新聞記事

2013年02月15日号から

省エネ新基準告示。施行は10月 2015年3月末まで旧基準適用も認める

 去る1月31日、外皮平均熱貫流率=UA値と冷房期の平均日射熱取得率=ηA値、一次エネルギー消費量で判断する省エネ新基準(エネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準)が告示された。住宅の施行は10月1日からで、2015年3月31日までは経過措置として旧基準(次世代省エネ基準)の適用も認める。建築物の施工は4月1日から。
 住宅は、省エネ性を熱損失係数=Q値ではなく、UA値とηA値、暖冷房・給湯・換気・照明・家電等の一次エネルギー消費量で判断する基準となった。ただし、北海道・東北・信越などはηA値の基準値を、沖縄はUA値の基準値を定めていない。
 UA値は住宅全体の総熱損失量を建物外皮の面積で割った値で、Q値と同じく値が小さければ小さいほど断熱性能が高いことを表わす。断熱性能の水準としては次世代省エネ基準程度。
 一次エネルギー消費量は、設計時の断熱仕様と暖房・冷房・給湯・換気・照明・家電等の設備をもとに設計消費量を算出。次世代省エネ基準相当の躯体に2012年時点で一般的な性能の設備を組み合わせた時の消費量(=基準消費量)を下回れば、基準クリアとなる。太陽光発電を設置する場合は、自家消費分の発電量のみ設計消費量から差し引くことが可能。
 また、地域区分を改め、Ⅰ?Ⅵ地域を1?8地域とし、道内は主に道北・道東を中心とした1地域と、道央・道南を中心とした2地域に分かれる。函館など道南の一部地域は3地域に区分される。
 なお、長期優良住宅認定制度や住宅性能表示制度の省エネ対策等級は、来年度に省エネ新基準への対応が決まる。改正基準が反映される時には、現行の等級4基準の上に等級5として低炭素建築物認定基準が用いられるとの見方もある。

 省エネ新基準の告示にあわせて、外皮平均熱貫流率(UA値)と冷房期の平均日射熱取得率(ηA値)をパソコンで計算できるプログラム「住宅の外皮平均熱貫流率及び外皮平均日射熱取得量(冷房期・暖房期)計算書」が、?住宅性能評価・表示協会から公開された。ホームページからダウンロードできる。
 このプログラムは、Q値計算ソフトのQPexと同じく表計算ソフトのエクセルを使用。住宅各方位の壁面・窓や屋根・床・基礎ごとに、面積と熱貫流率、熱抵抗値などを入力すると、UA値とηA値などが自動的に算出される。

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 住宅の外皮平均熱貫流率及び外皮平均日射熱取得量(冷房期・暖房期)計算書ダウンロード・http://www.hyoukakyoukai.or.jp/teitanso/gaihi.html


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