断熱だけではムリ
Q・・札幌版次世代住宅基準の話題は、自分のまわりはもっぱらトップランナー基準をクリアできないという点に集中しています。どうしたらいいでしょうか(札幌・工務店社長)。
A・・札幌版次世代住宅基準が5月からスタートします。断熱に関心の高い住宅会社が最も関心を寄せているのがトップランナー基準と呼ばれているQ値0・5Wの基準をどうクリアするかという点です。道内で最も使用率が高いといわれるQPexで計算してみました。住宅面積などは初期設定のままです。
結果1は、納まりやコストを考えてできそうな範囲で断熱仕様を設定しました。Q値は0・72Wでお話にならず。この結果を見て考えました。『普通のやり方ではダメだ』と。
基準をクリアした仕様は、大きくはポイントが2つあります。1つは、屋根断熱を天井断熱に変更したこと。もう1つは開口部を減らしたこと。
天井断熱からの変更で、Q値は0・05W向上します。勾配屋根の場合はロフトを室内に利用できなくなりますが、物置など知恵は出せると思います。
開口部面積は、初期設定が約28㎡となっており、北海道の住宅としては大きめです。これを20㎡まで削減しました。しかし、それだけではまだ達成できません。ガデリウスの新商品・U値1・04Wの木製トリプルサッシ仕様とし、ハニカムサーモスクリーンも使用して0・14Wつめ、ようやく達成。
今回のシミュレーションでわかったことは、断熱仕様と換気だけでは達成はかなり難しいことです。家が大きくなるとラクになりますが、小さい家では逆にもっときつくなります。窓を減らす、天井断熱とする、床断熱も検討する―というあたりまで踏み込む必要があります。