政権交代によって落ち着かないが、自民党政権下でも消費税率はほぼ間違いなく上がる。来年(2014年4月)の税率アップを境に住宅市場は一変するとさえ言われる。残された時間は1年と3ヵ月だ。
住宅会社にとって消費税アップ問題は、税率が数%上がることよりも、それによって住宅着工が大幅に減少し、その後も回復しなかった1997年の二の舞になる心配が、問題の中心だと言って良い。
住宅着工は、少なく見積もって税率アップ後に3割程度減少するというのが大方の見方だ。これによって住宅供給力が過剰になる。税率アップのビフォー/アフターで施工棟数を維持する会社もあるから、そうなればますます供給過剰だ。
ではどんな備えが必要か。整理すると、受注が減少しても会社が存続できるスリム化、絞り込んだ有効な宣伝、受注維持のための仕込み、内部留保の積み増し、そして社員教育が、消費税率アップへの備えということになる。
住宅産業塾の塾長で、コンサルタント会社・日菱企画㈱社長の長井克之氏にポイントを聞いた。
受注維持の仕組み マーケティング
住宅会社・工務店にとっていちばん欠けており、一番大切なことはユーザーを見つめたマーケティングをしっかりやること。工務店はものづくりからスタートしている、とは言え、棟梁を中心とした家づくりの仕組みはすでに崩壊している。昔ながらの仕組みはできないことをまず、直視しなければならない。そのうえで、いま成功している若手経営者をみると、デザインと仕組みで攻めてきている。なぜデザインと仕組みなのか。それはマーケティングの結果、消費者のニーズが「デザインと仕組みのわかりやすさ」にあるにもかかわらず、業界の現状はその分野が弱いからだ。
タマホームの成功もマーケティングの成功だ。住宅業界には価格表示の慣習はあったが、それをわかりやすく展開したことで大成功したのだ。
では工務店・地場ビルダーにとってやるべきことは何か。弱い設計力と土地手配力を強化すること。社外のスタッフ・企業との連携でも良い。地域の生活者として会社を経営し、地域と顧客に密着すること。これこそが大手にできないマーケティングの実践だ。
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