新聞記事

2012年05月25日号から

注目のエアコン暖房1

寒冷地でもいける 日射障害や暖房温度に注意

20120525_03_01.jpgQ...昨年から道内でもエアコン暖房に挑戦する会社が増えてきました。興味はありますが熱量不足や結露などの苦情があるとも聞きます。実態はどうなのでしょうか(札幌・工務店社長)
A...電力不足などを背景に、北海道と東北の暖房・給湯は、電気ヒーター式(生だき)からヒートポンプ式へと徐々に移行し始めました。問題はイニシャルコストです。例えば、温水暖房しようとすれば、熱源機械の分だけコストが上がります。そこで注目されているのが暖房エアコンです。
 霜取り運転時にも暖房が止まらない寒冷地用暖冷房エアコンは高額ですが、ヒートポンプ温水暖房よりは安く、もし電気蓄熱暖房器や電気ヒーターを併用するなら通常の暖房機能付きエアコンも使えます。そうするとイニシャルは劇的に低下します。
 そんなこともあって、北海道・東北ともにエアコン暖房が増えてきています。
 温風暖房の注意点といえば、気流感、窓のダウンドラフト、そして暖気が回りきるのかという点になります。また、ヒートポンプ暖房の注意点としては、ストーブや石油ボイラーと比べて急速暖房能力が低いことです。

20120525_03_02.jpg暖房能力・ダウンドラフト
 断熱性能が確かな家なら、心配は無用です。高断熱・高気密のはしりのころも、『こんな小さな暖房ボイラーで大丈夫か』という不安がありましたが、住宅は計算値よりむしろ高い断熱性を発揮しました。
 いまは、Q値や暖房負荷計算がメジャーになり、正確性も増しています。自然温度もしっかり計算に組み込むようになっているので、敷地のまわりに日射取得の障害になる高い建物はないか、オーナーは高温を好むか(高齢になるほど高温を好む傾向アリ)などを把握しておく必要があります。また、大きな開口部は寒く感じる原因ですので、開口部の配置と面積も注意してください。大開口部がある場合は、暖房温度が1~2℃高くなると考えておいたほうがいいかもしれません。


試読・購読のお申し込みはこちら 価値のある3,150円


関連記事

powered by weblio


内容別

月別

新着記事