新聞記事

2013年02月25日号から

保存版特集 断熱施工の要点と高断熱化

20130225_02_1.jpg北海道や東北など寒冷地では、エネルギー価格の高騰に備えるとともに、省エネ設備に過度に依存しない家づくりとして、高断熱化が進んでいます。今回は2012年に連載した特集を再編集し断熱施工の要点に絞って別刷り保存版としました。

2面 断熱施工の要点
 その1 グラスウールは高性能16K使う 
 その2 剛性ある材料で床断熱受ける

3面 断熱施工の要点
 その3 天井断熱はブローイング工法で施工
 その4 気密施工を簡略化できる桁上断熱
 その5 屋根断熱は棟木の先張り忘れずに

4面 付加断熱の施工
5面 200mm断熱の施工(下地)
6面 200mm断熱の施工(入隅・出隅)
7面 200mm断熱の施工(土台・軒) 300mm断熱の施工

pdfデータをダウンロードしてご覧いただけます。
ファイルは約3.5MB
ダウンロードはこちら


2013年02月25日号から

新品を古く見せる エイジングにブームの予感

20130225_01.jpg2001年にオープンしたテーマパーク・東京ディズニーシーとユニバーサル・スタジオ・ジャパンに、エイジング塗装が本格的に使われた。その後、一般店舗の内装や住宅にまで用途が広がっている。その魅力と道内での現状を取材した。

若い世代のレトロ志向にマッチ

20130225_01_2.jpg エイジング塗装とは、新品の建材をまるで古びた建材のように見せる特殊な塗装技術だ。テーマパークでは、欧米の古い街並みの再現に使われた。それは単に木質建材や建具を古く見せるだけでなく、木材を鉄のように見せたり、モルタルをブリック仕上げのように見せるなど、幅広く応用されている。
 また、長引く景気低迷で過去を懐かしむレトロ志向が若い世代の消費者の間で増えてきた。デザイナーズブランドの服よりも古着を着こなしたり、古民家風や南欧風の飲食店に人気が出るのも同様。

店舗でいち早く採用
低コストで表現力アップ

 この技術を最初に積極的に使うようになったのが、デザイン性の善し悪しが売上アップも左右する店舗内装だ。商業施設や店舗などの塗装工事を得意とする井原塗装㈱(札幌市、井原啓太社長)は、井原社長自身がエイジング塗装の導入を決断。札幌エスタなど人の集まる商業テナントの内装で採用され、飲食店やアパレルショップなどで多く使われている。大型の案件では東京に応援部隊を頼むこともある。
 特にここ2、3年は目立って増えており、内装デザインを担当するデザイナーがエイジング採用を決めることも多いが、予算を抑えて見栄えを良くするため採用されることもあるという。井原社長は、「普通に新品の建材を使っても、安い建材だと表現の幅が限られ、見栄えがしない。安っぽさをうまくカバーする方法としてエイジング塗装にニーズがある」。
 エイジング塗装の技術は建材だけでなく、古い家具の再生にも使われる。塗装が剥げたりキズが付いた古い家具に再塗装をするとき、新品のように仕上げるのではなく、エイジング塗装することで美しく年月を経た状態を再現することができる。
 「エイジング塗装は技術も必要だが、最終的にはその人のセンスや観察力が大事だ」という。たとえば、ドアノブ回りの汚れはどのあたりがひどくなりやすいかなど正確に観察していないと、「汚らしく見える」など逆効果になることも。

続きは、以下のページから伝言欄に「2月25日号の見本も希望」とご記入の上、試読紙をお申し込みください
https://www.iesu.co.jp/publication/newspaper/


2013年02月25日号から

読者のつぶやき

今年はいつから着工増える?
札幌市 建材メーカー 支店長

 住宅新聞には、今年は道内着工がかなり増えそうな予想が書いてましたが、われわれが特に知りたいのは「いつから着工が盛り上がるか?」です。会社の都合と言えばそれまでですが、期末に向けてムダな在庫は持ちたくない。かといって、需要が急に増えて供給が追いつかなくなるとお客様にご迷惑をかけ、挙げ句の果てに他社にお客様を取られてしまうことになります。

クレーム言ってくる会社の特徴
札幌市 輸入商社 社長

 同じ建材を納入していても、クレームが出やすいビルダーってありますね。正月休みに電話が何度もあって困ったことこともあります。これまで現場を見た経験で言うと、ほぼ間違いなく施工不良ですね。こちらの指定する施工法を守ってくれないのです。年間数十棟やってるビルダーはこれまで長いお付き合いでクレームが全然ないのに、新しく取引した小規模なビルダーでクレームが続発したことも。


