新聞記事

2011年12月05日号から

再開エコポとF35S金利優遇

新旧制度内容の違いはココ

 11月21日に今年度第3次補正予算が成立し、終了していた住宅エコポイントとフラット35Sの金利引下げ幅拡大が内容を変更して再開された。ここで再開後の変更点を中心に各制度のポイントをQ&A形式でまとめた。


住宅エコポイント
新築の要件変わらず
 耐震改修は新耐震適合が条件

Q...対象となる新築・リフォームの要件と着工・着手期間は?
A...新築は従来と同じく木造であれば次世代省エネ基準(11年基準)をクリアする住宅またはトップランナー基準相当の住宅、木造以外はトップランナー基準相当の住宅が条件。
 リフォームは「①次世代省エネ基準をクリアする窓の断熱改修」や「②一定量のノンフロン断熱材を使った外壁、屋根・天井、床・基礎の断熱改修」が必須条件。さらにこれらの断熱改修とセットで行うことでポイント発行対象になる工事等として、バリアフリー改修や太陽熱利用システム・節水型トイレ・高断熱浴槽の設置のほか、新たに耐震改修と瑕疵保険加入が加わった。
 対象となる着工・着手期間は、新築が今年10月21日から、リフォームが今年11月21日からで、いずれも来年10月31日までとなる。

Q...リフォームで新たに追加された耐震改修は、どの程度の工事が必要?
A...国土交通省住宅生産課によると、耐震改修と瑕疵保険加入の要件は今月上旬に発表予定。
 木造であれば耐震診断の評点を1・0以上として現行の建築基準法の耐震基準に適合させるなど、現在減税措置を受けられる耐震改修の要件と同じになる方向で考えているという。そのため新耐震基準が施行となった昭和56年6月1日以降に建築確認を受けた住宅は対象外となるようだ。
 なお、耐震改修によるエコポイントと減税措置は両方受けられる。

ポイントは新築15万、
リフォーム最大45万

20111205_01_01.jpgQ...ポイントはどのくらいもらえて、どんなものと交換できる?
A...新築は1戸あたり15万ポイントで、東北・北関東・信越などで東日本大震災の特定被災地域は30万ポイント。太陽熱利用システムを設置する場合はさらに2万ポイント追加となる。
 リフォームは断熱改修の場合、工事部位ごと内容に合わせて2千〜10万ポイントが発行され、一緒に行うバリアフリー工事は最大5万ポイント、太陽熱利用システムなどの設備機器設置は各2万ポイント、瑕疵保険加入で1万ポイントを発行。これらの合計で最大30万ポイントがもらえる。耐震改修はこれらと別枠で15万ポイントが加算され、その場合は最大45万ポイントがもらえる。
 ポイントは東日本大震災被災地の特産品・義援金などの復興支援商品や、省エネ家電・リサイクル製品などのエコ商品と交換可能。ただ、今回はポイントの半分以上を復興支援商品と交換することが条件となり、金券などもエコ商品の購入のみ使えるものに限定されることになる。具体的な交換商品は今月下旬以降に決まる予定だ。

Q...即時交換は今回も可能?
A...これまで通りポイントは、新築・リフォームを行う業者が追加的に実施する工事との即時交換が可能。ただ、発行されたポイントの半分は復興支援商品との交換が条件なので、即時交換でも使えるのは発行ポイントの半分までとなる。

申請書類等は
原則従来通り

Q...ポイント申請にはどんな書類が必要?
A...新築・リフォームとも、申請書類の種類はこれまでと変わらないが、リフォームで追加された耐震改修と瑕疵保険加入はそれぞれ新たに書類を用意することとなる。どのような書類かは現時点(11月30日現在)でまだ明らかになっていないが、耐震改修については建築士事務所や性能評価機関などが発行する住宅耐震改修証明書が必要になる見込み。
 また、申請書や工事証明書、断熱材の納品書や施工証明書などの書式は改訂される予定なので、従来の書式は使わないようにすること。

Q...ポイント交換の期限は?
A...ポイント発行申請の受付開始時期は、来年1月中をメドに調整中だが、申請受付締切は新築戸建てが平成25年4月30日まで、新築共同建てが同10月31日まで(11階以上の共同建ては平成26年10月31日まで)。リフォームは平成25年1月31日までだが、共同建てで耐震改修を行う場合は同10月31日まで(11階以上の共同建ては平成26年10月31日まで)。ポイントの交換期限はすべて平成27年1月31日まで。
 なお、国交省では全国13都市で再開された住宅エコポイントの説明会を開催。詳しくは3面の告知記事を参照のこと。


フラット35Sエコ
金利0.7%引き下げ
 当初5年間、被災地は1.0%

20111205_01_02.jpgQ...今年9月末までの金利引下げ幅拡大と何が変わったか?
A...平成21年度の緊急経済対策で実施されたフラット35Sの金利引下げ幅拡大は、20年金利引下げタイプも含めて当初10年間の金利を1・0%引き下げるものだった。
 新たに実施される金利優遇措置は「フラット35Sエコ」と言い、金利Aプランと金利Bプランを用意。いずれも金利引下げ幅拡大期間を当初10年間から当初5年間に短縮するとともに、金利引下げ幅を1・0%から0・7%とした((東日本大震災被災地は1・0%のまま)。6年目以降の金利は、金利Aプランは従来の20年金利引下げタイプと同じく20年目まで、金利Bプランは従来の一般的なフラット35Sと同じく10年目まで、0・3%引き下げられる。
 対象となる住宅は 金利Aプラン・Bプランとも次世代省エネ基準クリアが必須で、Aプランはさらに従来のフラット35S20年金利引下げタイプの①省エネ性の基準②耐久性・可変性の基準③耐震性の基準④バリアフリー性の基準―のうちいずれかに該当することが必要。
 なお、従来のフラット35Sは「フラット35Sベーシック」と名称変更し、0・3%の金利引き下げ期間が10年のタイプは金利Bプラン、20年のタイプは金利Aプランとして来年3月まで実施される。

来年10月31日
申込まで適用

Q...実施期間はいつまで?
A...今月1日以降の資金受け取り分から実施し、来年10月31日申込分まで適用する。ただ、予算金額に達する見込みとなった場合は、予定より早く受け付けを終了するとし、その際には終了する約3週間前に告知するとしている。
20111205_01_03.jpg
Q...このほかに東日本大震災被災地への優遇措置はないの?
A...住宅金融支援機構では、今回の第3次補正予算成立にともない、これまで行ってきた災害復興住宅融資の金利引下げや、元金据置期間と償還期間の延長、融資申込期間の延長などを継続実施するとともに、構造や建て方によって細かく区分していた融資限度額を、被災者にわかりやすく簡素化するなどの措置を行う。
 また、返済中の被災者に対して、返済期間の延長や振込猶予期間中の金利引下げ措置の拡充などを行う措置も継続実施となる。


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