新聞記事

2010年01月05日号から

動き出すエコポイント

今年の住宅政策の目玉として緊急経済対策に盛り込まれた住宅版エコポイント制度の詳細が明らかになってきた。エコポイントの発行は、新築戸建てであればトップランナー基準(住宅事業建築主基準)、もしくは木造であれば次世代省エネ基準をクリア、リフォームであれば窓または外壁・屋根・天井・床いずれかの次世代省エネ基準対応断熱改修が対象となり、省エネ設備機器は対象外。断熱構造化に的を絞った制度として実施される。

高断熱構造の新築・リフォームが対象

 エコポイントは、昨年度に地上デジタル放送対応テレビとエアコン、冷蔵庫を対象とした制度として創設。性能やサイズに応じてポイントが与えられ、1点1円相当として商品券やプリペイドカード、省エネ性の高い商品などと交換可能だ。
 住宅版エコポイントは、省エネ性の高い新築住宅とリフォームにもこのポイントを与えるもので、家電版エコポイント同様に商品券などと交換できるが、家電版が最高3万9000ポイント(買替え・リサイクル含む)なのに対し、住宅版は新築で30万ポイント相当(予定)とケタが違う。そのため政府は家電版よりも交換対象を多様化する方向で検討中。
 ポイント申請期限は今後発表されるが、あらかじめ発行数が決まっているため、申請期限前であっても発行ポイントが予定した数に達した場合は、その時点で発行を終了する。
 ポイントの申請は今後都道府県ごとに設置される事務局で行うことになり、必要書類を窓口に提出または郵送する。

新築の場合
木造戸建ては次世代基準

 エコポイントをもらえる戸建住宅は、新築であれば昨年12月8日から、リフォームであれば今年1月1日から今年12月31日までに着工し、今年度補正予算成立日以降に完成・引き渡しされた住宅が対象。
 新築のポイントは30万相当となる予定で、次のいずれかの条件に適合することが必要だ。
 ①トップランナー基準に適合したすべての住宅(工法は問わない)
 ②次世代省エネ基準に適合した木造住宅
 ポイントの申請にあたっては、これらの基準に適合することを証明する書類を添付しなければならない。②の木造住宅については、次のいずれかの書類が必要。
 ①住宅性能表示制度で省エネルギー対策等級4の設計または建設住宅性能評価書
 ②長期優良住宅の認定通知書または適合証
 ③第三者評価による住宅省エネラベルの適合証(断熱性能基準)
 ④フラット35S(省エネルギー性基準に該当)の適合証明書
 ⑤性能評価機関によるエコポイント対象住宅証明書
 木造以外の住宅については、第三者評価による住宅省エネラベルの適合証(総合省エネ基準)またはフラット35S(20年金利引下げタイプ・省エネルギー性基準に該当)のいずれかとなる。
 これらの書類以外にも、工事施工者が社名・住所や工事期間・内容を記載し発行した工事証明書と領収書または契約書の写し、確認済証の写し、検査済証の写しまたは竣工写真などを提出する。

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リフォームの場合
外壁や窓など次世代レベルに

 一方、リフォームについては、1ヵ所の改修で1万5000ポイント相当を予定しており、例えば窓3ヵ所の改修で4万5000ポイントとなる。ただ、外壁・床・天井の断熱改修については、どのようにポイントを計算するのか現時点(12月25日現在)では未定だ。
 ポイントを申請するためには、次のいずれかの条件に適合することが必要になる。
 ①窓の断熱改修(二重サッシにするか、ガラスを複層ガラスに変更)
 ②外壁、屋根・天井または床の断熱改修
 このうち、窓の断熱改修は、複層ガラスへの交換や内窓の設置、窓そのものの交換によって次世代省エネ基準に適合すること。外壁、天井または床の断熱改修は、次世代省エネ基準に適合する厚さのノンフロン断熱材を用いる。使用する断熱材は所定のJIS規格の適合認証を受けていることなどが要件となる予定だ。
 なお、手すりの設置や段差の解消、通路・出入口の拡幅などのバリアフリーリフォームもあわせて行う場合には、ポイントが加算される仕組み。
 ポイント申請時には以下の書類が必要になる。
 〈窓の断熱改修の場合〉...メーカーが発行する窓・ガラス等の性能証明書(製品型番・製造番号・サイズが記載されたもの)
 〈外壁等の断熱改修の場合〉...断熱材の納品書または施工証明書(製品型番や使用量が記載されたもの)
 これらの書類以外に工事証明書や領収書、工事現場写真なども提出することになる。

長期優良など対象の
補助金と併用は不可

 住宅版エコポイントを利用するにあたっては、他に国から補助を受けている場合、例えば北方型住宅ECOなど最大200万円の補助が受けられる長期優良住宅先導的モデル事業と、最大100万円の補助金が受けられる長期優良住宅普及促進事業などとの併用はできないことに注意しておきたい。
 厳密に言えばエコポイントは補助金と異なるが、国では同じ性格のものとして捉えており、補助金の2重取りになるとの考えだ。
 間違って長期優良住宅の補助金とエコポイントを同時に申請した場合、事前にチェックされるというものの、チェックをすり抜けて補助金とエコポイントの両方を受けた場合、最悪両方とも返還を命じられる可能性もある。
 ただし、太陽光発電や高効率給湯機(エコキュートなど)に対する補助はあわせて利用することが可能になっているほか、長期優良住宅促進税制や省エネ改修促進税制などの税制特例やフラット35など融資面での優遇措置も受けることができる。

今月から全国で講習会

 国交省では、住宅版エコポイントの講習会を今月から全都道府県で開催する。北海道・東北の日程・会場は別表の通り。
 参加希望者は電話(0120・003・605)またはFAX(0120・009・242)で開催日3日前までに申し込む。受講無料。
 また、問い合わせ窓口も開設(03・5253・8111、内線39471~39473)。住宅リフォームセンターでも相談窓口を設置している(03・3261・9358)。


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国交省住宅版エコポイントホームページ
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000017.html


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