新聞記事

2013年12月25日号から

土屋ホームトピア 都市部の営業強化とMSに注力 菊地社長に事業の現状と今後を聞く

20131225_01_01.jpg リフォーム専門企業として、道内を始め全国で営業展開を進めている(株)土屋ホームトピア(本社札幌市、菊地英也社長)。新築業者の参入や国の既存ストック重視の政策が進みつつあるリフォーム市場で、断熱・耐震リフォームを得意とする同社はどんな戦略を描いているのか。菊地社長に話を聞いた。

―消費増税を控えた今年は、どのような事業を進めてきたのでしょうか。
 今年特に力を入れたのが、都市部の営業強化です。特に首都圏と東北を重視し、首都圏は軽井沢に拠点を設けたのが大きなポイントでした。これまでの経験から、アベノミクスによる株価上昇の恩恵を受けた別荘のオーナーが改修に動くと予測しましたが、思った以上の成果を挙げることができました。
 東北は、最大都市・仙台の3営業拠点を1つに集約。経費を抑えつつスタッフが一丸となって仕事をできる環境を整えました。今後も札幌並みに宣伝広告も強化していくつもりです。

―道内はいかがでしたか。
 道内ではマンションと太陽光発電に注力しました。マンションリフォームは、札幌では30〜40年前に建ったマンションに暮らすお客様のライフスタイルが変化する時期にきており、間取りや内装を一新したり、古くなった設備を交換しようという動きが出てくると考えました。担当するスタッフの人数が限られていたため、当初の予想より受注は伸びませんでしたが、先日札幌市内で行ったセミナーでは、82組115名が来場。ニーズは十分あるという手応えがあり、戸建てと違ってどこに頼んだらいいかわかりにくいマンションリフォームの需要掘り起こしは十分可能だと思いました。
 太陽光発電は戸建てだけでなく、企業やビルのオーナーなどを対象とした事業用の太陽光発電も進めていますが、定期的にセミナーや自社の社屋に設置している太陽光発電の見学会を行ってきたことで、先月後半くらいから採用の動きが出てきました。

―今年は九州・福岡にも営業拠点を開設しました。
 東京と同様に福岡は、断熱リフォーム・耐震リフォームのノウハウが活かせる地域と考えています。
 東日本大震災以降は、温暖地のお客様も断熱・耐震性能がしっかりした家を建てて、エネルギーを極力使わないようにすることが大切だと考えるようになってきました。暖かい地域でも断熱・遮熱という当社の得意とする技術を活かしていく環境が整ってきたと感じています。

―今後のリフォーム市場をどう予測し、どんな手を打っていきますか。
 来年のリフォーム市場も、今年とそれほど変わらないのではないでしょうか。今は消費増税前の駆け込みが多少あり、来年3〜4月までは今年の受注残の影響が残りそうですが、その後はお客様の動きがいったん止まり、6月くらいから緩やかに回復していくと思います。
 そのような中で、当社は引き続き都市部での強化と、需要がまだ開拓されていないマンションに力を入れていきます。道内・札幌圏も同様です。
 また、来年度は国も長期優良リフォーム推進事業を創設するなど、既存ストックの優良化を加速させる方向ですが、それは当社が目指す方向と変わりませんし、過去に長期優良住宅先導事業で2年続けて採択された実績もあることから、積極的に関わっていきたいですね。


2013年12月25日号から

読者のつぶやき

もう消費税8%の見積りが
オホーツク 工務店 社長

 消費税が上がるのは来年4月からですが、先日、外構工事の見積りを頼んだら、すでに消費税が8%になっていました。確かに舗装などの工事はもう年内にやることが難しく、来年雪解け以降になるのはわかりますが、駆け込みで仕事が好調に推移し、多忙を極めていた中で、急に消費税が8%に上がるという現実を目の前に突き付けられた気分です。もう消費増税後の仕事確保を真剣に考えないといけませんね。

旭川でメガソーラーって大丈夫?
旭川市 住宅会社 社長

 今や全国各地でメガソーラーが設置されていますが、太陽光発電には適さないと言われている旭川でも高校跡地でメガソーラーが完成し、発電を開始しました。ただ、これまで太陽光発電を設置した市内の住宅で、冬場に十分発電しているという話を聞かないのに、メガソーラーがうまくいくのかという疑問もあります。でもうまくいったなら、それはそれで住宅に太陽光発電を設置する際の参考になりそうです。


2013年12月15日号から

熱源見直しと増税後の市場戦略 2013年業界総括

20131215_01.jpg 来年4月に消費増税を控え、2013年の住宅市場は戸建て・マンションを中心に需要が増加。国は省エネ化や中古流通の活性化へ向けた動きを加速させた。そんな中でハウスメーカー・工務店は、電気料金値上げをきっかけとした熱源・設備の見直しと、増税後を見据えた商品開発・ブランドづくりに動き出した1年だったと言える。ここで今年の道内住宅業界を総括してみたい。