2013年02月16日

3月15日札幌、19日函館「常識を覆すコラボ住宅セミナー」

 昨年に続き第2回目となる「常識を覆すコラボ住宅セミナー」が3月15日(金)札幌、19日(火)函館で開かれる。
 力強い住宅会社・工務店経営を進めていく上で大切な「情報」について、住宅業界の常識が本当に正しいのか、という点からはじめて、革新的な技術や業務改善の方法を提案する。主催は本紙ほかジャパンホームシールド、日本住環境、福井コンピュータアーキテクトの4社。
 講演内容は以下の通り。
札幌会場はゲストに日成コンサルティング(株)社長で税理士の吉川孝氏を招き、「事業承継」のための自社株対策を切り口に、豊富な経験から事業承継の常識に切り込む。
 函館会場は、雨もりゼロへの挑戦を続ける(有)樋口板金社長の樋口健人氏を招き、雨仕舞の盲点を指摘する。
 両会場とも参加費は1人1,000円。申込は以下の申込書に必要事項をご記入の上本紙または主催企業へ(fax.011-717-1770)。
2013_03collabo.doc
 
【内容と講師】
● 地形から潜在リスクを考える「地盤屋の挑戦」
       ジャパンホームシールド(株) リーダー 小野寺 貴夫
● 防水・一次消費エネルギー削減を!「換気設備屋の挑戦」
       日本住環境(株)札幌支店 支店長 橋田 昌之
● 決断できない第1次購買層を掴め!「CADメーカーの挑戦」 
       福井コンピュータアーキテクト(株) 上席主任 松谷 啓佑
● モンスター消費者と仲良くなる!?「新聞やの挑戦」 
       (株)北海道住宅新聞社 代表取締役 編集長 白井 康永
●※札幌会場:賢い社長は事業承継税制を使え!「変な税理士の挑戦」
       日成コンサルティング(株)代表取締役 税理士 吉川  孝
●※函館会場:雨漏りゼロへ「雨仕舞屋の挑戦」 
       (有)樋口板金 代表取締役 樋口 健人


2013年02月16日

3月2日旭川、9日札幌でエコライフセミナー

石油連盟北海道石油システムセンターは、旭川と札幌で「フォーラム 素敵にエコライフ2013」を開催する。
 
フーム空間計画工房の宮島豊代表と、フリーキャスター菅井貴子氏が「家づくりを通じて考えるデザイン、住環境そしてエネルギーのこと」と題して対談する。
 
このほか、会場では家庭用石油機器の展示会や、東洋大学・小蔦正稔教授の講演も開催する。
参加費は無料だが、事前申込が必要。

日 時
3月2日(土) 旭川 旭川大雪クリスタルホール
3月9日(土) 札幌 ACU大研修室(アスティ45ビル 16F)
※いずれも14:00~16:00まで

申 込
郵便番号、住所、氏名、性別、職業、札幌か旭川どちらの参加かを明記の上、
 ファックス(011-200-1882)か
 メールinfo@event-usp.comで。


2013年02月15日号から

ローン減税拡大で増税後の負担はどのくらい減るか

20130215_01_01.jpg 1月29日に閣議決定された2013年度税制改正大綱で、住宅ローン減税の延長・拡充が決定。消費税が8%に上がる来年4月以降は最大控除額が200万円から400万円(長期優良住宅・低炭素住宅は500万円)になり、住民税からの控除限度額も引き上げられることになった。果たして消費税アップ分と減税分を比べた場合、住宅購入は消費税率が上がる前と上がった後、どちらがおトクなのだろうか?

来年4月以降、ローン減税拡充

 住宅ローン減税は、ローン残高の1.0%を最大10年間にわたって所得税から控除する税制特例の一つ。適用は今年末まで入居する場合となっていたが、今回の税制改正大綱では2017年末入居分まで4年間延長し、消費税率が8%に引き上げられる2014年4月以降は、控除対象となる借入限度額を一般の住宅で現行の2000万円から4000万円、長期優良住宅と認定低炭素住宅は3000万円から5000万円に拡充する。最大控除額は一般の住宅で年間40万、10年で400万円、長期優良住宅と認定低炭素住宅は年間50万円、10年で500万円となる計算だ。
 低・中所得者層はローン減税の最大控除額より払っている所得税が少ないケースもあるため、所得税から控除し切れない分は住民税から控除することになるが、現行で住民税からの最大控除額が9万7500円となっていた。これを2014年4月以降に入居する場合は13万6500円に引き上げる。

