Q・・・北海道も高温・多湿、そして夜間も気温が下がらなかった今年、施工住宅で基礎断熱した床下にカビを発見しました。ショックです。スノコを敷いた上にものを置いて収納にしていたお客さまの家で、スノコの裏がびっしりカビだったのです。
涼しい=カビが生えやすい
A・・・この問題を2006年と2007年に取り上げてから4年。そのとき、2つの問題があることを報告しました。
1つは住宅会社が知らないだけで(住み手も?)、じつはけっこうカビが発生している疑いがあるということ。もう1つは、住宅内に繁殖するカビについて調査・研究している専門家は、北海道にはいないということです。
残念なのは、道立北方建築総合研究所、林産試験場、衛生研究所など建築と木材、そして微生物の専門家が共同で調査をしてほしいのですが、それが進んだ気配がないことです。道民の居住環境改善にかかる重大なテーマであるだけに、ぜひ調査研究してほしいと思います。
まず、一般論としてはカビは相対湿度70%以上になると繁殖しやすくなります。カビは床下結露が発生しなくても十分に繁殖できるのです。しかし夏場に床下を湿度70%以下に抑えることは、湿度の低い北海道でも無理でしょう。温度、水分、酸素、栄養の4つのカビ生育条件を絶つことは、じつはかなり難しいのです。
そもそも、床下が涼しいのは地熱の影響を受けていることと、太陽熱の影響を受けないから。夏にエアコンなしで涼しいということは、相対湿度が高い状態にあるわけです。
呼吸器系シックハウス原因
カビによる被害ですが、木材への被害はほとんどありませんが、ヒバなど防腐性の高い木材にも付着します。
ヒトへの影響は、一般の人にはさほど有害ではありませんが、『呼吸器系の病気』を持っている方、例えば『ぜんそく』にはとてもよくないのです。『鼻炎』にもよくないと言われています。『肺炎』の心配もあります。これはまさにシックハウス症候群で、健康被害が起きる人と起きない人がいるので、注意が必要です。
カビ臭さの度合いにもよるのですが、住んでいる方も床下を何かの理由で開けない限りカビには気づきません。また暖房シーズンになるとカビ臭はほとんど収まります。北海道では夏だけの問題なのです(冬場の結露によるカビは高断熱・高気密住宅で起きることはありません)
*「基礎断熱した床下のカビ関連記事」*
床下のカビ対策 高性能住宅Q&A749 地盤全面に断熱材
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基礎断熱した床下のカビ② 高性能住宅Q&A738 残念ながら決め手なし
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