続きは、以下のページから伝言欄に「12月5日号の見本も希望」とご記入の上、試読紙をお申し込みください
https://www.iesu.co.jp/publication/newspaper/


2013年12月15日号から

読者のつぶやき

◆やりたい仕事ができる幸せ
札幌 工務店 社員

 大工になりたくて工務店に入り、以来ずっとこの業界で働いています。給料の額とか、職場環境とかを考えるとサラリーマンの方が良かったかもしれませんが、作るのが好きで、施主の要望を聞きながら作って納品することができるわけですから、納品するたびにいちいち嬉しい。だからやめたいとは思わないというか、性に合っている気がします。


2013年12月05日号から

リフォーム市場の挑戦者たち

20131205_01.jpg 今後予測される新築住宅着工の減少や、国が進めている既存ストック重視の住宅政策への対応など、リフォーム業界は大きなターニングポイントを迎えている。そのような中、独自の視点と戦略で新たな市場を切り拓くリフォーム会社4社を取材した。

続きは、以下のページから伝言欄に「12月5日号の見本も希望」とご記入の上、試読紙をお申し込みください
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2013年12月05日号から

アルミ蒸着シートを付加 遮熱機能付き押出スチレンボード

JSP tel.011-231-2681
20131205_02_01.jpg (株)JSPでは、同社の押出スチレンボード「ミラフォーム」と高性能グレードの「ミラフォームΛ(ラムダ)」の片面または両面にアルミ蒸着シートを貼った断熱材「DDSボード」を発売しており、このほどミラフォームΛをベースにした75mm厚品が加わった。
 DDSボードは、表面のアルミ蒸着シートにより夏は遮熱効果があり、冬は室内の暖房熱を反射して暖房効率を良くする。このほか、紫外線も遮断することから、押出スチレンボードの耐久性向上にも効果があるという。
 道内でも徐々に採用例が増えており、充てん断熱と併用して北方型ECO基準を上回る断熱性能の住宅を建設し、「遮熱効果が他の類似建材よりも高い」と評価するビルダーもある。
 製品は受注生産で、厚みは25mm、30mm、40mm、50mmのほか、75mm品も加わった。幅は910~1030mm、長さは1820~3030mmの間から選べる。また、アルミ蒸着シートは両面張り、片面張りどちらでもOK。
 価格は、オープン。

【写真】
DDSボード75mm厚品のサンプル
 


2013年12月05日号から

塗り壁で木造にRC並み蓄熱性 PCM蓄熱材「e-プラスター」発売

20131205_03_01.jpg 木造住宅にRC住宅並みの蓄熱性をもたらす世界最先端の技術が、北海道内で実用化にこぎ着けた。PCM蓄熱材と呼ばれる素材を調合した塗り壁材「e-プラスター」を室内の壁面に施工することにより、冬でも好天時に起きる室内のオーバーヒートがなくなり、快適性と同時に省エネルギーを実現する。
20131205_03_02.jpg 木造住宅は蓄熱性能が低いため、100㎜断熱クラスでも3月以降になると好天時に室温が30℃に達し、オーバーヒートを起こしてしまう。ところが日が陰って夕方になると一気に室温が低下する。土間蓄熱や基礎断熱で少しは蓄熱性を高めることができるが、大きな解決にはなっておらず、高断熱化をすすめる上でも課題となっていた。
 PCM蓄熱材は、特殊でミクロ単位の小さいカプセルの中にろうそくと似た成分のパラフィンを封入した素材。周囲の温度が上がると固体だったPCMがカプセル内で液体に変化する。このときに熱を吸収し、温度の低下によって固体から液体に変化するときに熱を吐き出す物体の性質を利用して、室内がオーバーヒートする前に吸熱、室温が低下を始めると放熱することで室温を安定させる。
 蓄熱性能は調合によって変えることができ、蓄熱量はセメント・モルタルの6~9倍にもなるという。
20131205_03_03.jpg 施工方法は、一般的な塗り壁材料と変わらない。塗り厚2㎜程度で室内250~300㎡に施工する。試験施工の結果によると、薪ストーブを暖房熱源とする家で、12月中旬から翌5月中旬までの室温は16~26℃の間で推移し、温度コントロールの難しい薪ストーブ熱源でも30℃を超えることがなかった。塗り壁材としては吸放湿性能もあるため、調湿効果も発揮する。
 11月22日には札幌でセミナーを開催し、道外からも参加者を集めた。当日の講師を務めた開発者の石戸谷裕二氏(工博、室内気候研究所主席研究員)は「これまでに21棟の試験施工によって成果を検証し、室温安定による快適性向上と同時に、同じQ値の住宅ならe-プラスターを施工した住宅のほうが暖房エネルギー消費を減らせることがわかってきた。高断熱・高気密技術を前提に、PCM蓄熱材を活用することでエネルギー依存度が低い家をつくることが可能になる」と説明した。なお、経年劣化は、住宅の寿命と同じ50~60年のスパン、年内には準不燃を取得できそうだという。
 自社の設計住宅で試験施工した宮島豊氏(㈱フーム空間計画工房)によると、e-プラスターを施工した物件とその他の物件では、暖房エネルギー消費にハッキリと差があり、設計Q値から計算した暖房エネルギーの削減効果は2割強に及ぶという。
 問い合わせは室内気候研究所へ(北広島市稲穂町西7丁目2-4、tel/ fax. 011-372-9092)。