20130215_01_02.jpg

年収800万円以上になると増税後が有利に

 ただ、住宅ローンで4000?5000万円以上借りるユーザーは、そうはいない。そうなると重要なのは、道内の一次取得者層の中心と言える年収400~500万円の層が年収の4~5倍程度の金額を借り入れる場合、ローン減税拡充の恩恵は受けられないが消費税率が5%で済む今のうちに新築したほうがいいのか、消費税率が上がってもローン減税が拡充される来年4月以降に新築したほうがいいのか、どちらがトクかということだ。
 みずほ総合研究所では、来年4月以降入居の場合、年収の4倍および5倍の金額をローンで借り入れるケースでどれだけ減税額が増えるのかを試算。夫と専業主婦の妻、16歳未満の子供がいる世帯で住宅・土地を購入し、そのうちの8割、年収の4倍および5倍に相当する金額を30年元利均等返済、金利2.2%で借りる条件としている。
 それによると、年収400万円世帯では10年間の減税額が年収の4倍・1600万円借り入れで9万円、同5倍・2000万円借り入れで25万円の増加(購入費用の内訳は住宅62%、土地38%。以下同)。年収500万円世帯では、年収の4倍・2000万円借り入れで増加分はゼロ、同5倍・2500万円では19万円の増加となった。
 いずれも消費税率3%アップ分の金額の半分にも満たず、このままなら消費税率が上がる前に新築・入居したほうがいいということになる。
 同じ条件による年収800万円と1000万円の世帯の試算では、借り入れ額が増える分だけ減税額も増え、年収の4倍のローンでも5倍のローンでも減税増加分は消費税率アップ分を上回り、高額所得者層ほどメリットが大きいことがわかる。

20130215_01_03.jpg

給付措置の内容にも注目

 それでは低・中所得者は消費税率が上がる前に急いで新築・入居したほうがいいのかどうかだが、できればその判断は今年の夏までに決定される予定の給付措置の内容も含めて考えたいところ。
 給付措置とは、ローン減税の効果が薄い所得層に対する現金給付のことで、一部ではローン減税で住民税からも控除し切れなかった分を給付する内容になるのではないかと言われている。国ではローン減税と同様に2017年末まで実施し、減税とあわせて住宅取得にかかる消費税の負担増加分をかなり緩和するとしている。
 なお、今回の住宅ローン減税の延長・拡充は、5%から8%への消費税率引き上げにともなう住宅需要の落ち込みを緩和することが目的だが、2015年10月に消費税率が8%から10%へ引き上げられる時の負担緩和までは盛り込まれていない。そのため、駆け込み需要とその反動減は、消費税率が5%から8%に上がる時より、8%から10%に上がる時のほうが大きいという予測もある。

20130215_01_04.jpg


2013年02月15日号から

省エネ新基準告示。施行は10月 2015年3月末まで旧基準適用も認める

 去る1月31日、外皮平均熱貫流率=UA値と冷房期の平均日射熱取得率=ηA値、一次エネルギー消費量で判断する省エネ新基準(エネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準)が告示された。住宅の施行は10月1日からで、2015年3月31日までは経過措置として旧基準(次世代省エネ基準)の適用も認める。建築物の施工は4月1日から。
 住宅は、省エネ性を熱損失係数=Q値ではなく、UA値とηA値、暖冷房・給湯・換気・照明・家電等の一次エネルギー消費量で判断する基準となった。ただし、北海道・東北・信越などはηA値の基準値を、沖縄はUA値の基準値を定めていない。
 UA値は住宅全体の総熱損失量を建物外皮の面積で割った値で、Q値と同じく値が小さければ小さいほど断熱性能が高いことを表わす。断熱性能の水準としては次世代省エネ基準程度。
 一次エネルギー消費量は、設計時の断熱仕様と暖房・冷房・給湯・換気・照明・家電等の設備をもとに設計消費量を算出。次世代省エネ基準相当の躯体に2012年時点で一般的な性能の設備を組み合わせた時の消費量(=基準消費量)を下回れば、基準クリアとなる。太陽光発電を設置する場合は、自家消費分の発電量のみ設計消費量から差し引くことが可能。
 また、地域区分を改め、Ⅰ?Ⅵ地域を1?8地域とし、道内は主に道北・道東を中心とした1地域と、道央・道南を中心とした2地域に分かれる。函館など道南の一部地域は3地域に区分される。
 なお、長期優良住宅認定制度や住宅性能表示制度の省エネ対策等級は、来年度に省エネ新基準への対応が決まる。改正基準が反映される時には、現行の等級4基準の上に等級5として低炭素建築物認定基準が用いられるとの見方もある。

