新聞記事

2012年01月25日号から

国の24年度予算概要

ゼロエネ・地域木造に補助

 国土交通省など各省庁では、平成24年度政府予算案が閣議決定されたのを受け、各種施策等をまとめた予算概要を発表。このうち住宅関連では中小工務店が建てるゼロ・エネルギー住宅や、地域の住宅・木材関連業者がグループで提案する地域ブランドの長期優良住宅に対する補助事業が目玉となりそうだ。

ゼロ・エネ化推進事業
中小の取組に最大165万
 高性能設備関連も対象に

住宅を対象とした来年度の補助事業の一つとして注目されるのが、国交省と経産省の共同事業となる「住宅のゼロ・エネルギー化推進事業」。
 この事業は国交省担当分と経産相担当分に分かれており、国交省では中小工務店によるゼロ・エネルギー住宅の取り組みに対し、1戸あたり最大165万円を補助。経産省はハウスメーカーも含めてゼロ・エネルギー相当となる高性能設備機器とHEMS(ヘムス)など制御機器の組み合わせに補助を行う(補助額未定)。予算枠は国交省担当分が23億1千億円、経産省担当分はビル等への補助も含めて70億円。
 ちなみにここでいうゼロ・エネルギー住宅とは、躯体の断熱性向上と高性能設備機器の導入でエネルギー消費量を大幅に削減したうえで、必要なエネルギーは太陽光発電など再生可能エネルギーでまかない、年間の一次エネルギー消費量を概ねゼロにするというイメージだ。
 事業の詳細は現在検討中だが、いずれも補助要件にあう住宅を募集して補助を行う予定。募集時期は24年度予算が国会で成立した後になるが、国交省担当者によると「年度が変わった後になりそう」と話しており、設計時のエネルギー消費量を試算するツールの提供も検討しているという。

地域型住宅ブランド化事業
グループで仕様等提案
 木造の長期優良に100〜120万

 国交省の補助事業で、中小工務店が建てる木造の長期優良住宅に100万〜120万円を補助する木のいえ整備促進事業のリニューアル版となるのが、「地域型住宅ブランド化事業」だ。
 この事業は地域の原木供給者、製材工場、プレカット工場、建材流通事業者、建築士、中小工務店などで構成するグループから、その地域の住宅生産システムの共通ルール等に関する提案を募集し、採択されたグループの中小工務店が建てる木造の長期優良住宅に1戸あたり最大100万円(地域材使用で120万円)を補助。予算枠は大規模木造建築物に対する別の補助事業とあわせて90億円。
 事業内容を検討している国交省担当者によると、「グループについては原木供給者や製材工場、プレカット工場など中小工務店以外の事業者は原則1社以上加わってもらいたい。中小工務店については一定数以上参加していることが必要」と話しており、募集する〝住宅生産システムの共通ルール等〟は、現在様式を作成中だが、国交省の資料を見ると、共通化した仕様や積算、施工、維持管理などの提案が想定される。
 募集時期は他の補助事業同様に国会での24年度予算成立後となるが、「可能であれば今年度内に募集を行いたい」(国交省担当者)としている。

中古へのフラット35適用拡充も

 このほか、国交省では、必要なリフォームを行うことでフラット35の融資基準に適合する中古住宅であれば、購入・リフォーム後にフラット35の融資が可能となる仕組みを導入。経産省では今年度第3次補正予算の範囲内で太陽光発電や蓄電池、HEMSなどの導入に対する補助を実施するほか、家庭用燃料電池(エネファーム)にも今年度を上回る90億円の予算を計上している。

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20120125_02_02.jpg①ゼロエネ住宅イメージ...ゼロ・エネルギー住宅のイメージ

②地域型ブランド住宅補助...地域型住宅ブランド化事業のイメージ


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