市民向けの啓もうセミナーとリフォーム事業者向けの断熱リフォーム技術提供を行っているあったかリフォーム倶楽部(繪内正道会長、北大名誉教授)は、9月6日㈯、札幌市東区で、同会として初の取組となる子育て世代向けリフォームセミナーを開催。用意した30席がすべて埋まる盛況だった。
同会がこれまで12回開催してきたセミナーは長年住み慣れた家を快適にするための方法で、対象はシニアだった。今回は、中古住宅を購入・リフォームして初めてのマイホーム生活を始める子育て世代を想定し、中古住宅購入前のチェックポイントと、内装工事といっしょに行う断熱改修を説明。参加者からは質問も飛んだ。
中古住宅購入と同時に行うリフォームは、あまり予算がない場合も多い。これまで断熱住宅受注がメインの会社は、新築並みの断熱・気密性を保証できるフルリフォームか、気密に手をつけないかのどちらかしか選択肢を示さない場合が多い。講師を務めた高杉昇氏は「工務店側の事情は、簡易な気密改修では効果を説明・保証できず、不安だから、本格改修以外の提案を行わないのだと思うが、一方消費者側はちょっとでも暖かく快適になればいいと考える人もいる。技術的には、充てん断熱工法の改修は壁内に気流止めを入れればよいわけで、その工事費を積算するとさほど費用は必要ない。もちろん、耐震診断など建物チェックを行って現状を把握することが前提だが、クロスの張り替えと同時に気流止め施工を行えば、省コストなリフォームも可能だ」と語る。
メインのセミナーの前には、戸建住宅をフルリフォームして1階でカフェを開業したオーナーによるリフォーム体験記のトークが行われた。
【写真】
上:たくさんの参加者で埋まった会場
下:気流止め施工の方法