 省エネ新基準の告示にあわせて、外皮平均熱貫流率(UA値)と冷房期の平均日射熱取得率(ηA値)をパソコンで計算できるプログラム「住宅の外皮平均熱貫流率及び外皮平均日射熱取得量(冷房期・暖房期)計算書」が、?住宅性能評価・表示協会から公開された。ホームページからダウンロードできる。
 このプログラムは、Q値計算ソフトのQPexと同じく表計算ソフトのエクセルを使用。住宅各方位の壁面・窓や屋根・床・基礎ごとに、面積と熱貫流率、熱抵抗値などを入力すると、UA値とηA値などが自動的に算出される。

20130215_02_02.jpg

 住宅の外皮平均熱貫流率及び外皮平均日射熱取得量(冷房期・暖房期)計算書ダウンロード・http://www.hyoukakyoukai.or.jp/teitanso/gaihi.html


2013年02月15日号から

読者のつぶやき

大工に年収600万出せる会社づくりを
オホーツク 工務店 社長

 このところ大工不足がいっそう深刻さを増しています。オホーツク地域ではもともと大工の絶対数が足りないのですが、大工を増やすにも「仕事が安定しない、収入が低い」では成り手がいません。そこで当社では、棟梁クラスの大工で600万円の年収が得られる会社づくりを目指そうと考えています。そうしないと、受注しても造り手がいないなんてことにもなりかねないからです。


この冬は仕事が進まない...
道北 住宅会社 専務

 冬場は現場が少なく、普段できない仕事をするにはいい時期ですが、今年はなかなかそうはいきません。その理由の一つがドカ雪。昨年暮れから1月にかけてよく雪が降り、毎日のように社員総出で現場やOB客の家の除雪へ。そしてようやく天気が落ち着いたと思ったら、今度はインフルエンザが大流行。社員やお客様のお子さんが感染し、打ち合わせが延期になることも。この冬はなかなか仕事が進みません...。


2013年02月06日号から

3月4日・苫小牧で住宅関連トラブルの講習会

 ㈱LIXIL道南支店とジャパンホームシールド㈱および同社協力業者会のジャパン会では、、住宅に関わる様々なトラブル事例とその回避方法について紹介する「白熱講座2013」を開催する。
 内容は「住宅に関わるトラブルと回避方法」「千歳ロームと苫小牧過圧密(SDS)におけるコストメリット」「これからの住宅行政と低炭素住宅への対応」。

日時
 3月4日㈪ 苫小牧市・苫小牧市民会館
 (時間は午後1時から5時まで)

問い合わせ
 ジャパンホームシールド札幌支店(☎011-330-1765、FAX011-330-1766)


2013年02月06日号から

3月1日・札幌で建築士のための総合研修

 ㈳北海道建築士会と㈳日本建築士会連合会では、平成25年度「すべての建築士のための総合研修」を開催する。
 この講習会では木造戸建住宅の設計・施工等の実務に直結する知識や技術に重点を置き、免震・制震を活用した住宅や各種工事のチェックポイントと検査などについて解説。

日時
 3月1日㈮ 札幌市・北海道第2水産ビル4階会議室
 (時間は午後1時から5時まで)

問い合わせ
 (社)北海道建築士会本部(☎011-251-6076、FAX011-222-0924)

ホームページ・http://www.h-ab.net/


2013年02月05日号から

断熱住宅、過去最大のピンチ

高性能住宅Q&A 769回 節約のために暖房・換気を停止

20130205_01_01.jpg Q...年明けしてすぐに昨年引き渡したお客さまから呼ばれました。いわく「窓ガラスが凍る」「結露でべちゃべちゃ」とのこと。家に行ってみると、暖房はリビング以外停止、換気も停止。「寒い、寒い」とセーターを着込みながら、結露・結氷の状況を訴えるのです。
どう対応したらいいでしょうか?


