新聞記事

2010年03月25日号から

平成22年度予算確定へ

長期優良や太陽光への補助金事業は継続

 国の平成22年度予算案と税制関連法案が今月2日に衆議院で可決され、現時点(3月19日現在)ではまだ参議院で審議中だが、今年度中の成立が確定。各省庁来年度予算の住宅関連施策をまとめた。

国土交通省
既存住宅の質向上と地域材利用に新支援策

20100325_01_01.jpg 国土交通省では、リフォーム市場の活性化や住宅・建築物の長寿命化・省CO2化を目的に、330億円の予算を計上して「環境・リフォーム推進事業」を創設。
 この事業では、過去2年間実施してきた補助金事業である長期優良住宅先導的モデル事業と住宅・建築物省CO2先導的モデル事業を、それぞれ長期優良住宅先導事業、住宅・建築物省CO2先導事業と名称変更し引き続き実施。
 さらに建築士による建物検査を踏まえた質向上リフォームに補助を行う既存住宅流通活性化事業と、エネルギー消費量を1割以上削減する省エネ改修(住宅除く)に補助を行う建築物省エネ改修推進事業も新たに実施する。
 長期優良住宅先導事業と住宅・建築物省CO2先導事業、建築物省エネ改修推進事業は今月5日から募集を開始。既存住宅流通活性化事業については現時点で募集時期は未定だ。
 また、先導的技術による大規模木造建築物や中小住宅会社による地域材利用の長期優良住宅に対して補助を行う「木のまち・木のいえ整備促進事業」を創設。50億円の予算を計上した。
 これは中小住宅会社が建てる長期優良住宅に100万円の補助を行う長期優良住宅普及促進事業の名称を変更して補助要件を拡充するとともに、構造材・内外装材に木材を一定以上使用した大規模な木造建築物や、木造住宅・建築物の技術基盤強化に関する事業にも補助を行う。
 中小住宅会社が建てる長期優良住宅への補助については、昨年同様の条件を満たせば最大100万円の補助を受けられるほか、さらに柱・梁・桁・土台の51%以上に産地証明がある地域材を使用すれば20万円の上乗せとなり、最大120万円の補助を受けられる。
 木造住宅・建築物の技術基盤強化への補助は今月15日から募集を開始したが、長期優良住宅への補助は現時点で募集時期は未定。

経済産業省
高効率給湯器への補助予算は半減

 経済産業省では、2020年に太陽光発電システム導入量を現在の20倍にする目標を掲げ、住宅用太陽光発電については引き続きシステムの導入に対して補助を行う。補助額はこれまでと同様、kWあたり7万円になる見込み。
 昨年の事業仕分けでは予算化見送りとなっていたが、再生可能エネルギー全量買取制度の検討とあわせて、システム価格の引き下げを誘導する補完的・暫定的な普及促進策として復活。予算規模は401億円で、補正予算を含む前年度予算より20億円ほどの減額となっている。
 断熱部材と省エネ給湯・照明等で構成する先導的な高効率エネルギーシステムや、潜熱回収型の高効率給湯器など省エネ効果に優れた設備の導入に補助を行う住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業も継続実施となり、137億円を計上。昨年、世界に先駆けて本格販売となった家庭用燃料電池についても68億円の予算を計上し、引き続き導入に対して補助を実施する。
 ただ、補正予算を含む前年度予算と比べると、ヒートポンプなど先導的システムへの割当分は40億円の増額だが、高効率給湯器等への割当分は87億円とほぼ半減。

税制改正
贈与税非課税枠を1,500万円に

20100325_01_02.jpg 税制改正では、65歳以上の親からの贈与資金を対象とする相続時精算課税制度で、65歳未満の親からの贈与も対象とする特例措置を平成23年12月31日まで延長するとともに、新築・増改築以外に省エネ・耐震・バリアフリー改修も適用対象とする。ただし、特別控除の1000万円上乗せ特例は昨年末で廃止。
 また、新築・増改築のために両親からもらった資金にかかる贈与税の非課税枠を、平成23年12月31日まで現行の500万円から平成22年は1500万円、23年は1000万円に拡大。省エネ・耐震・バリアフリー改修も適用対象とする。
 このほか、固定資産税が戸建ての場合、5年間2分の1に軽減され、不動産取得税や登録免許税も優遇される長期優良住宅普及促進税制や、一般の新築戸建住宅で固定資産税が3年間2分の1に減額される特例措置、30万円以上の省エネ改修・バリアフリー改修を行った場合、翌年度の固定資産税を3分の1減額する省エネ改修促進税制とバリアフリー改修促進税制などの適用期限も2~3年間延長となる。


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