新聞記事

2010年07月15日号から

紋別市・認証材補助制度スタート 最大100万円

 オホーツクに位置する流氷のまち・紋別市では、今年4月から地域産業の活性化を目的に、日本の森林認証システムであるSGEC(エスジェック)森林認証を受けた地域材を使って新築・増改築を行う住宅に最大100万円を補助する「紋別市認証材活用住宅助成制度」を開始。これまで4件の申し込みがあったほか、利用を前提とした問い合わせも出てきているなど、まずまずの出足を見せている。
 同市ではかつて年間40~50戸あった戸建住宅の確認申請件数が、昨年度は13戸まで減少。住宅建設は幅広い経済波及効果が見込めるだけに、市ではこの状況を改善して地域産業の活性化を図ろうと、この補助制度を立ち上げた。今年度から3ヵ年実施する予定。
 具体的には、紋別市を始め1市7町2村で構成する網走西部流域のSGEC認証森林約30万haから産出された木材を5以上使い、適切に認証材を管理・使用できる業者認証であるCoC認証を受けた市内の工務店14社(7月6日現在)で新築・増改築を行う場合、構造材で1あたり5万円、内装材で1㎡あたり5千円、合わせて最高100万円まで補助する。
 構造材であれば、森林認証材のカラマツ集成材は輸入材と比べて1あたり3万円ほど割高になるが、その差額に加えてさらに2万円のインセンティブを乗せることで住宅需要を刺激する考え。
 このほか、北海道木材産業協同組合連合会(どうもくれん)の「北の木の家」の認定取得や、住宅金融支援機構のフラット35の技術基準を満たすことなども必要条件となっている。

今年度13件の利用を見込む

 予算枠は1100万円で、1件約84万円と想定して13件分に相当。これまで新築3件、増改築1件、合わせて4件の申し込みがあったといい、このほかにも問い合わせのあった4件で利用が見込まれるなど、制度開始から3ヵ月を過ぎてまずまずの利用状況だという。
 同市産業部農政林務課森林認証担当の野呂田厚司参事は「現在、市内から出ている森林認証材は3千くらいだが、今回の補助制度などを通じて1万まで引き上げることができればいいと思う。今年度は13棟分の予算を計上しているが、利用件数が多くなればさらに予算を増やすことも検討していきたい」と話している。


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