新聞記事

2010年03月05日号から

高水準の省エネ推進 パッシブハウス・ジャパン設立

20100305_04_01.jpg ドイツ発祥の省エネ住宅・パッシブハウスの普及を日本・アジアで推進するパッシブハウス・ジャパン(森みわ代表理事、キーアーキテクツ代表)がこのほど設立され、本格的に活動を開始した。
 パッシブハウスは1991年にドイツのパッシブハウス研究所で開発された省エネ住宅。年間の一次エネルギー消費量基準は120kWh/m2と、ドイツの省エネ義務基準より大幅な省エネを実現しながらも、快適性は決して犠牲にしないことから、ヨーロッパはもとより、アメリカや日本、韓国などでも注目され、昨年には神奈川県鎌倉市で日本初のパッシブハウスが建設された。
 パッシブハウス・ジャパンでは、ドイツ・パッシブハウス研究所の日本における正式な窓口として世界各国の研究機関と連携し、省エネ住宅に関する最先端の技術情報の発信や、建物の熱損失などを計算するパッシブハウス用のソフト・PHPPの改良、日本の気候風土に適した省エネ基準の確立などを計画。
 具体的には、パッシブハウスの認定、パッシブハウス入門セミナーやPHPPを用いた省エネ設計セミナー、設計コンサルタント、省エネ建築診断士資格試験、EUの第3者機関による住設建材の性能値取得の手伝いなど建材設備機器メーカーのサポートを行う。
 現在、工務店や設計事務所、建材設備機器メーカーなどを対象とした賛助会員も募集中で、会員になると様々な特典が受けられる。

日本向け仕様を追求

 森代表理事は「建物からの"熱損失"を厳しく制限するパッシブハウス基準は、"究極の高断熱高気密住宅"と位置づけられてしまいがち。それは決して間違いではありませんが、ひたすら省エネ性能のみを追求した概念ではなく、本来は省エネ住宅の居住性と経済性を同時に成立させることがパッシブハウス基準の目的。EUではパッシブハウスの性能値とその評価方法が、建築のカーボンニュートラル化のための重要な一歩として各国で採用される見通しです。パッシブハウス生みの親であるファイスト博士もパッシブハウスの日本への適用に大変意欲的であり、私達パッシブハウス・ジャパンの掲げる、日本の風土と文化に適したパッシブハウス基準の検証に心から賛同してくださいました」と話している。
 入会や問い合わせはホームページを参照のこと。


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