国土交通省住宅局は去る2日、札幌市内で住宅関連税制とすまい給付金の説明会を開催し、約400名が参加した。当日は、住宅生産課の永田課長補佐が参加者に配られた解説テキストに沿って説明した。
業者の代理受領も可能
住宅代金の一部に充当できる
すまい給付金とは、来年4月に予定されている消費税率の引き上げに対し住宅取得者の負担増を抑えるため、一定額の現金を給付する制度。ただし、ローンを全く使わない場合は年齢50歳以上という条件がつく。平成29年末までの時限措置。新築住宅だけでなく一部の中古住宅も対象となる。基本的には建て主が住宅完成後に受け取るが、住宅事業者が引き渡し時の住宅代金の一部として受け取る代理受領も可能だ。
新築の場合は、自ら居住し、床面積が50㎡以上であること。そして、住宅瑕疵担保責任保険や建設住宅性能表示制度などの利用で工事中に検査を行って品質が確認できる住宅が対象要件となる。中古住宅は、土地のみの取引や、不動産会社が個人間売買を仲介する場合は対象外となる。また、売買時に既存住宅売買瑕疵保険や既存住宅性能表示制度の利用が条件。
政府は、住宅ローン減税の拡充と併せることで、かなりの程度税率アップの差額を吸収できるとしている。税率8%時の場合、年収によって10万円、20万円、30万円と給付金額が3段階に分かれている。この給付金額を決めるのは、実際は道税の納付額が基準となる。たとえば年収510万円以下とされているのは、専業主婦と夫に16歳未満の子供がいる場合。これが夫婦共働きで子供が16歳未満の場合や単身世帯では約463万円以下しか対象にならない。逆に専業主婦と夫、16歳以上の子供1人の家族構成では年収制限が約558万円に緩和される。
区分所有の場合は別々に算出
また、夫婦が住宅を区分所有する場合は、それぞれの年収水準から算出した給付金額を区分所有割合で掛けて算出する。たとえば、夫が20万円、妻が30万円の給付金対象となる年収区分で、区分所有割合が1/2ずつの場合、20万円×1/2+30万円×1/2=25万円となり、夫だけの時よりも給付金総額がアップする。ただし、申請書類は夫、妻それぞれが作成する必要がある。
なお、現金のみで購入する場合は、ローン減税拡充の恩恵を受けられないため、対象を50歳以上に限って年収目安を650万円以下まで広げる。一定の住宅の質を確保するため、現金購入の場合のみ、フラット35Sの技術基準をクリアする条件が加わる。
このほか、住宅関連の減税措置では、来年4月以降に税率8%となる住宅の取得から、ローン減税の借入対象額が現行の2000万円から4000万円に大幅アップ。控除率は1%と変わらないが、住民税からの控除上限が引き上げられている。また、長期優良住宅や低炭素住宅はさらに限度額が1000万円アップする。
なお、すまい給付金ホームページでは、今回使用した解説テキストやパンフレットをダウンロードできるほか、すまい給付金とローン減税の総計をかんたんにシミュレーションできる。
http://sumai-kyufu.jp/index.html