背景に、余裕を失う孤独な消費者

A...北海道の高水準な断熱住宅で、この冬「窓ガラスが凍る」「結露でべちゃべちゃ」という不具合が出ていると、数社から聞いています。その原因は、節電、省エネのために住まい手が暖房・換気設備の両方またはいずれかを止めてしまうこと。
 『北海道の住宅、相当に深刻な問題を抱えてしまった』と感じます。
     *     *
 窓の凍結や結露には、これまで大きく2つの原因がありました。
1.スカスカの断熱欠損住宅で非暖房室やタンス裏での結露:古い住宅ならしょうがないけど、新築でもときどきあって、ほとんど欠陥住宅のレベル。
2.換気不良によって窓におびただしい結露が生まれる:断熱性能は良いが、原因は換気。設備が最初からマズイ場合もあるし、住まい手が運転を止めてしまう場合もあります。

 今年の状況は、どちらにも属さない第3の類型です。中には暖房設備を停止して、ポータブルの電気ヒーターやこたつを使う家もあり、全くの本末転倒が起きています。
 この冬は、燃料高騰に加え北海道電力から節電要請。テレビでも節電の知恵として「使っていない部屋の電気や暖房はこまめに止める」みたいなことがいわれています。さらに年末年始の大寒波。最低気温がマイナス15℃を下回らない程度なら窓は凍結しませんが、それより寒い地域は結露を超えて凍結するそう。

 引き渡しの時に、住宅会社側は全室前日暖房が大切であることを説明しており、再度、窓が凍った理由と対策を説明すると、ご主人は納得するが奥さまは不満顔だそう。
 主婦はどうして納得しないのか、当社のライターも務めている主婦に聞いてみると、こんな話が...。
 『マンションや団地から引っ越し→光熱費のバカ高さに驚き→ちょっと寒くても節約しなきゃ→友だちも「だよねー!」みたいな。竣工直後は躯体が冷えていること、全室常時暖房換気も説明受けてわかってるんです。でも住宅ローンやら何やらで節約しなきゃ、奥さんパート出なくっちゃ、みたいな事態の中で、突きつけられた目の前の光熱費に驚き、なんとかしなくっちゃ!』となると説明します。
 住まい手の理解がなければ、どんな素晴らしい家も窓が凍る寒い家になる。北海道の断熱住宅にとって過去最大のピンチが訪れたと感じています。

納得いくまでゆっくりしっかり説明

 この話から読み取れることは、『予想外』の光熱費の高さや燃料高騰で、余裕を失ってしまう消費者の姿です。
 わがままで、すぐにクレーマーに豹変すると言われる昨今の消費者ですが、見方を変えれば、相談できる人がおらず、不安で孤独だとも言えます。いったん苦情が起きれば、損をするのは業者側ですから、クレームへの事前対策という意味でも、住宅会社側が施主の不安を取り除く配慮・声がけを徹底し、「転ばぬ先の杖」に努力する必要がありそうです。

 既存住宅の対策は、全室暖房を維持しながら室温を下げる提案と、できるなら換気量を0.3~0.35回/hに下げること-だと思います。住宅性能がしっかりしていれば、少し着込んでスリッパを履くなどして室温18~20℃でも快適に暮らせます。
 大切なのは、部分暖房と換気停止が結露を引き起こすこと、間欠暖房しても節約になりにくいこと、室温設定を下げれば節約になることを、ゆっくり施主が納得いくまで説明することだと思います。

今後の対策は・・
 ①事前のヒアリングでそれまで光熱費がいくらかかっていたかをしっかり把握し、それを元に新居の光熱費と性能提案を考え、何度も十分に説明し了解してもらうこと、②光熱費を抑えるために家を小さくすること、③結露しない最低限の暖房と換気は、ユーザーが停止にできないようにすること-ではないでしょうか。
 具体的な設備については、暖房は各社の考え方があるでしょうが、電気蓄熱暖房器を1台入れるのもひとつの方法です。狙いは、電気蓄熱暖房器のパワーで基礎的な室温を作ってもらうという目的です。

 換気については、停止できないセントラル換気で0.3~0.35回/hの換気を行い、基準法上の不足分である0.2~0.15回/hをon/off可能な壁つけ換気扇にするという方法です。ユーザーはきっと壁つけ換気扇を運転しないでしょう。それでもギリギリ大丈夫か、少し障害が出るくらいのレベルを集中換気で担当するのです。壁つけ換気扇はLDKやホールなどがいいですね。水回りは常時換気した方が空気がキレイになるので、集中換気が担当すべきだと思います。


