紺野建設(十勝・清水町、紺野宏社長)は施主向けに、設備機器の使い方、メンテナンス方法などを中心にした「取説ビデオ」をこのほど作成し、DVDにして手渡した。顧客サービスの一環として、今後引き渡す住宅には1戸1戸個別に制作する予定だ。
10年前、20年前と比べると、住宅の設備機器は自動制御や多機能化が進み、便利になった反面、引き渡し時の取扱説明に要する時間が長くなっている。説明する住宅会社側も大変だが、それを聞く施主側も聞いた内容をすべて理解し、記憶するのは難しい。
そこで紺野社長は暖房、換気、水回り設備などの取扱方法を動画で説明する「取説ビデオ」を制作して施主に手渡すことで、後で取扱方法やメンテ方法がわからなくなってもビデオを見れば施主が自力で解決できると考えた。
当初は一般的な設備の使い方をDVDで制作したら、あとはコピーして施主に渡すことを考えていたが、仕様は施主によって大きく異なるため、邸別に制作することにした。まずは引き渡し時に施主に対して行う説明場面をそのままビデオ撮影し、後から編集してDVDにした。
今回引き渡した住宅は、パッシブ換気と第1種熱交換換気を併用しており、換気部材の役割説明や注意事項を念入りに、また熱交換換気のメンテもきちんと説明する必要があった。キッチンは安全センサー付きガスコンロと多機能ガスオーブンで、こちらも注意事項が多く、説明が必要だった。
パッシブ換気部材や食品庫、レンジフードのお手入れなどの説明は紺野社長や工事管理担当の山本義和さんが行い、暖房・給湯や換気は設備工事会社が、キッチンのガスコンロはガス会社が、ブレーカーや配電盤の説明は電気工事会社が行った。全体は19のチャプター(小項目)からなるが、再生時間の合計は約30分ほどに抑えている。
ビデオ撮影は、業務で使用しているタブレットPCで行うなど、特別な機材は使用していない。ただ、引き渡し時の説明場面をそのまま撮影しているため、カメラアングルが難しかったり、屋外の説明では音声がうまく聞き取れないなどの問題も見つかった。また、わかりやすくするために随所随所に文字テロップを付け加えるなど、編集作業に少し時間がかかったという。
DVD制作を担当した山本さんは、「次からは、DVD用の説明を別撮りすることで見やすさ、わかりやすさが改善され、制作の手間も軽減できると思う。既に次の制作予定も入っており、今後も作っていきたい」と話している。
新聞記事
2014年04月05日号から
住宅の取説ビデオ制作
複雑な使い方をわかりやすく 十勝・紺野建設
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