していました。小説の中では罪人はかなりの数に上り、その最期の面会の寺ですから、畳敷きの間がいくつかあって・・・。
しかし実際は大きな寺ではありませんでした。


もう一つ、般若寺は、用心棒日月抄の最終連載となる「凶刃」で、実名で出てくる寺です。この寺で、海坂藩の忍者組織・陰足組の頭領が全員に組の解散を言い渡すのです。
想像では、秘事を伝えるための寺なので、荒れ寺か小さなお堂程度を予想していたのですが、実際は墓地も持った大きな寺でした。
つまり、ぼくの予想はこの2カ所に限っては真逆だったのです。


それ以外は小説を読んで頭に思い描いていたとおりのたたずまいが、それ自体とても不思議なことですが、実際に存在していました。これは藤沢周平という作家の情景描写の秀逸さによると思います。もう一つ付け加えるなら、鶴岡というまちが、昔の空気をよく残したしっとりしたまちとして、2009年まで続いてきたということだと思います。


小説の舞台をめぐる旅は終わりました。

カテゴリ:北海道・札幌 |

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PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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