新聞記事

2011年06月15日号から

Q1.0-X全国で

カーボンマイナスも視野

20110615_01_01.jpg
NPO新住協の総会・全国研修会が5月20日、京都市内で開かれた。代表理事で室蘭工業大学教授の鎌田紀彦氏は京都で開催できたことを節目としたいと語り、断熱住宅の効能が認められ、徐々に全国に広がっていることを報告した。
 今年度の事業としては、Q1・0住宅の省エネ性をいっそう高めたキューワン・エックスへの取り組みと、必要となる技術開発を進める。
 キューワン住宅運動では、暖房エネルギー消費を次世代基準比の半分に抑える高断熱化を推進してきたが、これを発展させるキューワン・エックスはほぼ無暖房になる超断熱性能とライフサイクルカーボンに着目したカーボンマイナスをにらむ。
 手法として、断熱面ではすでに技術開発が進んだ外壁の高断熱化に加え、熱損失の少ない基礎断熱工法の開発、シロアリ地域向けの床断熱工法の開発、ローコスト大型木製サッシの開発などがテーマとなっている。
 このほかの事業では、補助金を受けた断熱・耐震改修事業の推進もあげられる。こちらは今年度もエントリーする予定という。
 総会終了後は鎌田代表理事による基調講演、続いて東京大学名誉教授で日本建築学会元会長の内田祥哉氏による記念講演が行われた。また、会員による断熱・耐震改修事例の報告、東日本大震災による停電で、無暖房状態となった仙台の住宅の温度環境報告も行われた。

20110615_01_02.jpg
 基調講演は、4月に札幌で開かれたキューワン・エックス(Q1・0―X)のセミナーをベースに、全国に発信する内容。
 現在のキューワンも含めて性能レベルを4段階とし、全国的に外壁200mm断熱をベースに断熱仕様を設定していく。
 会員は鎌田氏の講演に聴き入っていた。
 なお、内田先生による記念講演は後日まとめて掲載する予定。


写真
Q1.0-XのCO2排出量と創エネ(太陽光発電)の関係。札幌でカーボンマイナスはかなり厳しい
鎌田代表理事


試読・購読のお申し込みはこちら 価値のある3,150円


関連記事

powered by weblio


内容別

月別

新着記事