土間床の仕様に注意
耐震等級2以外の基準に関しても、スムーズに審査してもらうために気をつける部分がある。
例えば省エネ等級4(道内はQ値1.6W)の確認でQ値計算に室蘭工大・鎌田研究室が開発したQpexを使う場合、基礎断熱の住宅ではバージョン2ではなくバージョン1を使うこと。その理由として札工検・渡辺部長は「バージョン1では実質熱貫流率×基礎の周長という一般的な方法で基礎部分のQ値を計算しているが、バージョン2はどのようにQ値を計算しているのかを把握できないため」と話している。
また、認定基準では劣化対策として床下空間の高さを330ミリ以上取ることとしている。一般的な床断熱や基礎断熱なら問題ないが、土間床仕様では注意が必要。土間スラブの上に根太を入れてから床を張る場合、根太間が床下空間と見なされてしまうからだ。土間スラブ上で330ミリ以上の高さを取るのは現実的ではないので、根太間に断熱材を入れるか、土間スラブに床下地合板を直張りすることになる。
(写真...熱損失係数(Q値)計算でQPexを使う場合はバージョン2ではなく、バージョン1を使う)
図面と計算書の食い違いなくす
不明点の確認や訂正・修正は、性能評価機関が"指摘事項"として連絡してくるが、それに対し翌日に対応できる住宅会社もあれば、1週間くらいかかる住宅会社もあるという。
これらの対応が早いほど、審査期間の短縮につながるが、最初から修正・訂正等を少なくするため、申請書類や添付する図面は正確に作成したい。
例えば記入間違いなどで注意するところとしては、1.荷重や耐力壁の配置、梁のスパンなどが図面と計算書で異なっていないか 2.間違った単位を使用していないかなどのほか、「依頼書で審査する項目にチェックを入れる際、各市町村が指定している審査項目をしっかり調べることも大切。多くの市町村は6項目の審査だが、札幌市は居住環境を除く9項目を審査するなど、全市町村が同じわけではない。また、住宅の専用面積は車庫やバルコニーを除いた数字を記入。階段部分の面積は書いていないケースも多いので、注意してほしい」(札工検・渡辺部長)としている。
(写真...技術審査依頼書でチェックを入れる審査依頼項目は、建設地市町村によって異なるので、事前によく確認する)
新聞記事
2009年08月15日号から
資料の提出漏れなくし書類は正確に作成2
技術的審査期間短縮のコツ
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