[写真上から]
セミナーで講演する開発者の石戸谷氏
当日は施工のデモも行われた。色粉を混ぜることも可能という
フーム空間計画工房の施工例。Q値1.24Wの家がQ1.0W相当の省エネ性能をたたき出しているという


2013年12月05日号から

フッ素塗装で高耐久化 金属サイディングなど改良し発売 アイジー工業

20131205_04_01.jpg アイジー工業(株)は、2008年に発売した金属サイディング「ガルスパンSEi」を改良、耐候性と遮熱性能の高いフッ素樹脂塗装を採用し「ガルスパンSEiフッ素」として来年2月から発売する。また、鉄骨造向け金属サンドイッチパネル「断熱ヴァンドDS型35 スパン450」もモデルチェンジ。フッ素樹脂塗装仕上げと不燃材料認定を新たに取得して「断熱ヴァンドDS型35VN スパン450」として来年1月から発売する。
 ガルスパンSEiフッ素は、シャープでエッジの効いた縦張りのストライプデザインが特徴。フッ素樹脂塗装の採用で、紫外線による変色、褪色から塗膜を守り、10年保証も付く。このフッ素樹脂塗装は遮熱性能もプラスされており、日射による表面温度の上昇を抑える。なお、ガルスパンシリーズは今回のモデルチェンジで全シリーズフッ素樹脂塗装が採用された。防耐火認定は、木造軸組で45分準耐火構造や準防火構造などを取得済。
 カラーはFネオブラック、Fレイクブルーメタリックなど全7色。標準品は長さが3,000mmと4,000mmの2種類。設計価格は5,400円/m2(税別)。
 断熱ヴァンドDS型35VN スパン450は、不燃材料認定(NM-3691)を取得し、用途の拡大を狙っている。フッ素樹脂塗装の採用により、色調変化が起こりにくく、20年保証付き。このほか、施工時の取り付けビスが隠れるボルトレス仕上げや、シャープな角型ストライプを基調とした意匠で建物の外観を美しく仕上げる。
 カラーは、シルバーなど全3色。本体の働き幅が450mm、厚さ35mm、長さは1,800~9,000mmまで1mm単位でオーダー可能。設計材工価格は2万円/m2(税別)。

【写 真】
[左]ガルスパンSEiフッ素
[右]断熱ヴァンドDS型35VN スパン450


2013年12月05日号から

ナラ材並みの強度と硬さ トドマツの圧密フロアを参考出展 松原産業

20131205_05_01.jpg 松原産業(株)(本社栗山町)は、トドマツなど道産針葉樹に圧力をかけて圧縮することで曲げ強度や硬さを広葉樹のナラ材と同等以上に強くした床材「ミューロフロア」を11月7日・8日に札幌市内で開かれたビジネスEXPOで参考出展した。
 道内では、戦後植林されたトドマツなどの人工林が主伐期を迎え、その用途開発が課題となっている。
 針葉樹フローリングは現在も販売されているが、ナラなどの広葉樹に比べて柔らかく、キズもつきやすかった。
 新開発した圧密化技術で、ナラ材と同等レベルの強度と狂いにくさを実現。今後貴重になる道産ナラ材などの代替品としてアピールしたい考え。
 デザインは、NC加工機を使って波打った形や多角形など、変わった形のフロアが用意されている。
 価格は未定だが、「ナラ材より安く設定できれば、需要はけっこうあるはず」と話している。


【写真】
ビジネスEXPOで展示されたミューロフロア
 


2013年12月05日号から

読者のつぶやき

「どうします?」ではダメ
道央 工務店 社長

 このところフランチャイズの規格型住宅では、プランや仕様を思い切って絞り込んだ商品が目に付きますが、それはある意味正解だと思います。打ち合わせの時、「ここはどうします?」「これはどれにします?」という話が続くと、お客様は追い詰められている気持ちになってしまうからです。当社では「これがいいですよ」と、お勧めのプラン・仕様を、こちらから積極的に提案するようにしています。

工事が間に合わない
札幌市 建材メーカー 課長

 今年の当支店の売上は、単月で3回も過去最高を記録しました。おそらく他メーカーさんも好調なんだと思います。そうなると当然、工事される方も相当な忙しさのはずです。現場では、人手や天候の問題で工期がズルズル延びたり、突然の雪などに備えて工期の延長を見越して足場を長めにレンタルするので、足場の在庫が不足。など、大変なようです。来春までバタバタが続きそうな気がします。


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