新聞記事

2010年04月05日号から

2010年度着工2~5%増

道内建材各社、やや上方修正

20100405_02_01.jpg 建材メーカーに2010年度の着工予測をやや上方修正する動きが出てきている。
 売上予算の前提となる住宅着工予測、とくに木造系、持家系の新設着工(北海道内分)が2009年度比で2%~6%程度アップするとの見方が、ここに来て増えている。
 背景には2月までの好調な建材売上があるようだ。昨年の10月以降、売上が前年を上回っている企業が多く、3月決算の企業のなかには通年で売上が前期を上回ったという声も聞く。
 今年の年初はまだ慎重な見方も強く、本紙が2月5日号で2010年着工予測を上方修正し、持家7%増とした時点では、冷めた声も強かった。
 ただ、ここへ来て売上にブレーキがかかっているとするメーカーもある。そこで、2010年度通期では前年を上回るとしても、上期は昨年同様、低調なすべり出しとなるのではないかという声も出ている。
 また、前年比を上回るとしてどのくらい上回るかも見方の分かれるところだ。2%程度の微増から5%程度の増加まで幅があり、2ケタ増という声は聞かれない。
 各社とも"おそるおそる"上方修正している背景には、なぜ昨年後半から伸びたのか、その原因をはかりかねているという事情がある。
 極端に冷え込んだ需要の単なる反動増か、一時は冷えたものの需要の底堅さなのか、住宅金融支援機構(支援機構)の職業差別なしの融資承認が押し上げているのか。今年になれば、エコポイントスタート、支援機構の金利優遇、子ども手当てなどにより、民間企業の賃下げや雇用流動化を補えるのか。いずれもあまり決め手には見えない。
 賃貸市場も似た状況となっている。空室の増加や家賃引き下げの広がりなど、賃貸事業者側にはプラス材料が見あたらないにもかかわらず、着工が増加に転じている。その理由がつかめず、各社とも着工予測を強気に修正することをためらっている。
 とは言え、慎重に見すぎても売上拡大のチャンスを逃すことになりかねず、そのあたりのバランスを探っている。


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