本紙は日本スティーベル(株)との共催で、5月20日札幌、21日帯広で「省エネ住宅・設備セミナー2014」を開催。両会場とも多くの参加者が講師の話に耳を傾けた。電気料金など燃料の値上げのなかで、高断熱住宅の設備と提案方法について、講師の西郷徹也氏が解説した。概要は以下の通り。
省エネ性能面ではルームエアコンがとても優れている。例えば、2.2kW(6畳用)タイプの暖房時定格出力は400Wあまり。これは、テレビ・冷蔵庫・温水暖房便座の合計と変わらない消費電力だ。また、価格が安いことも魅力。
ただ、弱点として、暖房エリアが限られ、快適性で厳しい面がある。空気で熱を運ぶため、風が当たると不快だったり、熱を遠くまで運ぶことができないという弱点をどう補うか。
これまでの検証から、断熱住宅ならこれらの欠点を抑えられることがわかっている。ルームエアコンを全室暖房用に24時間運転すれば、断熱住宅なら暖かさをじゅうぶん維持できる。
エアコンを補足する技術としては、建物に蓄熱容量を持たせること、そして薄いエネルギーで輻射暖房をする床暖房などと組み合わせる方法がいい。
エアコン暖房する場合は、家の暖房負荷を小さくするために熱交換換気を導入するほうがよい。注意したいのは、熱交換換気を通らない自然漏気による熱損失を抑えることだ。住宅の気密性能が最低でもC値で1.0以上あること、給気側と排気側の換気量を同じにすることだ。
気密性能が重要なのは、いうまでもなくすき間換気を減らすためだ。同じ理由で、配管の圧損抵抗が大きくなりやすい給気側の換気量が低下すると、すき間からの自然給気が増えてしまい、結果として熱ロスが増える。給気・排気ともに同じ風量を維持する機能を持ったシステムを選ぶべきだ。
最後に熱交換素子を凍結から守るデフロスト(氷結防止)運転だが、0℃以下になる寒冷地では、どんな熱交換器でもデフロスト運転が行われる。ただ、その方式には数通りのやり方があり、現時点ではどの方式が優れているとは言えないので、ビルダー側がその特徴を理解して選ぶ必要がある。
講演の後には共催した日本スティーベル(株)と協賛メーカーの日立アプライアンス(株)が最新の製品情報をプレゼンテーションした。
新聞記事
2014年06月15日号から
20日札幌、21日帯広で西郷氏 ルームエアコンの長短所わかりやすく
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