新聞記事

2010年07月05日号から

提案力と誠実さでマーケット開拓/ウーマンズ・アイ vol.13

札幌・スズキトレーディング

20100705_04_01.jpg常務取締役 奥山博子さん
取締役チーフアドバイザー 
外川敏恵さん

 ヨーロッパや北米の木材製品の輸入・販売を行う(株)スズキトレーディングで、営業スタッフとして活躍している奥山博子さんと外川敏恵さん。2人は19年前にこの業界に入って以来、一般ユーザーに直接商品を売り込むのではなく、設計事務所や住宅会社などに自社商品をスペックインしてもらうための販売促進活動に力を発揮してきた。

男性と女性で能力差はない

 2人の仕事は家庭の主婦と直に接するポジションではないため「共感目線」が生かされることはほとんどないが、営業担当として誠実な対応や丁寧な商品説明、木材や建築に関する幅広い知識などが求められてくる。
 「体力面で男女差はあっても、考える能力に違いはない」というのが同社鈴木社長の考えで、日常の業務は取引先との打ち合わせやプレゼンテーションのほか、仕入れ・検品、配送の手配、伝票整理など男性社員と変わらない。担当エリアは道内全域で出張も多く、「仕事の性質上、女性であることを意識させられたり、男性との視点の違いを感じる場面はなかった」と奥山さん。
 外川さんも「細かな気配りなど女性のいいところは大切にしたい」としながらも「商品や会社の姿勢をいかにアピールするかが肝心」と話す。
 営業先で露骨に拒否反応を示す人も、最近では見かけなくなったといい、セクハラなどのトラブルに巻き込まれたこともない。「問題が起きても会社全体で情報として共有する体制が整っています」という奥山さんの言葉からも女性が働きやすい職場環境が伺える。

木の特徴をしっかり伝える
 20100705_04_02.jpg20100705_04_03.jpg奥山さんは「私たちが扱っているのは必需品ではなく、嗜好品」と話す。
 「同じような商品を販売している多くの会社の中から選んでいただくには、あらゆる樹種の特性や他社製品について勉強し、提案力をアップさせることが必要なんです」と外川さん。
 日頃の営業活動では、木材の特性をきちんと理解した上で採用してもらうことを心がけている。
 「自然の木は温かみがあり、調湿性に優れ、経年変化を楽しむことができる半面、キズがつきやすく、乾燥して変形も生じますし、木の風合いと美しさを保つためにはお手入れも必要。そうした部分も木という天然素材の特徴であることをしっかり伝えることができなくては」(奥山さん)。
 展示会などでは、日頃会う機会のないエンドユーザーから「木が膨張・収縮する時の音を楽しんでいる」「適度な湿度が保たれ、室内が暖かく感じる」といった生の声も聞くそうだが、それも営業ツールの一つとして意識。「住まい手個人の感想ですが、取引先には必ず伝えるようにしています」と奥山さん。
 「道内の工務店は勉強熱心。自社のカラーを打ち出した個性的な家を造る会社が多いですね」と口を揃える2人。「同じ北海道でも、地域によって住宅づくりはさまざま。その土地の気候風土を熟知した地場工務店が仕事を確保できる世の中であってほしいと思います」と、外川さんは語ってくれた。

photo
写真上:床に幅広で厚みがある飫肥杉の無垢フローリング、天井にウエスタンレッドシーダーを使い、異なる樹種でコーディネートした室内(一晃建設施工)
写真下:床に味わいあるレッドパインの無垢フローリングを採用(丸三ホクシン建設施工)


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