2013年02月05日号から

札幌市25年度予算案

札幌版次世代モデルに補助 エコ設備補助は蓄電池も対象に

 札幌市では、平成25年度予算案で札幌版次世代住宅のモデルハウス建設に対する補助を計画。エコリフォーム補助についても引き続き行うほか、エコ設備設置に対する補助事業・札幌エネルギーecoプロジェクトでは、太陽光発電と一緒に設置する蓄電池も補助対象に加える予定だ。
 昨年から始まった札幌版次世代住宅への補助については、一般市民向けに加え、新たに東区東雁来の分譲地・ウェルピアひかりのに建設するモデルハウス向けを新設。予算枠はモデル向け・市民向けを合わせて6400万円で、前年度の2倍以上。1戸あたりの補助額はトップランナーが200万円、ハイ〜ベーシックレベルが50万円で、モデル向け・市民向けとも同じ。
 モデル向けは予算要求の段階でトップランナーとハイレベルが各2戸、スタンダードが4戸の予定で、1戸あたりの補助額はトップランナー350万円、ハイレベル300万円、スタンダード150万円だった。市の担当者によると、財政局の査定で補助額が市民向けと同じになったことで、どの性能等級を何戸建設するかは、まだ正式に決まっていないという。募集は市民向けは5月からということになりそうだが、モデル向けはそれより早く開始したいとしている。
 一定条件の省エネ改修・バリアフリーリフォームを対象とするエコリフォーム補助は、予算枠1億円で、最大50万円の補助額や応募条件などについては前年度と変わらない予定。ただ、1件あたりの補助額の算出式については、金額を抑える方向で見直すことにより、できるだけ多くの市民が利用できるようにする。募集時期については昨年同様、5月の連休明けと、8月後半の2回に分けて行う考え。
 太陽光発電やエコキュートなど省エネ・エコ設備の設置に補助を行う札幌エネルギーecoプロジェクトは、予算枠が2億7750万円と、補正予算を含めた前年度予算と同額。対象となる設備には新たに蓄電池が加わる予定だが、単独設置ではなく、太陽光発電と同時に設置する場合のみ補助を行うという。補助額は確定していないが、募集枠としては5台程度を想定。また、エコジョーズとヒートポンプを組み合わせた「VIVIDO」(ヴィヴィッド)も対象にするかどうか検討中だ。
 各設備の補助額は、前年度の抽選倍率が高かったことから、上限が引き下げられる可能性がある。募集は昨年と同じく年5回に分けて行い、申し込みが多ければ抽選にする予定だ。
 なお、予算案は昨年11月に各担当局の予算要求が行われ、現在、財政局の査定が終了した段階。最終的には市長の査定を経て議会で議決されるため、今後変更される可能性もある。

20130205_02.jpg
表の上の通り


2013年02月05日号から

読者のつぶやき

講習会やセミナーは内容をよく吟味して
北見市 工務店 社長

 毎年1月から3月頃にかけては、住宅関連の様々な講習会・セミナーが行われます。以前は私も都合がつけばほとんど参加していたのですが、最近は内容が他の講習会と似通っていたり、すでに知っていることばかりだったりなどということも多くなってきました。今年からは主催者に内容を詳しく聞くなどして、受講する必要性が高いかどうかをよく考えてから参加を決めようと思います。


消費税増税後のことを考えて
道北 工務店 社長

 消費税率が上がるまで1年ちょっとになりましたが、駆け込みを逃さないのはもちろん、税率アップ後の対応も今からやっておくべきでは。当社はリフォームを強化する考えです。地方の工務店がやれることで他に何も思い浮かばなかったというのが正直なところですが、耐震性・断熱性アップなど性能向上リフォームもメニューとして用意。ホームページも専用コンテンツを作ろうと計画中です。


今頃枠が追加されると言っても
札幌市 建材店 部長

 地域型住宅ブランド化事業ですが、今頃になって申込枠を追加するという通知が来たようです。でも、昨年申込が多くて抽選となり、落ちてしまった工務店を知っているので気持ちは複雑です。その工務店は既にお客様も決まっていて、抽選の結果待ちだったんです。その方が知ったらどんな気持ちでしょう。このブランド化事業って工務店のためになっているのか、お客様のためになっているのか疑問になります。


どうして吊られて上がる?
十勝 工務店 社長

 この春から、合板関連も値上げという話が出てきています。CSPなどの構造用合板も、円安や北米市場の景気回復で値上げになるという噂です。気になるのは、国産の合板メーカー。国産材が材料なのに、今までなぜか外材が上がると連動するように値上がりしていました。今回はどうでしょうか。ユーザーであるわれわれの足元を見ているといえばそれまでですが、イヤな感じですね~


試読・購読のお申し込みはこちら 価値のある3,150円

内容別

月別

新着記事