住宅・建築物の省エネルギー基準と低炭素建築物の認定基準が固まり、12月上旬に告示される。低炭素建築物の認定基準は即日施行、省エネ基準は来年4月1日の施行。省エネ基準の改定は1999年(平成11年)以来13年ぶり。8年後の2020年までにすべての新築住宅・建築物に対して適合を義務化する。
省エネ基準:来年4月施行
住宅全体を一次エネルギーで評価
地球温暖化防止に加え電力不足に対処し、省エネ強化によってエネルギー需給を安定化させるため、今回の省エネ基準改定では①住宅全体のエネルギー消費量を評価する基準に変更②評価の方法は一次エネルギー消費量とする③一次エネルギー消費量基準とは別に外皮の断熱基準を設定し両方をクリアすることとした。
省エネ基準は住宅・建築物の最低性能を定める基準とし、誘導基準は同時に告示される低炭素建築物の認定基準に譲る。
新基準への適合を判断する計算ソフトが11月26日にリリースされる予定。正式版は公布日にリリースされる。
新基準は、住宅で使われるすべてのエネルギーを、一次エネルギーで規制する内容となる。具体的には、暖冷房+換気+照明+給湯+家電等の合計一次エネルギー消費量試算値を上回らないこと。この時、試算値から太陽光発電などによる自家発電の自家消費分を差し引いてよい。現行の事業主基準(トップランナー基準)とほぼ同じ仕組みになるわけだ。
パブリックコメントによって新たに太陽熱と排熱利用についても基準に位置づけることに決まった。暖房・給湯エネルギー評価において、太陽熱利用の暖房・給湯システム、排熱利用設備を導入するときは、太陽光発電と同様にこれらの熱供給を差し引いてよい、ということになりそうだ。
一方で、断熱基準も残した。これはヒートショックや結露防止など室内温度分布の確保のためとしている。基準のレベルは次世代省エネ基準相当だが、評価方法は外皮の平均熱貫流率(通称U値)。純粋に断熱厚だけを規定する趣旨だという。
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